ホーム > カメラニュース 2022 > 雑談 : OMデジタルにとって8K動画がある意味踏み絵になるかもしれない話

雑談 : OMデジタルにとって8K動画がある意味踏み絵になるかもしれない話

OMデジタル「OM-1」はQuad Bayer構造の2037万画素 裏面照射積層型 Live MOS センサーを搭載し話題となっていますが、Gizmomo freaksのOMデジタル 動画インタビューを見る限り8K動画がある意味 " 踏み絵 " になりそうな感じです。

商品企画とマーケティングの責任者であり「OM-1」を熟知しているOMデジタル グローバルマーケティング 城田英二氏 インタビュー動画となっており、写真家 桃井一至氏が以下のような質問をしています。

Q : 2037画素と画素数はほぼ横這いですが、ここに落ち着いた理由は?

  • 今回センサーを変更するにあたって課題になっていたのは、解像感を大きく上げる事でセンサーは大きく変わっている
  • もう1つは、高感度耐性・ノイズ耐性を上げる事
  • 解像感に関しては画素数向上も考えていたが、一方でノイズ耐性を良くして欲しいという要望が圧倒的に多かったので画素数を維持する事を決めた

Q : 画素数の話をすると他社は力を入れて動画機能を充実させてきています。静止画だと小さなセンサーでもハイレゾショットなどで画素数を増やす事が可能ですが動画はなかなかそうはいきません。今のセンサーだと苦しいところがあると思います。動画に関して次世代の規格(8K)がどんどん登場しつつありますが、その辺りはどのようにお考えなのでしょうか?

  • 動画はフォーマットに対応していかなければならず、画素数そのものが必要になってくるのは理解している
  • なので検討していないという事はないが、まずはノイズの対策を行いしっかり画質を担保した上でその先を考えている
  • 今回の「OM-1」の様子を見てどちらに持って行こうか決めようと思っている

マイクロフォーサーズ機はフルサイズセンサーと比べると小型なセンサーで高感度耐性が低い事が弱点として挙げられる事が多いのは確か。2月22日に発表されるパナソニック「GH6」は2400万画素センサーを搭載し5.7Kまで搭載されると言われています。

パナソニックはLマウント フルサイズ機 Sシリーズをラインアップしているので8Kに関しては「S1H」後継機でも対応可能ですが、OMデジタルの場合はマイクロフォーサーズ宣言をしたのでミラーレス市場において8K化が本格化した時にどう対応するのか気になるところ。

8Kに対応するには3200万画素ぐらいは必要なので画素数を引き上げる必要があります。「OM-1」は2000万画素を維持しながらも4K60pに対応してきました。現在のカメラ市場は動画性能で優劣を決められてしまう側面があるのでOMデジタルがどう舵を切って行くのか注目です。あくまでもペンタックスのように静止画コンセプトでいくのか、画素数を引き上げて8Kに対応していくのか。8Kが本格化し始めた時に有効画素数3000万画素を超えるマイクロフォーサーズ用イメージセンサーが市場にあれば良いのですが。

「OM-1」が搭載するセンサーはソニー製 : IMX472をベースにしたイメージセンサーではないか?と言われています。

たとえば夜景など低照度下での撮影時には、隣接する4画素の信号を加算し1画素を4倍相当に拡大します。隣接画素を加算することで解像度劣化を防ぎ、なおかつ加算をアナログ領域で行うことでノイズ低減を実現します。これにより、低照度下の撮影でも感度を高め、低ノイズで明るい写真や動画の撮影が可能となります。一方、日中屋外等での明るいシーンなど通常の撮影時には、高度な配列変換処理(リモザイク) により通常のBayer配列に戻し、Bayerセンサー同等の解像度を確保することも可能です。※ソニーセミコンダクタソリューションズはスマートフォン用のイメージセンサーに最適化された技術として掲載

ソニーのQuad Bayerセンサーは、4画素を加算し1画素として扱う処理と、1画素を1画素として扱う配列変換処理が可能としていますが、現実的な仕様において民生カメラが搭載するQuad Bayerセンサーでも配列の切り換えが可能なのかのでしょうか。元々は日中と低照度シーンにおける切り換えを想定していると思いますが、静止画と動画で切り換える考えが性能的にありなのかどうか気になるところです。