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ニコン映像事業 収益が改善するも来期予想は引き続き厳しい模様

ニコンが2018年3月期決算を発表し多くのメディアが利益重視型の構造改革による効果が出てきた事を大きく伝えていますが、映像事業に関しては収益は確保しながらも販売台数は依然減少しつつあり、来期も厳しく予想しています。

2018年3月期決算決算資料(PDF)

2018年3月期 : 映像事業

2018年3月期 映像事業

売上収益:前年比223億円減収

  • カメラ市場の縮小が継続し、各カテゴリーで販売台数が減少
  • 前回(Q3)見通しに対して、コンパクトカメラ等の台数未達や一眼レフの製品ミックスの変化により計画には届かず

営業利益:前年比131億円増益

  • 17年3月期の営業利益は281億円(構造改革関連費用控除前)
  • 18年3月期の営業利益は前年比 79億円増の360億円(構造改革関連費用控除前)
  • 高付加価値製品への選択と集中、固定費削減で、市場縮小による 減益影響を打ち消す
  • 前回(Q3)見通しに対して、減収による減益影響に加え、製品在庫の廃棄増により、計画未達

利益は確保したものの、レンズ交換式カメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラすべて販売台数が減少傾向にあり、決算資料8ページにはQ4の市場が弱かった事にも触れています。他メーカーも同じですが、引き続き " 高付加価値製品への選択と集中 " していく模様。

2019年3月期 通期見通し:映像事業

2019年3月期 通期見通し 映像事業

売上収益:407億円の減収

  • カメラ市場の縮小が継続、各カテゴリーで販売台数減少

営業利益:12億円減益

  • 2018年3月期営業利益は360億円 (構造改革関連費用控除前)
  • 2019年3月期の営業利益は、前期 比50億円減の310億円の見通し (構造改革関連費用控除前)
  • 減収の中でも、固定費削減と高付加価値製品へのシフトにより、営業利益率は9%台を確保

引き続きカメラ市場が縮小し販売台数が減少する中、固定費削減と高付加価値製品へのシフトし利益を確保するとしています。去年はD850の大ヒットがあり引き続きD850は売れ続けると思いますが、コンパクトカメラの大きな収益は望めず、現時点でNikon 1シリーズは現行ラインアップが消滅し、アクションカメラ KeyMissionがテコ入れされる動きはまったく無く、現時点で期待されているフルサイズミラーレス機がD850と同等の需要があるのかどうか分かりませんが、今年もヒット機の登場に期待が掛かります。