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OMデジタル公式 OM-1 開発秘話 #1 公開

OMデジタルが、公式オンラインショップに「OM SYSTEM OM-1」開発者徹底フリートーク Vol.1を掲載しました。1回目は「OM-1」の絶対的な信頼性について開発秘話を語っているので個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。

「OM-1」は8時間過酷な状況においても防塵防滴仕様に問題なし

こちらは防塵試験の試験直後の写真です。タルク粉というベビーパウダーのような粉を8時間かけ続けてもカメラ内の侵入がないということを実証する試験です。もちろんこれら以外にも砂の中でも安心してレンズ交換ができる強力なダストリダクションシステムや高耐久シャッターユニットなども従来同等以上のものを搭載しています。

外から水滴や埃が入らない設計だけの信頼性ではなく内部の部品に至るまで使って壊れにくくなるようにこだわって開発しているので安心してご使用いただけますね。

「OM-1」の防塵防滴耐低温仕様は進化しており、特に防塵防滴性能は " IP53 " に対応し、開発テーマが "「どこまでも持っていけて」「最高の瞬間を逃さず」「思い通りの画が撮れる」" ことを挙げています。内部の部品に至るまで使って壊れ難い仕様に仕上げているとのこと。

極論を言えば、強固な防塵・防滴性能を搭載するのはある意味簡単

前項でお話しした防塵・防滴性能は誤解を招く表現かもしれないのですが、極論を言ってしまうと強固な防塵・防滴性能を搭載するのはある意味簡単なんです。外側を頑丈にして接合部分に防滴部材を入れてしっかり締めあげれば水や埃の侵入を完全に近い形で防ぐことができます。でもそれをしてしまうと大きく重くなってしまいますよね。それをどうやってこのサイズ・重量にしたのか、が大きなポイントなんですよね、

ボディサイズと質量を考えなければ、OMデジタルにとって強固な防塵防滴仕様を実現するのは簡単な模様。OMデジタルのマイクロフォーサーズ機は、米谷思想に基づくモノ作りを目指しているので " 小型軽量 " である優先順位が高く、「OM-1」は600gを切る質量を目指した開発が進められた事にも触れています。

バッテリーライフ 静止画1,000枚

写真家の方にヒアリングすると1000枚という数が多く聞かれました。そこで今回は1000枚という大台へ挑戦いたしました。 そのためにまずバッテリー「BLX-1」を新たに開発しました。 大きさは従来のものより若干小さいくらいなのですが容量を増やすことができたので1本でも520枚の撮影が可能になります。 また従来通りモバイルバッテリーから充電しながら撮影することが可能になっていますので、いろいろな方法で撮影を継続できるようになっています。

「OM-1」は新型バッテリー BLX-1 を採用しており、パワーバッテリーホルダーHLD-10 装着前提になりますが、バッテリーライフ 1,000枚を目指し開発した事が伺えます。「BLX-1」単体で520枚撮影可能だそうです。

小型軽量化と熱対策

OM SYSTEM OM-1はデバイスが飛躍的に進化したので機能・性能が大幅に上がっています。 その結果AF/AE追従50コマ/秒連写撮影が可能になったり、4K60pの高精細で滑らかな映像表現が可能になったりいろいろなことがさらにできるようになっています。その分消費電力、つまり熱も大幅に上がってしまうため対策が必要になります。そこで今回対策したことは、熱対策の基本なのですがエンジン・撮像センサー・電池などの熱源同士の距離を離す対策を行いました。 これは製品ができてからでは対応が困難になるため、事前により過酷なシーンを分析し実使用に則したより厳しい条件でシミュレーションを実施しました。

カメラが進化する時、特に動画まわりで熱問題が指摘される事が多いですが、この「OM-1」は小型軽量コンセプトの機種だけにオーバーヒートしない対策が大変だったようで、シミュレーションの条件に関して開発内で揉めた開発秘話も披露。

今回の熱関連の話を聞く限り、OMデジタルが6Kや8K動画を採用する時、小型軽量と熱問題の落しどころがキーとなってきそうな予感。現時点でOMデジタルが4K60p以上の動画性能を目指した場合、少なくとも「OM-1」よりも大きなボディが必要になりそうな予感。「OM-1」サイズのボディで行くのであればある程度6K/8K動画性能がこなれてからになるのではないでしょうか。あとイメージセンサーの高画素化も必要になってきます。

「OM-1」のデザインコンセプトは新しいOMの完成形

「OM-1」のデザイン面にも触れており " 新しいOMの完成形 " とのこと。曲面を取り入れたデザインだけでなく、塗装変え、「OM-1 E-M1X」で好評だったAF-ONボタンを採用し、ボタン・ダイヤル類の操作性にもこだわり、道具としての信頼性とカメラとしての美しさの両方を併せ持った素晴らしいデザインになったと語っています。