OMデジタル「OM SYSTEM OM-1」正式発表 Quad Bayer構造で全画素AFに対応
OMデジタルが、OM SYSTEM初のモデル「OM SYSTEM OM-1」を正式発表しました。Quad Bayer構造の2037万画素 裏面照射積層型 LiveMOS センサーを搭載し、いわゆる全画素AF「1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF」にも対応しています。" コンピュテーショナル フォトグラフィ " が1つのキーワードになっている模様。
2037万画素 裏面照射積層型 LiveMOS センサー
ついにOMシステムのマイクロフォーサーズ機に裏面照射積層型イメージセンサーが「OM-1」搭載される事に。オリンパス時代は表面照射型センサー押しでしたが、今回の決断は良き選択ではないでしょうか。今のところソニーセミコンダクタソリューションズ「IMX472 : 2000万画素 裏面照射構造(BSI) 積層型 CMOSセンサー」がベースのセンサーではないか?と言われています。この「IMX472」はQuad Bayer構造である事は分かっており、「OM-1」はAF周りも大きな進化を遂げているので見てみましょう。
1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF
上記のイラストは「OM-1」製品ページに掲載されており、4画素を1画素として扱っている事が確認できるのでQuad Bayer構造である事は分かります。1つの利点のとして全画素AFが可能になりこの「OM-1」はカバー率100%の「1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF」を採用しており仕上がり具合に興味津々。
ソニーセミコンダクタソリューションズ公式サイトにモバイル(スマホ)用ですが、Quad Bayer構造と全画素AFについて分かり易く解説しているので参考になると思います。おそらく「OM-1」は " 2 x 2 OCL " 方式を採用しているのではないでしょうか。
コンピュテーショナル フォトグラフィ
ここ数年dpreviewなどの海外インタビュー記事などで " コンピュテーショナル フォトグラフィ " の言葉を多く見かけるようになりました。すでに各メーカーからハイレゾショットをはじめディープラーニング(AI)ベースの被写体認識AFなど様々な機能を搭載しつつあります。OMデジタルは以前からライブNDや手持ちハイレゾショットそして深度合成など積極的にコンピュテーショナル フォトグラフィを採用してきており、独自性を発揮しています。今回「OM-1」のライブNDはND64(ND2~ND64 6段階)まで対応しているとのこと。
4K60p
このところミラーレス市場において動画性能で優劣を決められてしまう事が多いので「OM-1」の動画性能も気になるところ。パナソニックやソニーの動画志向カメラと比較すると同等とは言えない部分はありますが、4K60pに対応しフルHDだと240pハイスピード撮影が可能となっています。4KはLong GOPの模様。4K撮影時のビットレートは202Mbpsとなっています。
RAW 12bit 出力に対応していますが、内蔵記録ではなくAtomos NINJA Vなどに外部記録となっています。
Log撮影も可能で「OM-Log」が用意されています。「OM-Log」の評判はどうなのだろう…この辺は動画ガチ勢の評価を待ちたいところ。
強化したAF機能
TruePic Xが持つニューラルネットワーク回路を活用する事で被写体認識AFを進化させている模様。この辺は体感が評価に変わるところなので仕上がり具合に期待です。
演算能力が向上しており顔検出AFも進化しているとのこと。「新エンジン TruePic Xの高速演算能力により、人の顔・瞳を検出しピントを合わせる 顔優先/瞳優先AFも、検出精度、追従性、レスポンスが大幅に向上しました。」と製品ページに掲載しています。
5軸手ブレ補正機構
- ボディ単体 … 7.0段分効果
- シンクロ手ぶれ補正 … 8.0段分効果
ボディ単体で最高7.0段分効果でボディとレンズの手ブレ補正が同調するシンクロ手ぶれ補正は最高8.0段分効果とのこと。必要十分な手ブレ補正効果でフルサイズミラーレス機よりセンサーサイズが小型なので数字ではなく手ブレ補正の実際の効き具合は「OM-1」の方が良いかもしれません。
高速連写はスペックシートでチェックを
連写性能に関しては製品ページの解説部分ではなくスペックシートをチェックする事お勧めします。やはり条件付きの箇所があったり、対応しているレンズではないとコマ数を稼げないモードもある事が確認できます。スペックシートには各モードの最大撮影枚数も掲載。あとブラックアウトするモードとブラックアウトしないモードもある模様。
- AF/AE追従 50コマ/秒
- AF/AE固定 120コマ/秒
製品ページの解説で " AF/AE追従 50コマ/秒 " と " AF/AE固定 120コマ/秒 " をアピール。あとプロキャプチャー 120コマ/秒 連写に対応しているとのこと。※プロキャプチャーモード : シャッターボタンを全押しする前から記録を開始しタイムラグをカバーしてくれる機能
安心の防塵防滴耐低温-10℃仕様
オリンパス(OMデジタル)機と言えば信頼の防塵防滴仕様を連想するMFTユーザーさんは多いのではないでしょうか。多くの防塵防滴仕様カメラが防塵防滴に配慮した設計である注意書きがある中「OM-1」は防塵・防水等級 IP53に対応している事を明らかにしています。
量販店売り出し価格(税込)は想定内
- オリンパスオンラインショップ … 272,800円
- ヨドバシカメラ … 272,800円
- マップカメラ … 245,520
- カメラのキタムラ … 245,520円
- ビックカメラ … 272,800円
マップカメラやカメラのキタムラでは25万を切った売り出し価格。このところ半導体や部品不足の影響が大きく、部品自体の価格も上昇してきている印象。しかも海外はインフレが顕著なのである意味想定内の価格設定と言えるのではないでしょうか。まあ~MFT機にこの価格設定は高く感じますが、仕方がないところかも。発売は2022年3月を予定しています。
ちなみにB&H価格は2,199ドル。※単純に円換算すると税抜きで約25万円