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ソニー FE 50mm F1.2 GM 競合レンズとサイズ感や仕様を比較

ソニー「FE 50mm F1.2 GM | SEL50F12GM」が国内でも正式発表され、詳細な仕様が公開されたので競合レンズであるキヤノン「RF50mm F1.2 L USM」やニコン「NIKKOR Z 50mm F1.2 S」などと比較していこうと思います。一緒に見ていきましょう。

「FE 50mm F1.2 GM」競合レンズとサイズ比較画像

上記の画像は、最大径x長さサイズを基準に作ったサイズ比較画像。ニコンZレンズは、一目見て贅沢なサイズ感である事が分かります。ニコンRFレンズとソニーFEレンズは全体的にほぼ同じサイズ感と言って良いのではないでしょうか。一眼レフ用のEFレンズは、最大径は大きいけれども長さはかなり短く仕上がっています。

フィルター径

  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … 82mm
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM … 77mm
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … 72mm
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … 72mm
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … 72mm

サイズ (最大径×長さ)

  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … φ89.5x150mm
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM … φ89.8x108mm
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … φ87x108mm
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … φ83.5x108mm
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … φ85.8x65.5mm

「FE 50mm F1.2 GM」は、既存のツァイス印レンズ「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」とほぼ同じサイズ感を実現している事が分かります。フィルター径は「NIKKOR Z 50mm F1.2」が大きく、最大径は「RF50mm F1.2 L USM」が一番大きなサイズ感。

レンズ構成

レンズ構成
  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … 15群17枚
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM … 9群15枚
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … 10群14枚
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … 9群12枚
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … 6群8枚

レンズ構成を見ると「NIKKOR Z 50mm F1.2」は、15群17枚と豪華な仕様でEDレンズ2枚、非球面レンズ3枚を採用しています。「FE 50mm F1.2 GM」はXAレンズを3枚使用。しかも前玉に凹レンズを採用している事が確認できます。

国内 α Universeに「FE 50mm F1.2 GM」開発者インタビュー記事が掲載されておりレンズ構成に関して…

光学設計者はレンズ断面図を見ると、「このエレメントはあまり仕事(収差補正)してないな」と分かることがあります。(笑) 設計者としては、より少ないレンズ枚数でより収差補正を効率的にする方法、つまりは光学性能を保ちながらレンズ全体をコンパクトに納めることのできる、別の良い解を追求したくなるものなのです。FE 50mm F1.2 GMのレンズ構成図を見て頂くと、どのレンズも収差に徹底的に貢献させるために、しっかりと曲率を持たせており、無駄と妥協のない光学設計であることを感じ取って頂けるかと思います。極限まで突き詰めた光学設計によって得られる光学性能とコンパクトさの両立を、是非体感いただければと思います。

…と語っています。レンズエレメント数を最小限に抑えコンパクトなサイズを実現したとのこと。

※国内 α Universeにも「FE 50mm F1.2 GM」開発者インタビュー記事が掲載されました。

質量

  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … 1090g
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM … 950g
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … 778g
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … 778g
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … 590g

「FE 50mm F1.2 GM」はF1.2レンズながらも「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」と同じ質量を実現しています。「RF50mm F1.2 L USM」は「FE 50mm F1.2 GM」と大きくサイズ感は変わらないものの " デカ重 " なイメージがあるのは質量のせいかもしれません。

MTF曲線

MTF曲線

MTF曲線は1つの指標(尺度)であり、実際の撮影データに近い「波動光学的MTF」と理論値に近い「幾何光学的MTF」が存在し、ボケ味や色のにじみなどはMTF曲線に反映されないので注意が必要です。しかし先程の開発者インタビュー記事で解像度(シャープネス)だけでなくボケ味の仕上がり具合も下記のように語っています。

F1.2の豊かなぼけ × G Masterのとろけるようなぼけ

豊かなぼけはF1.2レンズの魅力の1つですが、ぼけ量だけではなく、G Masterに相応しい理想的なぼけ描写にこだわりました。特にポートレートでは、被写体を際立たせる自然でなめらかなぼけの役割が非常に重要です。ぼけは非常に官能性や感覚的なものなので管理が難しいのですが、F1.2を求めるお客様の期待に応えるものを生み出せたと思っています。

F1.2GMレンズに対する期待に応えるだけの事はあるレンズに仕上がっている模様。

採用モーター

  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … ステッピングモーター (STM)
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM …ウルトラソニックモーター (リングUSM)
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … XDリニアモーターx4
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … ウルトラソニックモーター (リングドライブSSM)
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … ウルトラソニックモーター (リングUSM)

ミラーレス用交換レンズの重要なポイントの1つにモーター機構があると思いますが、「FE 50mm F1.2 GM」はフォーカスグループを2つに分けダイレクトドライブXDリニアモーターをアクチュエーターとして採用する事でAF速度と理想的なレベルの解像度とボケ味を実現していると開発者インタビュー記事で明らかにしています。メーカーごとに採用するモーターの種類や扱い方が異なるのが興味深く感じます。

あと上記のプロモーションを見るとF1.2と浅い被写界深度ながらAFの追従性と食い付きが印象的です。あくまでもプロモーションムービーなので、実際の使用感とは違う部分はあると思います。

量販店価格 ※2021年3月17日 14:00時点のマップカメラ価格(税込)

  • ニコン NIKKOR Z 50mm F1.2 S … 250,470円
  • キヤノン RF50mm F1.2 L USM … 289,575円
  • ソニー FE 50mm F1.2 GM … 280,000円前後 ※公式暫定価格
  • ソニー Planar T* FE 50mm F1.4 ZA … 170,775円
  • キヤノン EF50mm F1.2 L USM … 157,267円

まだ予約開始されておらず「FE 50mm F1.2 GM」の量販店売り出し価格は分かっていないもののプレスリリースに市場推定価格(税込) 280,000円前後と掲載しています。なので「RF50mm F1.2 L USM」と同価格帯になる模様。

すでに海外を中心にインプレッション・レビュー記事や動画が発表と同時に続々と登場しつつあるので、実際の光学性能はそちらが参考になるのではないでしょうか。

国内発売情報

  • 2021年4月23日(金)発売予定
  • 予約受付開始 2021年3月23日(火) 10時より
  • 市場推定価格(税込) 280,000円前後
  • ソニーショールーム/ソニーストア先行展示 3月19日(金)より

今週末にソニーショールーム/ソニーストアに行けば、この「FE 50mm F1.2 GM」を体験できるので、購入を検討している方は、実際にタッチ&トライしそれを踏まえて予約するのがベストかもしれません。この辺は、都会に住んでいる方は有利ですよね。