ニコン「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」発表 光を極め幻想的なボケ味を
ニコンがZマウント フルサイズ対応 中望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」を発表しました。Noctレンズに続き2本目となる特別な名称が刻まれた新レンズの登場です。光の描写とボケ味が特長的な中望遠単焦点レンズとなっています。
NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena 基本スペック
- 焦点距離 : 135mm
- 最大口径比 : 1:1.8
- レンズ構成 : 14群16枚(EDレンズ4枚、非球面レンズ1枚、SRレンズ1枚、メソアモルファスコートあり、アルネオコートあり)
- 画角 : FX 18°10′ / DX 12°
- ピント合わせ : IF(インターナルフォーカス)方式
- 最短撮影距離 : 82cm
- 最大撮影倍率 : 0.2倍
- 絞り羽根枚数 : 11枚(円形絞り)
- 絞り方式 : 電磁絞りによる自動絞り
- 最大絞り : f/1.8
- 最小絞り : f/16
- フィルター径 : 82mm
- サイズ 最大径x長さ: 98mm×139.5mm
- 質量 : 995g
Plena(プレナ)の由来
ニコンはアイコン的なNoctレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」をラインアップしていますが、今回の「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」は2本目となる特別な名称が刻まれたZレンズになります。ラテン語「Plenum」に由来し " 空間が満たされている " という意味で、ニコンは " ユーザーの創作意欲を満たし創造性を高めるレンズ " と表現。
AFに対応
「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」はマニュアルフォーカスでしたが、今回の「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」はAFに対応しています。複数のSTM(ステッピングモーター)を採用し、複数のフォーカス群の位置を高い精度で厳密に制御するマルチフォーカス方式により高速・高精度AFを実現しているとのこと。ちなみに歴代ニッコールレンズ群は…
- All F … 全体繰り出し方式
- FF … 前群繰り出し方式
- Multi-FS … マルチフォーカス方式
- IF … インターナルフォーカス方式
- RF … リアフォーカス方式
- CC … 近距離補正方式
上記のフォーカス方式のいずれかを採用してきました。
MTFチャート
上記は「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」のMTFチャート。赤線10mm線はコントラスト、青線30mm線は解像力(シャープネス)を表し、1に近いほど光学性能が高い事を示すチャートになっています。※実線はS方向(サジタル方向:放射方向)、点線はM方向(メリジオナル方向:同心円方向)の違いあり
中心部のコントラストとシャープネスはかなり高い事が伺えます。周辺部のコントラストの低下はあまり無く、周辺部のシャープネスは下がりますが元々ボケ味コンセプトのレンズだけに気にするユーザーさんは少なそうな予感。個人的に絞り込んでパンフォーカスで風景を撮った時に周辺部の仕上がり具合が気になるところ。
MTFだと体感的なボケ味自体の質感や柔らかさなどは分からないので、サンプル画像などを参考にすると良いかもしれません。
レンズ構成図
「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」のレンズ構成は14群16枚。 EDレンズ4枚、非球面レンズ1枚、SRレンズ1枚を採用しています。ソニーやキヤノンのボケ味コンセプトの単焦点レンズでは アポダイゼーション光学エレメント や DSコーティング を施していますが、ニコンの製品ページを見る限りその手の記述は確認できません。「Ai AF DC Nikkor 135mm F2S」のような " DC (ボケ味コントロール) リング " は搭載されていない模様。
製品ページを見ると周辺減光の少なさもアピールしています。" 開放F値1.8においても画面全域で豊富な周辺光量を確保 " と表現。
フィルター径は " 82mm " となっており「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と同じサイズとなっています。存在感あるフィルター径ですよね。
コーティング
「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」はメソアモルファスコートとアルネオコートの2つのコーティングを採用。メソアモルファスコートは入射光に高い反射防止性能を発揮し、アルネオコートは抜けの良いクリアーな画像を実現するコーティングになります。
ポートレートと中望遠域のネイチャー写真
「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」のサンプル画像やプロモーション動画を見る限り、ポートレートや中望遠域のネイチャー写真に威力を発揮しそうな印象。FX機でボケ味を堪能するのであれば、このレンズは購入リストの上位にくるのではないでしょうか。スペシャルサイトやカタログ(PDF)に掲載されているサンプル画像はも購入の参考になりそうな予感。
発売日と価格
発売日は2023年10月13日を予定。予約受付開始は2023年9月29日 AM10:00 となっています。希望小売価格は設定されておらず、オープン価格なので現時点ではっきりした国内の量販店価格は予約受付開始日まで待つ必要があります。
ちなみに米国B&Hの売り出し価格は2,496ドル。単純に現在の為替ルートで円換算すると約37万円になります。受注生産ではないようですが、この種のレンズの生産数自体限定的だと思うし、発売時は需要が供給を上回りそうな予感。すでに購入を決めた方は、9月29日に予約を入れた方が安全かもしれません。