ニコンが、宇宙航空機部品に参入へ 米国Morf3D Inc.を買収
ニコンが、米国Morf3D Inc.を買収し宇宙航空機部品市場に参入する事を発表しました。ニコンにとって成長領域である「材料加工事業」の事業拡大戦略に基づくものとのこと。
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区、以下「ニコン」)は、米国のMorf3D Inc.(CEO:Ivan Madera、以下「モーフ3D社」)の株式の過半数を取得し、子会社化しました。
モーフ3D社は、米国カリフォルニア州に拠点を持ち、一般に「3Dプリンティング」と呼ばれる金属を積層する加工方法“アディティブマニュファクチャリング(AM)”を行う専業会社で、特に、宇宙航空機関連部品の受託生産においては全米トップクラスに位置付けられています。
ニコンは、中期経営計画において注力する成長領域の一つとして「材料加工事業」を掲げており、2019年7月には、「材料加工事業」をはじめとする新たな事業立ち上げを加速する目的で「次世代プロジェクト本部」を設立しました。同本部では、複数のユースケースにおいてその分野をリードする企業への戦略的投資や提携を通じた「材料加工事業」の拡大を企図しており、モーフ3D社への出資もその戦略に基づくものです。
モーフ3D社は、欧米の主要な宇宙航空機メーカーの多くを顧客として持ち、必要な宇宙航空機関連の認証も取得しています。ニコンは、モーフ3D社株式の過半数取得後、同社が保有する事業基盤を活用し、「材料加工事業」の拡大を目指します。
具体的には、インターネット接続や地球観測画像の取得・分析の需要等から市場が急拡大している中小型衛星向けに、モーフ3D社が持つ顧客基盤とニコンの光加工機をはじめとする精密加工技術を組み合わせた受託加工ビジネスの展開を行っていく計画です。※プレスリリースより
2020年5月に開催された「中期経営計画進捗報告」の資料(PDF)を見てみると…
中期計画中に注力するテーマとして " 材料加工業 " を挙げており、顧客として " 航空・宇宙 " 分野が入っている事が確認できます。光加工機などの装置販売だけでなく、受託加工サービスなどコア部品に特殊な加工を施す事によりニコン独自の付加価値を実現し、装置販売から加工サービスを含めたエコシステム構築を目指している事が伺えます。
ニコンのカメラ事業はまだ柱の1つであり、事業的新たな柱の創出を目指しています。
宇宙繋がりで少し話は変わりますが、野口宇宙飛行士が宇宙で写真撮りたい人にフォトテクニック教える動画を公開しており、ニコン「D5」「NIKKOR 800mm」「NIKKOR 8mm fisheye」 「Noct 58mm」などが登場します。