富士フイルム「X lab♯35 : X-S20開発秘話~前編~」を公開
富士フイルムが「X lab♯35 : X-S20開発秘話~前編~」を公開しました。個人的に興味深かったポイントをピックアップ。参加者は、商品企画 松田典久氏、メカ設計 林美宏氏、セット(プロジェクト)リーダー 古林晃治氏、デザイン 会田侑香里氏の4名になります。
グリップのこだわり
「X-S20」のサイズ感は前機種「X-S10」とほぼ同じサイズで、横幅がわずかに大きくなっただけでサイズ感をキープしている新型機になります。「X-S20」のバッテリーが大容量で大型な " NP-W235 " に変更した事により、バッテリーをグリップ内に収めながら握り易いグリップを試行錯誤しながら仕上げっていった裏話を披露。グリップは「X-S20」の胆であり、モックアップを作りながら色々な国内外の人に握ってもらいフィードバックを得て正解を導き出していったとのこと。
大きなデザイン変更部分は軍艦部分の角度
「X-S20」のデザイン部分にも触れています。デザイン言語のベース部分は「X-S10」を引き継いでいますが、フラッグシップ機にあるシャープでソリッドな仕上げを目指しながら、ダイヤル類などを大きくしたり、小型ボディながらも見た目だけでなく使い易いデザインを実現しているそうです。
軍艦(フラッシュ)部分のデザインが一番大きな変化とのこと。「X-S20」の軍艦部分は横から見ると「X-S10」と比べてみると結構寝ている事が確認できます。これにより重心が低く見え、正面から見ても堂々とした佇まいに仕上がっているとのこと。
ヘッドフォン端子の配置場所にもこだわりあり
「X-S20」は新たにヘッドフォン端子を採用していますが、配置場所にもこだわりがある事も明らかに。「X-S20」を構えると右側上部にヘッドフォン端子が配置されているのですが、カメラを構えた時も隠れないところに配置しているので、撮影時も邪魔にならない模様。
On/Offレバーもこだわりあり
On/Offレバーも0.1mm単位で変えたモックアップをたくさん作って仕上げており、開発陣目線で様々な箇所に細かい進化が施されている事が伺えます。
X-Processor 5 搭載で熱処理が課題だった
「X-S20」は最新世代の描画エンジン " X-Processor 5 " を搭載しています。放熱構造を大きくし、冷却ファン FAN-001 に対応しているとのこと。冷却ファン FAN-001 に対応させるためには、構造的(ネジ穴・電気的な接点追加) に対応する必要がありメカ的にかなり頑張ったと開発が大変だった事を明らかに。サイズをキープしながら構造を増やしていく大変さが伺えます。