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富士フイルム X Summit OMIYA 2022 まとめ

富士フイルムが「X Summit OMIYA 2022」を開催し、「X-H2S」や「XF150-600mm」などを正式発表し、新レンズ群や「X-H2」の開発発表を行いました。内容テンコ盛りのイベントなので、どのようなオンラインイベントだったのかざっくりまとめてみました。

CEO登場 イメージング事業をさらに拡大する宣言

社長

CEO 後藤禎一氏が登場し、富士フイルムは高品質で画期的な製品・サービスを生み出し、イメージング事業を引き続き拡大していくと宣言。写真文化は人々の生活を豊かにするもとして根付いているが、ニーズは時代と共に変化を続けていると表現。Xシステム10周年に触れ、今回発表する新製品はミラーレス10周年に相応しく、独自の色再現技術・画像処理技術・最新鋭のデジタル技術などが数多く搭載されており、写真や動画の楽しみを更に広げる製品であると確信していると語り、イベント開始です。

X-Trans CMOS 5HSセンサーとX-Processor5を紹介

新開発イメージセンサーと描画エンジン

まず最初に新製品の心臓部となる5世代目「X-Trans CMOS 5HSセンサー」と描画エンジン「X-Processor5」を紹介。「X-Trans CMOS 5HSセンサー」は積層型構造を採用し、前モデル比で4倍・初代比で30倍以上の読み出し速度を実現しているとのこと。高速連写やハイスピード動画撮影、AF高速化、ファインダーの解像度と滑らかさ向上に直結しているとアピールしています。

「X-Processor5」は超高速プロセッシングと次世代規格への対応が特徴に挙げています。処理能力は初代X-Peocessorより30倍以上の処理性能を実現しているとのこと。消費電力は、従来比の半分の消費電力を実現している模様。処理能力が向上した事により、ProRes422HQ・H.265・HEIFなどに対応した事をアピール。今後のフィルムシミュレーションやAIプロセッシングにも恩恵をもたらしてくれそうな感じです。

X-H2S 発表

X-H2S

「X-H2S」開発にあたってXフォトグラファーが実際のフィールドでテスト撮影する訳ですが、その場に富士フイルムのエンジニアと商品開発者も同行しダイレクトにフィードバックを得ながら「X-H2S」を仕上げた開発秘話を紹介。

スピード

「X-H2S」の特徴の1つに高速連写性能を挙げ、AF/AEでブラックアウトフリー 40コマ/秒を実現しているとのこと。メカシャッターで15コマ/秒、電子シャターで20・30・40コマ/秒を実現しており、X-Processor5は1秒間に120コマ以上の読み出しが可能だそうです。AFに関しては動体予測アルゴリズム性能も向上している模様。※人・動物・鳥・自動車・バイク・飛行機などの被写体に対応

EVF

EVFも手抜きなしで、Xシリーズ最高を目指したファインダーとのこと。576万ドットで120fps駆動、ファインダー視野率0.8倍の0.5型有機ELファインダーを搭載。ファインダーに採用している光学エレメントは、すべて非球面レンズで構成する事により、スペックだけでなく官能性能においても最高のファインダーに仕上がっていると明言。

IBIS

5軸ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)は、最高で7段分効果を実現。ここでもX-Processor5の処理能力が寄与しており、新設計のアルゴリズムを採用し低周波のブレ成分まで検出可能で、IBIS自体の微細なノイズ成分も徹底的に除去しているとのこと。実際に使用してみて、どこまでジンバル不要と感じるのか気になるところ。

動画仕様

動画の仕様にも触れ、6K30p、4K120p撮影が可能性である事をアピール。 X-Processor5を搭載する事により、H.265やProRes422HQなど内部記録が可能になった事を説明しています。CFexpress Typ Bカードを採用。新たなガンマモード「F-Log2」も搭載。HDMI Type-Aを採用。※デュアルカードスロット : CFexpress™ Type B x SDカード

冷却ファン

アクセサリーとして冷却ファン「FAN-001」を用意。「X-H2S」のスペックシートを見る限り、付属品には含まれておらず別売りの模様。

モードダイヤル

モードダイヤル(PSAM)を採用。上面はモードダイヤルをはじめサブ液晶モニタを採用しており、シャッターレスポンスもかなりこだわって仕上げた模様。ボディの耐久性と操作性も追求したボディに仕上がっているとのこと。

XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR 発表

XF150-600mm

第5世代Xシステムを念頭において開発したレンズの1本で超望遠ズームレンズ「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」を発表。Xレンズの中で一番長い焦点距離をカバーするズームレンズであり、「X-H2S」を手にしてスポーツやワイルドライフなどを意識しない方はいないでしょうと紹介。

構造

テレコンバーターを使えば35mm換算 1350-1800mmもの超望遠撮影が可能とのこと。ボディのマットシルバー塗装された外装パーツは、温度変化や熱の変化の影響に対応し常に高い描画性能を維持している事を特徴の1つに挙げています。鏡胴・内部構造は、マグネシウム・アルミニウム・樹脂のハイブリッドで構成され剛性アップと軽量化の両立を実現しているとのこと。※サイズ Ø99mm×314.5mm / 質量 1,605g / フィルター径 Ø82mm

小型軽量で機動力がある超望遠レンズで、インナーズームを採用。フォーカス駆動モーターはリニアモーターを採用し最速合焦点速度は0.15秒を実現、焦点カバー域・サイズバランス・高速AF、この3つバランスを両立したレンズが「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」 としています。

レンズ構成

光学性能は、17群24枚構成で色収差対策に高い効果を持つEDレンズを7枚 (スーパーED4枚、ED3枚) を採用する事により高画質化に大きな役割を果たし、国内工場で職人が1本1本仕上げる事によりユーザーを満足させるクオリティに仕上がっている事でしょうと自信を覗かせています。

XF18-120mmF4 LM PZ WR 発表

XF18-120mm

「XF18-120mmF4 LM PZ WR」は、汎用性の高いズーム域・ズーム比を持ち、近接撮影 (最短撮影距離60cm / 最大撮影倍率 テレ端 0.2倍) も得意なレンズであり、防塵防滴仕様で " 全部入りのオールランドズームレンズ " であると表現。

静止画から動画まで様々なシーンに対応している事をアピールしていますが、パワーズーム(PZ)を採用しており、イベント内では動画撮影に適したレンズである事を強調しています。放送用・シネマ用のフジンノンレンズに代表される動画用レンズの品質条件を目指し開発したレンズとのこと。

XF56mmF1.2 II 開発発表

XF56mmF1.2II

ここ数年富士フイルムは初期に発売されたXレンズのリニューアルを積極的に進めていますが、「XF56mmF1.2 II」の開発を発表。より研ぎ澄まされた切れ味と美しいボケ味を提供し、Xシステムの画質をさらに上のステージへと引き上げるものになるでしょうと表現しています。

XF30mmF2.8 Macro 開発発表

XF30mmF2.8Macro

ワイドな画角をもつマクロレンズ「XF30mmF2.8 Macro」を開発発表。コンパクトなマクロレンズで標準画角なマクロレンズである事を特徴として挙げています。

XF8mmF3.5 開発発表

XF8mmF3.5

超広角単焦点レンズ「XF8mmF3.5」を開発発表。この3本の単焦点レンズを鋭意開発中とのこと。

新製品の発売時期と米国価格

発売時期と価格
  • X-H2S … 7月発売予定、価格は2,499ドル
  • XF150-600mm … 7月発売予定、価格は1,999ドル
  • XF18-120mm … 9月発売予定、価格は899ドル

4000万画素センサー搭載 X-H2 と 4000万画素 X-Trans CMOS 5HRセンサー 開発発表

HRセンサー

X-Trans COMOS 5HRセンサーを開発中である事を明らかにし4000万画素センサー搭載「X-H2」を開発発表。スピードに優れた「HSセンサー」と超高画質を実現する「HRセンサー」は、第5世代Xカメラにおいて対になるセンサーになる模様。

X-H2S

4000万画素 X-Trans COMOS 5HRセンサー搭載「X-H2」を開発発表。スピードの「X-H2S」、超高画質「X-H2」と表現しています。「X-H2S」が描く超高精細の表現力を実感してくださいとアピール。

次回「X Summit」は2022年9月開催予定

X Summit

「X-H2」の詳細は次回9月のX Summitで紹介させて頂けると思いますと予告。開発が順調に進めば9月開催「X Summit SEPTEMBER 2022」で「X-H2」が正式発表されるこになります。

今回のX Summitも内容テンコ盛りのイベントとなりました。ただスペックシート朗読的な感じもしたので、コンセプトや開発秘話などもっと強調してくれても良かったのかな~と思う事も。