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シグマ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS」発表

シグマが、ミラーレス専用設計 フルサイズ対応 超望遠ズームレンズ「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」を発表しました。発売日は2021年8月27日(金)。希望小売価格は198,000円(税込)。対応マウントはLマウントとEマウントになっています。

150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports 基本スペック

  • レンズ構成 : 15群25枚
  • 画角 : 16.4°-4.1°
  • 絞り羽根数 : 9枚 (円形絞り)
  • 最小絞り : F22-29
  • 最短撮影距離 : 58-280cm
  • 最大撮影倍率 : 1:2.9 (焦点距離180mm時)
  • フィルターサイズ : φ95mm
  • 最大径x長さ : Lマウント φ109.4mm × 263.6mm
  • 最大径x長さ : Eマウント φ109.4mm × 265.6mm
  • 質量 : Lマウント 2,100g (三脚座込)
  • 質量 : Eマウント 2,100g (三脚座込)
  • エディションナンバー : S021
  • 付属 : ケース、かぶせ式フード LH1034-01、かぶせ式キャップ LC-747E、ショルダーストラップ、三脚座 TS-121

上記のオンラインイベントをベースに「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」がどのような超望遠ズームレンズに仕上がっているのかピックアップしてみようと思います。それでは見ていきましょう。

コンセプト

コンセプト
  • さらに高い光学性能
  • Sportsライン基準のメカ仕様
  • 軽量・コンパクト

デジタル一眼用の「150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports | Contemporary」はユーザーの人気と評価が高い超望遠ズームレンズで、Sprtsバージョンは光学性能は高いが大きく重く、ContemporaryはSportsより軽量コンパクトに仕上がっているものの防塵防滴仕様ではなく顧客からの要望があったとのこと。なので今回の「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、Sportsラインの高い光学性能を維持しながら小型軽量に仕上げたレンズの模様。

さらに高い光学性能 : 600mmは単焦点レンズ並みの光学性能

レンズ構成図

元々一眼レフ用「150-600mm」の光学性能に関しては顧客の満足度は高かったようですが、開発陣はもっと高い光学性能を狙いたい意思があり山木社長はそれを承認し開発が始まった事を明らかに。レンズ構成は15群25枚で特殊ガラスはFLD4枚・SLD2枚をはじめブランド化していない特殊ガラスもふんだんに採用し、かなりリッチな構成で高い光学性能を実現しているとのこと。

MTF
MTF

MTFチャート (波動光学・幾何光学) を掲載し今回の「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、一眼レフ用「150-600mm」よりもテレ端の周辺の光学性能が高い事が特徴の1つとして挙げています。解像だけではなく、コントラストが高くすっきりした描写を実現したレンズに仕上がっている事も解説。

単焦点並みの光学性能

単焦点の超望遠レンズに似た特性でシグマ的には、600mm側の光学性能は単焦点レンズ並みの光学性能を実現していると考えていると山木社長は語っています。コンセプト的に単焦点600mmを使いながらワイド側150mmまでズームできる考え方で開発したとのこと。

収差
収差

光学設計者は、望遠側で単焦点並みの光学性能を達成するため特に " コマ収差 / 非点収差 / 倍率色収差 " 3つ収差を抑える事に配慮し設計を行ったそうです。作例を紹介し「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は、非常にシャープでコントラストがヌケの良い気持ちの良い写真が撮れるとアピール。加えて寄れるレンズである事も特徴の1つに挙げています。

防塵防滴構造・撥水防汚コート

防塵防滴
防塵防滴
撥水コート

一眼レフ用「150-600mm」のContemporaryは防塵防滴構造を採用していませんでしたが、上記の画像を見て分かる通り今回の新レンズはシーリングをきっちり施し防塵防滴構造になっています。レンズ前玉に撥水・防汚コートを施す事により厳しい環境下でも安心に使用可能とのこと。※製品ページには「防塵・防滴に配慮した構造となっており、小雨などでの使用は可能ですが、防水構造ではありません」の注意書きあり

ミラーレス用に最適化したAFと強力な手ブレ補正

AF
AF

ミラーレス専用設計だけにミラーレス用に最適化したAFとなっており、高速・静音・高精度AFを実現しているとのこと。強力な手ブレ補正機構(OS)を搭載しており、最大4段分効果を得られるそうです。製品ページを見てみると、ステッピングモーターと高精度磁気センサーの組み合わせで高速・静音・高精度AFを実現している事が伺えます。

豊富なボタン・スイッチ類

カスタム
カスタム
  • AFLボタン … フォーカス位置がロック可能
  • ズームトルクスイッチ … S|T|L ズームリングのトルクが調整可能
  • フォーカスモード切換えスイッチ … AF/MF切り換え
  • フォーカスリミッタースイッチ … Full | 10m-∞ | 最短-10m 撮影シーンによって焦点域を制御
  • OSスイッチ … 2 | 1 | OFF、2流し撮りモード、1通常モード、手ブレOFF
  • カスタムモードスイッチ (初期設定) … C1 | C2 | OFF、C1手ブレ補正のダイナミックビューモード、C2モデレートビューモード

「150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」は様々なボタンとスイッチが配置されており、シーンに合わせた設定が調整可能となっています。

小型軽量

小型軽量レンズ
  • 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports … 109.4 x 263.6mm 2.1kg
  • 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports … 121 x 290.2mm 2.8kg
  • 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary … 105 x 260.1mm 1.9kg

2.8kgから大幅に2.1kgまで軽量化を実現し、一眼レフ用「150-600mm Contemporary」に近い重量になっている事を特徴の1つとして揚げています。三脚座を取り外すとさらに軽量になり2kgを実現している模様。

シグマは堅牢性を維持しながら軽量化のためにあらゆる努力をしており、レンズの骨格を成す固定筒は非常に精度が求められる部品だそうで、TSCと呼ぶ特殊なエンジニアリング・プラスチックを採用しているとのこと。通常のエンジニアリング・プラスチックよりも剛性が高く、シグマ会津工場の金型の専門部隊と協力し合って素晴らしく精度が高いパーツを造る事が出来たと語っています。

量販店売り出し価格 ※希望小売価格 198,000円(税込)

価格と発売日
  • ヨドバシかカメラ … 176,000円
  • マップカメラ … 158,400円
  • カメラのキタムラ … 158,400円
  • ビックカメラ … 176,000円

希望小売価格は198,000円で量販店売り出し価格(税込)もチェックしてみました。発売日は8月27日(金)。Lマウント用はテレコンバーター TC-1411 と TC-2011 が使用可能で、USB DOCK UD-11 Lマウント用も使用可能。この辺は、LマウントとEマウントの差があります。

Q&AコーナーでXマウントには触れず

オンラインイベントの最後に恒例のQ&Aコーナーがありましたが、Xマウントの質問をピックアップする事はなく終わってしまいました…残念。トキナーがAF対応 Xマウントレンズラインアップを拡充しつつあり、コシナとタムロンもXマウントレンズを発表し、発表記事やインタビュー記事を見る限り富士フイルムから情報開示があったようでシグマの動向が注目されています。