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富士フイルム Xフェスin六本木 商品企画・開発担当者トークショーが興味深い

富士フイルムが、「X-H2」発表に連動したイベント「Xフェスin六本木」で行った商品企画・開発担当者トークショーをYouTubeに公開しました。9月10日に行われた分の映像で個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。

商品企画 野口卓弥氏、センサー担当 河合智行氏、プロセッサー担当 田中誠二氏、AF担当 桜武仁史氏による「X-H2S」と「X-H2」の特長と違いを分かり易く説明しています。

「X-H2S」と「X-H2」読み出し速度の違い

読み出し速度

「X-Pro1」の読み出し速度を1とすると、積層構造高速センサーを搭載した「X-H2S」の読み出し速度は36倍、高画素センサーを搭載した「X-H2」は10倍とのこと。「X-H2S」が搭載する2600万画素 積層構造 裏面照射型 X-Trans CMOS 5HS センサーの開発期間は4年近く掛かったそうです。

「X-H2S」高速連写40コマ/秒 センサー自体は120コマ/秒で動作している

連写性能

「X-H2S」の高速連写 40コマ/秒 (電子シャッター) を実現していますは、センサー自体は120コマ/秒で動作しているとのこと。120コマの内3枚に1枚を記録し、残りの2枚はAFの演算などに使用している事を明らかに。「X-H2」の方は20コマ/秒を実現していますが、実は40コマで動作しておりローリングひずみは少ない事をアピールしています。あとJpegと圧縮RAWの撮影可能枚数に大きな違いがない事も特長の1つではないでしょうか。

被写体認識AF (目・顔・全体)は同時に認識している

AF
AF

被写体認識AFは、目・顔・全体と状況に応じて切り替わって表示されますが、実はすべて同時に動作しており、最適な1つだけを表示している事を明らかに。上記の画像はあえて3つ表示させています。

両機のAF演算回数に大きな差があり「X-H2S」は120fps、「X-H2」は26fpsとなっており両機のコンセプトの違いがはっきりしているのではないでしょうか。

「X-H2S」は8Kに対応しており、8KでAFするにはこのくらいの画素数があると安定するそうで、動画に対しても新しいアルゴリズムを追加しており、両機のコンセプトに合せて改良・強化が行われている事が伺えます。

画質の観点では4000万画素に軍配が上がる

画質

4000万画素のメリットとして、精細感が高まる、画素ピッチが小さくなる事でノイズ1つ1つの粒が小さくなり低ノイズに見える、階調がより滑らかになり肌の色再現性など有利に働く事などを挙げています。加えて「X-H2」は、GFXが採用していた " スムーススキンエフェクト " を採用し、デジタルテレコンやピクセルシフトマルチショットにも対応しています。

あと電子シャッターによる高速静止画撮影にも触れており、NDフィルターなしでF1.0レンズを開放で静止画撮影できる事も長所に挙げています。

「X-H2S」と「X-H2」それぞれ特長がある動画性能

動画

「X-H2S」は高速カメラだけに動画撮影時のローリングひずみが 1/180sec. となっており非常に影響が小さい事と4K120p撮影が可能な事をアピールしています。「X-H2S」の方が、F-Log2撮影時のダイナミックレンジがより広い 14+stop で撮影可能な事も挙げています。

「X-H2」はやはり " 8K30p " で撮影可能なところが大きな特長。両機はProRes内部記録に対応した事も大きなポイントで内部記録が出来るようにプロセッサに回路を入れて実現しているとのこと。連続撮影時間もかなり長く撮れる事もアピールしており、プロセッサの省電力化やボディの放熱構造もかなり見直して実現しているそうです。「X-H2」は8K30pで160分連続撮影可能。両機は4K60pで240分連続撮影可能とのこと。