ニコン「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」発表
ニコンが、Zマウント FX 超望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」を正式発表しました。現時点でZレンズラインアップ上 最長となる焦点距離800mmレンズで、800mmレンズとして小型軽量を実現しています。2022年4月22日発売予定。希望小売価格は973,500円(税込)とのこと。
NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S 基本スペック
- 焦点距離 : 800mm
- 最大口径比 : 1:6.3
- レンズ構成 : 14群22枚(EDレンズ3枚、SRレンズ1枚、PFレンズ1枚、ナノクリスタルコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
- 画角 : FX 3°10′ / DX 2°
- ピント合わせ : IF(インターナルフォーカス)方式
- 手ブレ補正 : ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式
- 手ブレ補正効果 : 5.0段 ※CIPA規格準拠
- 手ブレ補正VRモード : NORMAL / SPORT
- 三脚使用時ブレ補正:有り
- 最短撮影距離 : 5m
- 最大撮影倍率 : 0.16倍
- 絞り羽根枚数 : 9枚(円形絞り)
- 絞り方式 :電磁絞りによる自動絞り
- 最大絞り : f/6.3
- 最小絞り : f/32
- フォーカス制限切り換えスイッチ : FULL(∞~5m)/ ∞-10mの2段切り換え
- フィルターサイズ : 46mm(組み込み式)
- 三脚座 : 位置指標(90°)付きの360°回転三脚座リング
- サイズ : 140mm × 385mm
- 質量 : 2385g
小型軽量コンセプト 800mm超望遠レンズ
- NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S … 140mm × 385mm / 2385g
- AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR … 160mm × 461mm / 4590g
「Z800mm」は、Fマウントの「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」と比較すると、48%の軽量化、全長16%の小型化を実現しているのが大きな特長の1つとなります。機動力が上がった800mmレンズと言えるのではないでしょうか。
レンズ構成
- NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S … 14群22枚
- AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR … 13群20枚
某競合メーカーのミラーレス用 超望遠レンズは、一眼レフ用の超望遠レンズの光学設計を引き継ぐ方向性ですが、レンズ構成図を比較して分かる通りニコンは設計を刷新しEDレンズ3枚、SRレンズ1枚、PFレンズ1枚を惜しみなく採用しています。
PF(位相フレネル)レンズを採用する事により、高い色収差補正能力を実現しながら大幅な小型化と軽量化を達成したとのこと。EDレンズとSRレンズで色の滲みを抑制し、もちろんナノクリスタルコートも施しています。
MTF曲線
新旧の800mmレンズのMTF曲線を比べるとこんな感じ。両レンズはF値が違いますが、両レンズ共に天井に張り付いたチャートになっています。「Z800mm」は、S30曲線(サジタル方向の30本/mm)が20mm付近から少し下がっているのが「AF-S800mm」との差異に感じます。あとミラーレス・システムの交換レンズはカメラ内補正が前提である事が多いので最終的な描画性能がどうなるのか興味津々。
基本的に10本線が1に近いほどコントラストがよくヌケの良いレンズで、30本線が1に近いほど高解像なレンズと言われています。ちなみにZレンズのMTF曲線における横軸は、歪曲補正後の像高を示しているとのこと。
もちろんテレコンバーター装着可能
- Z800mm + Z TELECONVERTER TC-1.4x … 1120mm
- Z800mm + Z TELECONVERTER TC-2.0x … 1600mm
「Z800mm」自体の手ブレ補正効果は5.5段分を実現。IBISを内蔵した「Z 9」と組み合わせる事でシンクロVR適用により手ブレ補正 " 5.5段 " 効果を実現しているとのこと。
希望小売価格(税込)
- NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S … 973,500円
- AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR … 2,354,000円
高額ですが、価格もかなり安価になった事が伺えます。約235万円から100万円を切る約97万円に。量販店売り出し価格が気になるところですが、予約受付開始は4月10日 AM10:00 となっており各量販店がどのような価格で予約を受け付けるのか注目です。
予約の勧め
このところのカメラ市場の需要と供給状況を見る限り、予約が一番の近道かも。今回は価格が価格なので即決するのは難しいと思いますが、「Z800mm」自体の月産台数は限られてくる事が予想されます。