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シグマ「10-18mmF2.8」vs ソニー「10-20mmF4」スペック比較

シグマのAPS-C対応 超広角ズームレンズ「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」が発表されました。Eマウントにおいてソニー「E PZ 10-20mm F4 G | SELP1020G」が競合レンズになる思うので外観、MTFチャート、レンズ構成などの基本スペックを比べてみました。それでは一緒に見ていきましょう。

外観とサイズ・質量 ※10-18mmF2.8のサイズ・質量はEマウント用

10-18mm F2.8 DC DN

まず最初に両レンズはAPS-C超広角ズームレンズですが、F値においてシグマはF2.8通し、ソニーはF4通しと大きな違いがあります。テレ端の焦点距離も少しだけ差があり、35mm換算でシグマは15-27mm、ソニーは15-30mmの超広角ズームレンズ。

  • 10-18mm F2.8 DC DN … φ72.2×64.0mm / 255g
  • E PZ 10-20mm F4 G … φ69.8x55.0mm / 178g

シグマ「10-18mm F2.8」は、F2.8通しのAF対応 APS-C ミラーレス用ズームレンズとして " 世界最小最軽量 " を謳っていますが、やはりF4通しのソニー「10-20mm F4」と比べると少し大きく重いレンズである事が伺えます。実際に使い比べた時にこのサイズと質量の差がフィーリングとして現れてくるのかどうか気になるとこと。

両レンズは静止画だけでなくVlogなどの動画撮影にも最適化したコンセプトの小型軽量 超広角ズームレンズですが、ソニーレンズの方は " パワーズーム " を採用しており、無印ではなくGレンズだけにAF/MF切り換えスイッチも採用しています。よりシンプルで使いたいならシグマ、コンセプト色が強いのはソニーといった感じでしょうか。

ちなみに両レンズのレンズフードは花形で取り外しが可能です。

レンズ構成

  • 10-18mm F2.8 DC DN … 10群13枚 (FLD3枚、SLD1枚、非球面レンズ4枚)
  • E PZ 10-20mm F4 G … 8群11枚 (ED非球面レンズ1枚、EDガラス2枚、非球面レンズ3枚)

シグマのFLDとSLDは特殊低分散ガラスで、FLDは " 蛍石 " と同等の性能を発揮し透過率に優れた超低分散ガラスとのこと。

F値は大きな違い

  • 10-18mm F2.8 DC DN … F2.8 - F22
  • E PZ 10-20mm F4 G … F4 - F22

35mm換算 15mmスタートの超広角ズームレンズにとって開放F値が " F2.8 " なのか " F4 " なのか大きな違いかもしれません。基本的に広角域はパンフォーカスで撮る事が多い方であれば、F4通しで問題ないと思います。しかしVlogで接写したりセルフィする方で少しでも背景をボカしたいと思っているのであれば、シグマ「10-18mm F2.8」に価値を感じるのではないでしょうか。

撮影最短距離とボケ味

  • 10-18mm F2.8 DC DN … ワイド 11.6cm / テレ 19.1cm
  • E PZ 10-20mm F4 G … 20cm ※MFだとワイド13cm / テレ17cm

最短撮影距離は、ワイドもテレもシグマレンズの方が短い事が確認できます。あとF値に差があるのでボケ味の優先順位が高ければシグマ「10-18mm F2.8」の方が有利。ボケ味自他は店頭で両レンズをタッチ &トライして仕上がり具合を確かめた方が良いかもしれません。

MTFチャート

MTF

メーカー違い、F値もテレ端の焦点距離が異なりMTFを比較する意味がないかもしれませんが、比較してみました。ソニーのMTFチャートは理論値に近い幾何光学的MTFと思うので、シグマの方も幾何光学的MTFをチョイス。※シグマは、幾何光学的MTFと実際の撮影データに近い " 波動光学的MTF " も公開しています。

ただしシグマは " F8 " 時のMTFチャートを公開していないので、F値開放(F2.8/F4)のワイド端とテレ端のMTFで比較。特に周辺部に関しては、開放F2.8とF4の差が出てくる模様。※10本/mm(赤線)はコントラスト、30本mm(緑線/青線)は解像度を数値化しています。

10mm 中央部と周辺部
中央部の10本/mm(赤線)を見るとコントラストは同等、周辺部も大きな差はない模様。30本mm(緑線/青線)を見ると、周辺部はソニーレンズの方がシャープネス高い事が伺えます。しかしソニーレンズの周辺部のシャープネスはなだらかではなく急激に落ちる動きです。

テレ端 中央部と周辺部
周辺部の10本/mm(赤線)を見るとコントラストは同等、30本/mm(緑・青線)を見るとソニーレンズの方が周辺部のシャープネスが高い事が伺えます。 中央域はシグマレンズの方がシャープネスは高そう。

最近のミラーレス用レンズはどのレンズも中央部のシャープネスとコントラストは高いです。安価なレンズや小型なレンズの周辺部はカメラ内補正にまかす事も。やはりレンズの最終的な仕上がり具合は、数値ではなく実際に撮影したサンプル画像を見る必要があります。

絞り羽根数

  • 10-18mm F2.8 DC DN … 7枚 円形絞り
  • E PZ 10-20mm F4 G … 7枚 円形絞り

フィルター径

  • 10-18mm F2.8 DC DN … φ67mm
  • E PZ 10-20mm F4 G … φ62mm

絞り羽根数は、両レンズ同じ7枚で円形絞りを採用。フィルター径に関しては、F2.8/F4の差なのかソニーレンズの方がより小型なAPS-C超広角ズームレンズに仕上がっている事が伺えます。

市場価格(税込) ※2023年10月9日時点の公式オンラインストア価格

  • 10-18mm F2.8 DC DN … 104,500円
  • E PZ 10-20mm F4 G … 99,000円

現時点で価格は5,000円ぐらいの差しかなく、両レンズは全体的に甲乙つけがたいAPS-C超広角ズームレンズに仕上がっている印象。純正レンズが好きな方はソニーレンズを購入、シグマ・ファンはシグマレンズを購入する考え方もあります。