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ペンタックス 開発中のフィルムコンパクトカメラ 巻き上げレバー採用へ 一眼レフへの布石

リコーイメージングが「PENTAX Film Project Story #02」を公開しました。現在開発中のフィルムカメラはレンズ固定式コンパクトカメラである事は前回告知済みですが、ほぼ新規で開発しているとのこと。巻き上げレバーを検討している事も明らかに。これはフィルム一眼レフ開発に向けた布石の1つの模様。

開発中のコンパクトカメラはほぼ新規設計

商品企画兼デザイン担当 TKO氏が、再度コンパクトカメラを開発中である事を示唆し「流用パーツはあるが、ほぼ完全にすべて新規で検討を進めています。」「ボディやレンズなど、色々な情報や技術を見比べて仕様を決めています。」とコメント。

コンセプトは若いユーザーが楽しめるカメラ

以前も語っていましたが「このカメラの大切なコンセプトは、楽しめるカメラである。」「そういった事に重きをおいて開発しています。」とコメント。「撮影する事が楽しく、気軽に毎日持ち運びたくなるようなフィルムカメラに仕立てていく事を考えています。 」と語っており、老若男女問わずフィルムカメラが好きなユーザーであれば楽しめるフィルムカメラに仕上がりそうな雰囲気があります。

フィルムの巻き上げはレバー式を検討

「フィルムを巻き上げる行為はフィルムカメラ特有の動作であり、フィルムカメラを操る悦びや楽しさに繋がると思います。」「写真結果の成功・失敗だけでなくその写真が出来るまで、そこに至るまですべての行為に楽しみがあると考えています。」「そんな中で巻き上げは、フィルムカメラで撮影する楽しさを感じられる特有のアクションを色々考えた結果、今回はレバーによる " 手巻き " を候補に挙げました。」「若いユーザーや初めてフィルムカメラを触れる方にこそ、是非触っていただきたい機構になります。」とコメント。

一応 " 検討 " と表現していますが、ここまで語る以上ほぼ確定に近いのではないでしょうか。現代にこの機構を入れようとすると並々ならぬ努力が必要とのこと。図面は残っているものの非常に作るのが難しく、CADを使った現代のモノ作りにフィットさせていく作業だけでも大変な手間になっているそうです。

現在の開発スタッフが図面を見ると必要に感じないパーツが存在し、それをOBのベテラン・エンジニアに話を聞くと「何言っているんだお前ら!」「ここが一番大切なポイントなんだよ!」と怒られた開発秘話も披露しています。

それでも機械式の巻き上げ機構にこだわって開発を続けており「メーカーとユーザーの皆様との " ロマン | 浪漫 " なんです。」「かつての一眼レフの手巻き機構をコンパクトカメラに搭載したい!」「ラチェットギアの音をカチカチさせながらフィルムを巻く、このスイートな機構を是非若い皆さんにこそ本物を楽しんでいただきたい。」とTKO氏は表現。

コンパクトカメラに手巻き機構を搭載するのは「一眼レフ」に向けた布石

「この巻き上げ機構はフィルム一眼レフの機構をそのまま持ってきています。」「それを今回は、コンパクトカメラに入れようとしています。」「一眼レフの手巻きの入ったコンパクトカメラになるんです!」「それは将来、もしフィルム一眼レフを開発する時にそのまま搭載できる可能性があるわけなんですね。」「1つのモデル開発だけでなく視野を広げ、先々の製品につなげていけるように開発を進めているところです。」と将来的なロードマップを感じさせるコメントとなっています。

カメラを作る事だけがこのプロジェクトの目的ではない

「このプロジェクトは単にカメラを作る事がゴールではないんですね。」「プロジェクトをご覧になった皆さんが、フィルムを愛する皆さんが声を上げる事で、将来もっと安定した環境を作ることに繋がっていくと信じています。」「その下支えがしたい。」「色々な企業にもお声がけを頂いており、本当にありがたいです。」「仲間はいます!」「フィルムを次の世代に繋げていけるように、努力してまいりますので、是非 皆さんのお力を貸していただければと思います。」「どうぞよろしくお願いします!」とその想いも語っています。

「PENTAX “Film Project” Start #02」も公開されています。

この「ペンタックス フィルム プロジェクト」は立ち上がったばかりで、現時点でタマゴから孵化する最中か、孵化したばかりかもしれませんが、1つ1つの積み重ねでペンタックスの想いが1つの " カタチ " になり、紡いでいってくれる事に期待です。