ニコン 1784万画素 積層型CMOSイメージセンサーを開発
ニコンが、半導体の国際会議「ISSCC2021」で1インチながらも総画素数1784万画素 積層型CMOSイメージセンサーの開発を発表しました。秒1000コマ、HDR特性110dB、4K×4Kの高解像度を実現しているとのこと。
ニコンは、光学機器メーカーとして、光学技術、精密計測・加工技術や材料技術などをベースに、映像技術の中核となる最先端イメージセンサーの研究開発にも取り組んでいます。現在、イメージセンサーは、デジタルカメラやスマートフォンといった映像分野のみならず、自動車などさまざまな産業分野にも用いられています。いずれの分野においても、小型・軽量、高フレームレート、広ダイナミックレンジ、高解像の全てを実現するイメージセンサーが求められています。
イメージセンサーの技術開発は、映像業界をリードするニコンに不可欠であり、今後も市場の要望を踏まえてセンサーの研究開発を継続していきます。※プレスリリースより
主な特長
- 業界最高水準の、HDR特性110 dBと秒1000コマの高速撮影を両立
- 画面内の領域ごとに露出のコントロールが可能
スペック
- 製造プロセス : 65 nm BSI + 65 nm CMOS 積層プロセス
- 撮像素子 : 1型CMOSイメージセンサー
- 画素サイズ : 2.7×2.7 μm
- フレームレート : 1000 fps
- ダイナミックレンジ : 110 dB(1000 fps時)/ 134 dB(60 fps時)
- 総画素数 : 約1784万画素(4224×4224画素)
アスペクト比が1:1なので少なくとも今回登場したセンサーは民生カメラは想定しておらずB2Bな印象。" 開発 " という表現に留まっており、ISSCCだけに技術発表の域を出ないのか、すでに製品化出来る状態なのか気になるところ。
今後の展開がどうなるのか分かりませんが、今回のプレスリリースにある技術を採用した民生カメラ用 アスペクト比3:2の1インチセンサー開発に期待したニコン・ユーザーさんは多いのではないでしょうか。
1インチセンサーと言えば、ソニーRX100シリーズを連想する方が多いと思いますが、元々はNikon 1が最初に採用し、発売される事無く中止になってしまったニコン「DL」シリーズも1インチセンサーを搭載していました。プレスリリースにはイメージセンサー自体の研究開発は継続していくとしているので、今後 民生カメラにその様々な技術が降りてくる事に期待です。※ニコンはイメージセンサーに関してファブレス経営なので外部企業に生産を委託する必要あり
ちなみにEE Times JapanがISSCC2021注目論文記事を掲載しており、2ページ目に掲載されているイメージセンサー性能向上/機能拡張論文一覧画像にニコンもピックアップされている事が確認できます。以前この記事を読んでソニーに注目していたのですが、ニコンの発表はサプライズでした。