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ニコン決算発表 映像事業黒字を維持 来期も供給不足が継続する見込み

ニコンが、2022年3月期 第3四半期決算 (2021年10月~12月) 発表を行いました。チップ不足の影響で販売台数減少ながらも平均単価が上がった事で営業利益は増益で黒字を維持しています。

映像事業では、「ニコン Z シリーズ」初のフラッグシップモデル、フルサイズミラーレスカメラ「Z 9」を発売し、高い評価を得ました。また、ミラーレスカメラ用交換レンズのラインナップを拡充させ、プロ・趣味層向け中高級機 の拡販に努めた結果、半導体不足等による供給問題の制約を受けながらも、為替の影響もあり、増収増益となりました。※決算短信より

映像事業 Q3実績 (2021年10月~12月) 売上収益 / 営業利益

営業事業
  • Q3 … 468億円 / 63億円
  • Q1-Q3 … 1,360億円 / 188億円

前年のニコンの映像事業は赤字でしたが、今期はQ3まで黒字を維持しています。ニコンは1,500億円の売上でも利益が出来る構造改革を行っており、ようやく実現しそうな展開に。ちなみにQ1-Q3の販売台数は…

  • レンズ交換式デジタルカメラ … 55万台
  • 交換レンズ … 102万本

前年よりも販売台数を落していますが、岩盤層に向けた利益率の高い製品構成によって黒字化を実現しています。あとはZレンズラインアップも拡充しつつあり、Zマウント FX フラッグシップ機「Z 9」も大きな話題に。どうやらミラーレスが、本体・交換レンズ共に一眼レフを上回った模様。

映像事業 通期見通し (2021年4月~2022年3月)

通期見通し
  • 売上収益 … 1,800億円 (前年 1,520億円)
  • 営業利益 … 200億円 (前年 ▲363億円)

前回のQ2決算の通期見通しを上方修正し、売上収益は 1,750億円 → 1,800億円、営業利益は 150億円 → 200億円を見通しています。「Z 9」が受注が好調でZレンズラインアップが拡充した影響で売上収益が50億円上方修正した事が伺えます。ただし気になる文言があり…

  • 部品調達問題へ対応注⼒も、影響は来期にも及ぶ見込み

来期(2022年4月~2023年3月)も供給問題の継続を予想しています。この辺はどのメーカーも影響を受けており市場が回復するのを待つしかありません。

次はカメラと交換レンズの販売台数も見ていきましょう。Q1-Q4販売台数見通しをピックアップしてみました。ちなみに市場規模は、レンズ交換式カメラ 520万台、交換レンズ 920万本と予測。

カメラ&レンズ販売台数 Q1-Q4見通し

  • レンズ交換式デジタルカメラ … 75万台 (前年 84万台)
  • 交換レンズ … 130万本 (前年 135万本)

カメラもレンズも前年より販売台数を落していますが、先程書いた通り200億円の営業利益を見通しているので、ひとまず1,500億円で黒字化に持って行く事が出そうな展開に。部品調達の問題がなければ、もう少し販売台数を伸ばせたかもしれません。プレゼン資料には3年間の構造改革により事業運営費を630億円削減した事が伺えます。

事業をスリム化する事により研究開発費も下がってしまうのか気になるところ。

映像事業 研究開発費

研究開発費

今期(2021年4月~2022年3月)の映像事業 研究開発費の見通しは " 160億円 " となっており、前期が " 169億円 " なので少し下がっているぐらいとなっています。

販売台数

競合他社は販売台数履歴を決算書類に掲載していませんが、ニコンはそれを掲載し続けておりカメラ市場の縮小を感じてしまいます。コロナの影響で判断が難しいですが、そろそろ縮小が底打ちしてくれないと困ります。