ニコン マイクロニッコール「Z MC 105mm f/2.8 VR S」「Z MC 50mm f/2.8」発表
ニコンが、Zマウント フルサイズ対応 マイクロレンズ2本「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」と「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」を正式発表しました。中望遠マイクロレンズ S-Lineと標準マイクロレンズを同時発表した事になり、発売日も同じ2021年6月25日(金曜日)を予定しています。
希望小売価格(税込)は「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」が144,320円、「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」は94,160円とのこと。
Zレンズロードマップで予定していたマイクロレンズ2本がまさかの同時発表。マイクロレンズを使い倒せる時期に発売される事になります。両レンズがどのような仕様なのか、どのようにコンセプトが違うのか見ていきましょう。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S 基本スペック
- 焦点距離 : 105mm
- 最大口径比 : 1:2.8
- レンズ構成 : 11群16枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ1枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
- 画角 : FX 23° 10′/ DX 15° 20′
- ピント合わせ : マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式
- 手ブレ補正効果:4.5段 ※CIPA規格準拠 VRモード:NORMAL/SPORT
- 最短撮影距離 : 29cm
- 最大撮影倍率 : 1倍
- 絞り羽根枚数 : 9枚(円形絞り)
- 絞り方式 : 電磁絞りによる自動絞り
- 最大絞り : 撮影距離が∞:f/2.8 / 撮影距離29cm:f/4.5
- 最小絞り : 撮影距離が∞:f/32 / 撮影距離29cm:f/51
- フォーカス制限切り換えスイッチ : FULL(∞~0.29m)と0.5m-0.29mの2段切り換え
- フィルター径 : 62mm
- サイズ : 85mm × 140mm
- 質量 : 630g
- 付属品 : レンズキャップ62mm LC-62B / 裏ぶた LF-N1 / バヨネットフード HB-99 / レンズケース CL-C2
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 基本スペック
- 焦点距離 : 50mm
- 最大口径比 : 1:2.8
- レンズ構成 : 7群10枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
- 画角 : FX 47° / DX 31° 30′
- ピント合わせ : 前群繰り出し方式
- 最短撮影距離 : 16cm
- 最大撮影倍率 : 1倍
- 絞り羽根枚数 : 9枚(円形絞り)
- 絞り方式 : 電磁絞りによる自動絞り
- 最大絞り : 撮影距離が∞:f/2.8 / 撮影距離16cm:f/5.6
- 最小絞り : 撮影距離が∞:f/22 / 撮影距離16cm:f/32
- フォーカス制限切り換えスイッチ : FULL(∞~0.16m)と0.3m-0.16mの2段切り換え
- フィルター径 : 46mm
- サイズ : 74.5mm × 66mm
- 質量 : 260g
- 付属品 : レンズキャップ46mm LC-46B / 裏ぶた LF-N1 / HN-41 / レンズケース CL-C1
サイズ質量とワーキングディスタンスの違い
もちろんS-Lineと無印の違いはあるのですが、特に「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」の質量は260gで圧倒的に軽量。両レンズともに等倍のマクロレンズですが、焦点距離が標準域の50mmと中望遠域の105mmなのでワーキングスタンスが変わってきます。特に標準域の50mmは、レンズ先端から5cmまで寄れるのでネイチャーからテーブルフォトなど色々撮りたくなるレンズかもしれません。
あと「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」のボディの長さは66mmと短いですが、ピント合わせが " 前群繰り出し方式 " となっておりニョキニョキ伸びるタイプのマクロレンズとなります。
レンズ構成
- Z MC 105mm f/2.8 VR S … 11群16枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ1枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
- Z MC 50mm f/2.8 … (EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
レンズ構成図と仕様を見る限りやはり「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」はS-Lineだけあって、それ相応のマクロレンズに仕上がっている印象。105mmの方は " EDレンズ3枚 " 使用する事により軸上色収差を徹底的に補正しているとのこと。
コーティングにも差があり、105mmはナノクリスタルコート、アルネオコート、フッ素コートのテンコ盛り。50mmの方はフッ素コートのみとなっています。
レンズ内手ブレ補正(VR)
- Z MC 105mm f/2.8 VR S … 4.5段分効果
- Z MC 50mm f/2.8 … 非搭載
基本的にZ FX機はIBISを搭載しているので50mmのVR非搭載は大きな問題にはならないと思います。しかし105mmは4.5段分効果のVRを搭載し、製品ページを見るとボディとの組み合わせて5軸のブレを補正し幅広い状況下で高い効果を発揮するとしています。
MTF曲線
両レンズのMTF曲線を比べてみると光学性能は、やはり「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」の方が良さそうな印象。10本/mm線を見てみると105mmは結構上に張り付ている感じで、全域でヌケの良いコントラストを実現している事が伺えます。30本/mm線を見てみると、105mmの方がシャープネスが高そうな印象。
モーター
- Z MC 105mm f/2.8 VR S … 新規開発のステッピングモーターとマルチフォーカス方式を採用
- Z MC 50mm f/2.8 … ステッピングモーターと前群繰り出し方式を採用
両レンズともにステッピングモーターを採用していますが、プレスリリースを見比べてみると105mmのみ " 新開発 " のステッピングモーターを採用している模様。マクロレンズは、手持ち撮影において近接撮影になればなるほどフォーカス精度が求められるので、実際の仕上がり具合に興味津々。
防塵防滴仕様
- Z MC 105mm f/2.8 VR S … 高い防塵・防滴性能を確保 ※すべての条件で完全な防塵・防滴を保証するものではありません
- Z MC 50mm f/2.8 … 防塵・防滴性能に配慮した設計
微妙に表現が違っていて、防塵防滴性能にある程度差があるのかもしれません。自分は雨の日に花や滴撮りに行く事があるので、マクロレンズの防塵防滴仕様の優先順位は高いので思わずピックアップしてみました。
フォーカス制限切り換えスイッチ
- Z MC 105mm f/2.8 VR S … あり
- Z MC 50mm f/2.8 … あり
フォーカスリミットスイッチは好き嫌いが分かれると思いますが、両レンズ搭載しています。中望遠域のマクロレンズは必須と思いますが、標準域の50mmも搭載していて個人的に好印象。
サンプル画像
製品ページにサンプル画像( 105mm / 50mm )が掲載されており、それぞれ仕上がり具合を確認できます。 各サンプル画像に解説が掲載されているの参考になるのではないでしょうか。
ついにZマウントでマイクロニッコールの登場です。