シグマ500mmF5.6「小型軽量化こそが超望遠レンズの新しい方向性と理解している」
シグマが小型軽量コンセプトの超望遠レンズ「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」国内発売日に大曾根氏がどのような超望遠レンズに仕上がっているのか語る動画を公開。その中で大曾根氏は「小型化・軽量化こそが超望遠レンズの新しい方向性と理解している」と語っています。
超望遠レンズの性能は今まで以上に上げる事は難しく、上げるとしてもほんのわずかであり、しっかり上げるには正直に言うとF値を上げ明るくするしかない事になると思います。非常に高価な「500mm F4」「600mm F4」クラスの超望遠レンズの価値は、F値が明るい事にあります。
今回の「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」について、ここまで軽量しなくていいからもっと光学性能を上げて欲しいというご要望があったとしても、ほぼ実現は難しい…出来たとしてもほんのわずかになると思います。このため超望遠レンズは、進化の方向が光学性能から軽量化と小型化にシフトしました。これついてお気付きの方は多いと思います。そしてこの小型化・軽量化こそが、超望遠レンズの新しい方向性なのだと私は理解しています。
約20分のプレゼン動画となっており、光学的な話や技術的な話もしているのでこのレンズの購入を検討している方やシグマの取り組み方に興味がある方にとって「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」の理解が深まるのではないでしょうか。
これ以降はデジカメライフ雑談になります。
今回の動画で超望遠レンズの光学性能はこれ以上大幅に上げる事が難しい事を語っており、そういえばキヤノン「RF400mm F2.8 L IS USM」と「RF600mm F4 L IS USM」のレンズ構成とMTFがEFマウント用と同じだった事を思い出しました。
現時点でキヤノン・ニコン・ソニーは「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」と同じ焦点距離とF値の超望遠レンズをラインアップしていません。なの近い焦点距離の競合レンズのサイズと質量そして価格をリスアップしてみました。※価格は2024年3月15日時点の公式オンラインストア価格(税込)
「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」のサイズと質量はEマウント用になります。
- 500mm F5.6 DG DN OS | Sports … φ107.6x236.6mm 1365g / 495,000円
- RF400mm F2.8 L IS USM … φ163×367mm 2890g / 1,724,800円
- RF600mm F4 L IS USM … φ168×472mm 3090g / 1,867,800円
- NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S … φ104×234.5mm 1245g / 496,100円
- NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S … φ106.5mm×278mm 1470g / 792,000円
- FE 400mm F2.8 GM OSS … φ158.1x 359mm 2895g / 1,681,900円
- FE 600mm F4 GM OSS … φ163.6×449mm 3040g / 1,903,000円
やはりキヤノン「RF400mm F2.8 L IS USM」と「RF600mm F4 L IS USM」は白レンズだけに価格もサイズも質量もLレンズ価格である事が伺えます。
ニコンの「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」と「NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S」は比較的にF値を抑え気味にして小型軽量化を実現し価格を抑えている印象。ニコンはより光学性能を求める顧客のために「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」もラインアップしています。※1,809,500円
ソニーは「FE 400mm F2.8 GM OSS」と「FE 600mm F4 GM OSS」をラインアップ。ソニーは「α9」シリーズでスポーツ写真市場に参入しており、まずは定番というかオーソドックスな焦点距離とF値の超望遠レンズを展開中です。
シグマ「500mm F5.6 DG DN OS | Sports」は予約の時点で需要が供給を上回った超望遠レンズであり、将来的にこのレンズとガチで競合するような同様コンセプトの純正レンズが登場するかもしれません。