富士フイルム「X-T5」国内注文一時停止から1ヶ月 依然海外では販売中
国内で富士フイルム「X-T5」の注文が一時停止になって1ヶ月。1ヶ月経った今でも海外では普通に「X-T5」の在庫があり販売中です。※2023年11月27日時点の販売状況
国内市場は1ヶ月経った今でも注文一時停止中
富士フイルムは2023年10月27日に「X-T5」と「X-S20」の注文を一時停止する事を告知。フジフイルムモール、マップカメラ、カメラのキタムラを見てみると注文一時停止状態が続いている事が確認できます。ヨドバシカメラではX-T5で検索を掛けても製品が引っ掛からない状況。
海外では1ヶ月経った今でも在庫あり
この1ヶ月、毎日ではないですが週1ぐらいのペースで海外量販店の「X-T5」の販売状況をチェックしていたのですが、安定して在庫があり販売中といった感じでしょうか。B&HやAdoramaでは在庫があり普通に購入できる状況。
英国富士フイルム公式のオンラインストア的なものがあって、こちらも普通に在庫あり。しかもキャッスバック・キャンペーン中で割引価格となっています。ちなみに国内でも富士フイルムはキャッシュバックキャンペーン中ですが、Xカメラは対象外。
あと中国通販大手の天猫(Tmall)を見てみると、いくつか「X-T5」がリストアップされます。各販売ページに行くとカートに入れるボタンは生きている模様。※中国語は分からないので、参考程度にしておいてください
違和感あるプレスリリース
個人的に「X-T5」国内注文一時停止プレスリリースに違和感があるのです。
このたび、一部ミラーレスデジタルカメラにつきまして、販売好調が続いていることに加え、インバウンド需要の急増などにより当初計画を大幅に上回るご注文をいただいており、製品の供給が追い付かない状況であるため、本日よりご注文の受付を一時停止させていただきます。また、すでにご注文いただいている分につきましても、製品のお届けまでにお時間を要します。お客さまには、ご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。 なお、ご注文の再開時期に関しては、改めて弊社ウェブサイトよりご案内いたします。
この " インバウンド需要 " と表現に違和感。インバウンド需要という表現は、一般的に旅行などで日本に訪れた外国人による消費行動を指す事だと思います。ちなみに「X-T5」は国内で予約受付期間に需要が供給を上回り、発売開始後 大体3ヶ月待ちの状況が続いていました。日本に訪れた外国人は、「X-T5」を普通に購入できるルートがあったのでしょうか。逆に日本に訪れた外国人に格安で「X-T5」を買わせないように在庫切れ扱いにしているのであれば、日本の顧客の負担が大きくて複雑な気分。
「X-S20」も同様で需要が供給を上回った状況が続いていました。
推測 : 市場の優先順位
海外の「X-T5」の在庫状況を見る限り、日本市場と海外市場の優先順位がありそうな印象。加えて円安の状況が続いており、為替的に海外で売った方が利益になるのでその影響を受けていそうな予感。前回の決算発表の質疑応答を含んだ資料を見てみると「カメラも作れば売れているような状態」と発言しているので、作った分は優先的に海外に流しているのかもしれません。ちなみに10月~12月はカメラ市場において一番収益が期待できる四半期です。
「X-H2」と「X-H2S」は量販店で在庫を見かけるようになりましたが「X-T5」と「X-S20」に関しては、少なくとも2024年1月以降にならないと国内では流通しなそうな予感。