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ソニー α7 IIIの顧客ターゲットは厳密に定義していない まだ市場に挑戦する初期段階

dpreviewは、先日ソニー シニアジェネラルマネージャー 田中健二氏 インタビュー記事をチラ見せしましたが、今回フルインタビュー記事を掲載しました。α7 III、今後発売予定のFE400mm、東京オリンピックに向けたミラーレスプロ市場、APS-Cミラーレス機、強化ファームウェアアップデートなど今後のソニー製品の取り組み方が伺える内容となっています。

α7 III 顧客ターゲットは?

  • α7 IIIをベーシックモデルと説明しているが、この定義は競合他社とは違うかもしれない
  • どのようなユーザーも対象にしていて、多くのプロもα7 IIIを使用すると考えている
  • 様々なユーザーがα7 IIIに満足してくれれば良いと思っているので、α7 IIIの顧客ターゲットを厳密に定義してない ※元記事は、α7R IIIの顧客ターゲットと記述していますが、おそらくタイプミスで今後修正されるのではないでしょうか

去年は多忙な年でしたが、2018年以降優先的に考えている事はありますか?

  • CP+ 2018でFE 400mm F2.8を展示しているが、スポーツ写真家用レンズは当社にとって新しいカテゴリーになる
  • カメラ本体と同様にレンズも非常に重要
  • 去年α9を投入し、一部のスポーツ写真家はすでにα9をオリンピックで使用しており、FE 400mm F2.8はスポーツ写真家にとって重要なレンズの1本である
  • (この手のレンズとしては)非常に軽く手持ち撮影が可能で、夏の発売を予定している
  • スポーツ写真家のフィードバックは非常に重要で " モンスターレンズ " に仕上げるべく開発に専念している ※冬季オリンピックでFE 400mmが目撃され話題になりました

α7/α9シリーズ 耐久性の取り組み方について

  • 豪雨などの悪い状況で写真家は長時間写真を撮り続けると思いますか? 私はそうは思わない
  • そのような状況下において、ほとんどの写真家はレインカバーなどを使用すると思う
  • もちろん耐久性は非常に重要
  • プロカメラに関して耐久性に関する要望は高い
  • 耐久性とサイズ・質量のバランスが必要で、趣味カメラの場合 小型軽量が優先されるので、(ターゲットとなる)それぞれの顧客に対して適切な耐久性を備えた製品の生産を設定している ※sufficientやsubstantialではなく " adequate " と表現を使用しているので必要十分な耐久性というより、不足しないというニュアンスな印象

シグマとタムロンのFEレンズは、ソニーにとって良い事ですか?

  • はい、良い事です
  • Eマウントはオープンな規格なのでどのメーカーもEマウントレンズを製造可能
  • 当社はEマウントは優れたテクノロジーと考えているのでオープンなフォーマットは、市場にとってもユーザーにとっても有効であると思う

ニコンとキャノンがフルサイズミラーレス市場参入する時期は? フルサイズミラーレスが標準になると思いますか?

  • あくまでも個人的な見解になるが、来年のCP+にはニコンとキヤノンのフルサイズミラーレス機がお目見えしていると考えている
  • それまでに両社は、フルサイズミラーレス市場に参入していると思う

2020年の東京オリンピックでミラーレスが占めると思いますか?

  • はい、たくさんのソニー製カメラが!
  • ただしプロ市場は非常に保守的で、冬季オリンピックでα9を使用している写真家いましたが、大半はニコンとキヤノンだった
  • しかしソニー・フォトグラファーの数は増えつつある

読者は、さらなるAPS-Cレンズを求めているのですが…

  • 多くの方々が、ソニーはAPS-C市場を無視していると思っている事は分かっている
  • 単に優先順位の問題で、α6500を投入した翌年α9とα7R IIIを投入している
  • APS-C市場とAPS-Cユーザーは非常に重要
  • …と言うのはマーケットの過半数はAPS-Cが占めているので多くの様々なAPS-C製品を開発し続ける
  • どうか辛抱して欲しい、APS-Cを無視する事はない

競合他社はファームウェアアップデートする事によって主要製品を最新の状態にしていて、ソニーとは逆の戦略に感じます 変更する予定はありますか?

  • 当社は、まだ市場にチャレンジする初期段階にあり、競合他社と比べて新製品サイクルは比較的に早い
  • 次のステップは我々のシェアを拡大する事で、新しい顧客がターゲットの場合新しいタイプのカメラが必要となってくる
  • ソニーはセンサーやプロセッサーなど重要なデバイスを生産し、最新のモノを提供したいと思っているのでリリースサイクルが早いのかもしれない
  • しかし、アップグレードできるソフトウェアは非常に重要
  • 当社の新製品サイクルは早いが、ファームウェアアップデートは提供するべきだと考えている

編集後記も掲載していて、ソニーは、タムロンやシグマなどのFEレンズ投入や、(現時点で噂段階ですが)キヤノンやニコンがフルサイズミラーレス市場の参入により競争が起こる事を歓迎している模様です。