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ソニー「α7S III」夏のリリースを明らかに「すべてが新しくシステム全体を再設計」

dpreviewが、ソニー 田中健二氏 インタビュー記事を掲載しました。ソニーが今夏「α7S II 後継機」のリリースを明らかにしたと伝えています。「α7S II 後継機」は、イメージセンサーを含めてすべてが新しい機種に仕上がってる事を明言し、ソニーの自信が伺えるインタビュー記事に。

COVID-19関連の質問もいくつか掲載されていますが、常に状況は変わりつつあるのでその部分は割愛します。先日ソニーが発売したVlogger向けコンパクト機「ZV1」に触れ、VlogやWebカメラを含めたストリーミング需要の重要さもコメント。

現在の市場において、ソニーが最大に活かせるチャンスはどこあると思いますか?

  • 動画は大きなチャンス、そうフルサイズにおいて
  • 特に中国では、フルサイズミラーレス市場が拡大しつつある
  • 世界中のプロのニーズに応えるべく、レンズラインアップの拡充を続けていく
  • それが最大のチャンスであると私は考えており、フルサイズミラーレスそして動画、動画需要は世界のあらゆる地域で拡大しつつある

「α7S II 後継機」は登場するのでしょうか? ひょっとしてSラインが「α7 III」や「α7R IV」に置き換えられたという事でしょうか?

  • 動画コンテンツのプロ・クリエイターから特に多くの要望があり、晩夏に「α7S II 後継機」が登場する事を明らかにする事はできる
  • 現在我々はこの新型カメラの発売に注力しており、システム全体すべてを再設計しており、それはイメージセンサーも含んでいる
  • すべてが新しい機種になる
  • 顧客の期待と要望に応え、それを超えるようなモノに仕上がっていれば良いなと思う
  • 我々の新モデルが、顧客の要求に満たしている事にとても自信がある
  • 「S」はもともと " sensitivity / 感度 " を表していたが、現時点において「S」は " supreme / 至高・最高・究極 " を表現すべきだと思っている
  • これは大きなピクセルを有している事から来ており、多くのプロやハイエンドユーザーがこの新型カメラを楽しんでくれたらと思う ※enjoyを楽しむと直訳しましたが、享受や良いモノを持っていたりするようなニュアンもあります

「S」が示す意味が変わりそうな感じで、インタビュー全体を読んでもらえば分かると思いますが、「α7S II 後継機」がプロの使用にも耐えれるより動画志向のカメラに仕上がってそうな印象。すべてが新しい機種と明言しているので「α7S III」と名付けられるのか、別の製品名になるのか注目です。あと特長として " 大きなピクセル " と語っている事から、高画素センサーを搭載していない事が伺えるので噂通り8Kには対応していないかもしれません。Quad Bayer センサーを搭載しているのであれば、また意味合いが違ってくると思います。

「α7S II」ユーザーの要望はどういったものがあったのでしょうか?

  • 主に " 4K60p " " 10bit 4:2:2 " のようなもの
  • 本当にみんなが期待するものとなっている

顧客の期待と要望に応え、それの超える機種に仕上がっている事を示唆しているので、この" 4K60p " " 10bit 4:2:2 " は対応しているのではないでしょうか。

このところ多くの「民生機」がRAW動画撮影に対応してきているが、必要があると考えていますか?

  • 我々は、RAW動画撮影に対して一定の需要がある事は分かっている
  • ご存じの通り、我々の顧客には多くのプロフェッショナルを抱えているので、RAWデータで撮影可能にすべく鋭意開発中である

「α7S II 後継機」の事を指しているのかどうか分かりませんが、RAW動画に対応に取り組んでいる事を明らかに。パナソニック「S1H」やニコン「Z 6」などがRAW動画撮影に対応し、キヤノン「EOS R5」も正式発表を控えているだけにソニーの動向に注目です。

競合他社と比べてソニーの強みは?

  • テクノロジーとイノベーション
  • これらは我々の強みであり、我々が提供したいものである
  • ソニーには強力な独自技術があり、静止画・動画双方に非常に高いレベルの技術を有している
  • 我々の製品は、様々なシーンにおいて、スピード・パフォーマンス・リッチな画像品質を誇ります
  • 加えて我々のシステムは、機動性がある
  • 我々は、製品の性能を新たなレベルに引き上げるべく進化し続ける
  • 我々は、他メーカーと競争する為に製品開発をしているのではない
  • ユーザーに満足してもらいたいし「うわっ!」とビックリさせたいのである

今のところミラーレス市場において主導権を握っているのはソニーと言って過言ではないと思います。これまで独自技術でソニーらしい提案を行い話題になる事も多く「α7S II 後継機」がどのような機種に仕上がっているのか楽しみにしているユーザーさんは多いのではないでしょうか。

積層型CMOSセンサーは、今後多くのソニーカメラに搭載される事になるのでしょうか?

  • もちろん
  • 独自性があり最先端のテクロノジーが詰まったセンサーであり、このようなテクノロジーを最大眼に活かしていきたいと考えている

以前インタビュー記事で「α9シリーズ」に掲載されている積層型センサーは単価高い事を明らかにしていましたが、どうやら今後積層型センサーが多くのソニーカメラに搭載されていきそうな印象。競合メーカーも積層型センサーを供給する事になるのか興味津々。

AF技術の進化の方向性は?

  • 検出速度と精度の向上は、プロを含むソニーユーザーが求めている
  • 動画の需要が高まり、動画撮影におけるAFは非常に重要なもとのとなっている
  • 現在、我々はAF技術を大幅に(進化させるべく)開発に取り組んでいる

ミラーレス機においてAF技術はまだまだ伸びしろがある感じでしょうか。ミラーレス機におけるAFはボディだけではなくレンズが搭載するモーターを含むフォーカシング機構も重要になってきます。

今後AIは製品にどのような影響を与えるとお考えですか?

  • 瞳AFのさらなる開発を進めている
  • 我々は、動物瞳AFのような他の検出技術も追加している

瞳AFはソニーが元祖ではないですが、ソニーが「α6400」でコンシューマーに印象付けたのも確か。ここ最近ではキヤノンやニコンも瞳AFに対応してきており、ソニーがさらに進んだ瞳AFがどういうものなのか楽しみです。

カメラ業界において、次にブレイクスルーしそうな技術は何でしょうか?

  • 我々はAI技術に注力しているが、写真や動画撮影にはレンズが必要であり、レンズのAF機構が非常に重要である
  • 動画撮影時にこの機構がちゃんと動作してくれないと問題が出てくるし、動作音も動画素材品質に影響を与える事となる
  • なので我々は、多くのモノに注力しており将来に向けて練っている最中
  • 10年後、20年後、50年後、私は " コンピュテーショナル・フォトグラフィ " が、これまでのレンズの役割以上の事を果たすと予想している

ミラーレス用レンズにおけるAFはレンズのAF機構はモーターを含めて重要視されており、ソニーは望遠系のレンズでは、複数モーター要しフローティング機構を採用する事で機能を強化しつつあります。シグマも先日発表した「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」のオンラインイベントで " オートフォーカス革命 " を謳っていました。

今後、スマートフォンがカメラに、カメラがスマートフォンのように扱われるようになる思いますか?

  • 誰もそれを知る由はない
  • しかし私は、選択する権利と、選択肢がある事は良い事であると思う

ソニーは、スマートフォーンメーカーにセンサーやカメラユニットを供給している事も確か。スマートフォンのカメラ機能が向上し、静止画や動画の使われ方や価値観も数年前と比べる大きく変わりましたが、この先また価値観が大きく変わる事があるかもしれません。

編集後記

COVID-19で世界経済が落ち込んでいる中、ソニーの自信を感じるインタビューだった事が伺える感想が掲載されています。ソニーまだまだ積極的に開発を続けており、まだまだイノベーションを行う意欲がある模様。あと「α7S II 後継機」という表現について「α7S III」となるのか別の製品名となるのか田中氏が明らかにしなった事にも触れ、ちょっとした楽しみである事もコメント。

少なくとも " 4K60p " " 10bit 4:2:2 " はほぼ確定的で、RAW動画撮影に対応すべく開発に取り組んでいる事も明らかにし、インタビュアーのBarnaby Britton氏はこの方向性に賛同しています。

今回のインタビュー記事で「α7S II 後継機」は、2020年夏に登場する事が明らかになり、今後様々な情報(噂)が登場するのではないでしょうか。キヤノン「EOS R5」の方が先に発表されそうで、今年の夏 フルサイズミラーレス市場が大きく動く事になりそうです。