dpreview スポーツ写真家にニコン「Z 9」の仕上がり具合を聞く
dpreviewが、英国を拠点に活動するスポーツ写真家 Mark Pain氏にニコン Zマウント フラッグシップ機「Z 9」の仕上がり具合を伺ったインタビュー記事を掲載しました。個人的に興味深かったポイントをざっくりピックアップしてみました。
Mark Pain氏は30年以上英国で活動し数々の賞を受賞し、Mail On Sunday紙のチーフスポーツカメラマンとのこと。10代の頃からニコン機を使っており、一度キヤノン機に移行したものの「D5」「D6」を愛用しており、Fマウント フラッグシップ機と「Z 9」を比較したインタビューになっています。
マウントアダプター FTZ II
Mark氏はZレンズではなく「FTZ II」 経由でFレンズを使用しているそうで主力レンズは「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR」や「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」など。「FTZ II」を経由した「Z 9」と「400mm f/2.8」の使用感は「AF速度が低下する事はない」「どちらかと言えば、さらに速くピントが合うようだ」とコメントしています。
「Z 9」のAF性能
職業的にプロとして大きな買物は正当性が求められ、プロ用カメラはあまり急激な変化を好まないと基本的な考え方を示し、すでに所有しているカメラを99%満足しているとしながらも「Z 9」の新たなフォーカスモードには興奮したそうです。
顔認識による3Dトラッキングは革新的とのこと。「D5」や「D6」と比べても圧倒的な進化を遂げているとコメント。「Z 9」のスポーツ撮影で顔検出・瞳検出AFしか使っていない模様。彼はスポーツ写真撮影において被写体を構図の中央付近に納めるスタイルで構図的に被写体を端に置く事はないので、センサー全域にAFポイント・エリアが広がる事よりもAFトラッキング性能の向上の方が重要と考えている模様。
EVFと光学ファインダー
仕事上 EVFが光学ファインダーより優れていると思えないが、これまで使った中で最高のEVFであると明言。「Z 9」を使用した後に「D5」「D6」の光学ファインダーを覗くと少し古臭く少し黄色に感じると感覚的な比較も語っています。
LEDバンディング問題
「Z 9」は機械式シャッターを搭載しておらず電子シャッターのみ搭載していますが " LEDバンディング " 問題について自身の考えを述べています。
今のとこえお「Z9」は、スポーツ会場のLED広告ボードに横スジが出現する " LEDバンディング " 現象が問題視されているようで元記事の下から1番目と2番目の画像で " LEDバンディング " が確認可能。会場のLEDによってバンディングの影響の大きさは違うようですが、背景がボケていてもシャープな線を引いたような感じになる事が伺えます。
仕事として撮影した画像を会社やクライアントに納品する時に大きな問題になるとは考えておらず、「Z 9」購入を検討している99%の人が影響を受ける問題ではなく、自分も他のユーザーも完全にミラーレスに切り替えていくと思うと述べ、スマートフォンやiPadなどでこの画像を見て " LEDバンディング " 気付く人は少なく、仲間のカメラマンに画像を見せた時に10人中9人は気付かないだろうとのこと。しかし数ヶ月以内に(ファームウェアアップデート)で何からかの修正が入る事に期待しています。
dpreviewは補足としてキヤノンの無双カメラ「EOS R3」には、LEDやデジタルサイネージなど、速い周期で明滅する光源に対応したフリッカーレス撮影機能が搭載されている事に触れています。
「Z 9」改善して欲しい箇所
「Z9」は間違いなく素晴らしい機種でこれまで撮影した事のある競合他社のカメラよりも圧倒的に使い易いと絶賛。しかし改善して欲しい箇所としてファイルサイズ(容量)が大き過ぎるところを挙げています。
スポーツ写真家として4500万画素は必要ないみたいな感じでしかも彼はRAW撮影しており「D6」の2倍のファイル容量はワークフロー的に苦痛になるとコメント。DXクロップモードで撮影する回避策はあるものの必ずしも理想的ではなく「Z9 " Lite " 」 が欲しいと要望しています。