雑談 : ソニー αシリーズ 将来的に全画素AFが搭載される日は来るのだろうか
ソニーセミコンダクタソリューションズが、モバイル(スマートフォン)技術ページをリニューアルし、動画を公開し全画素AFを強調し始めました。現時点ではモバイル(スマートフォン)技術ですが、将来的にこの全画素AFが一般的な像面位相差AFの代わりにソニー α1/α7/α9シリーズ、α6xxx/α5xxxシリーズにも採用される可能性があるのでしょうか。
暗所において全画素AFと位相差AFを比較した動画。明らかにフォーカスの違いを確認できます。ソニーは現時点でモバイル(スマートフォン)分野で3つ方式の全画素AFを展開しており…
- Dual PD 方式 … 全画素AFのベーシックタイプ
- 2x2 OCL 方式 … 微細・高画素の中型センサー向け
- Octa PD 方式 … 高感度・高画素をめざす大型センサー向け
Dual PD 方式
1つ目の「Dual PD 方式」は、キヤノンのデュアルピクセルCOMOS AFや、サムスンのデュアルピクセルセンサーも採用するベーシックな方式で、2つのフォトダイオードを1つの画素とする方式で、左右のフォトダイオードに別々の入射光が入るため位相差を取得する事が可能になる方式となっています。
ちなみにフラッグシップ機「Xperia 1 III」は、1,200万画素デュアルピクセルセンサーを搭載し、デュアルピクセルAFに対応しているので、この方式を採用していると思われます。1200万画素センサーですが、2画素を1画素として扱っているので構成的には2400万画素になります。
2x2 OCL 方式 / Octa PD 方式
この2つの方式は、以前「α7S III」で搭載が噂されたQuad Bayer センサーがベースになる方式で、1つのオンチップレンズを同色4画素で構成し、特に " 2x2 OCL 方式 " は、高感度耐性を維持しながらリアルタイムHDR撮影にも対応した高速なAFを実現している模様。
詳しくはソニーセミコンダクタソリューションズの全画素AF技術説明ページに掲載されています。
将来的にαシリーズに搭載される事になるのか
Quad Bayer センサーがαシリーズに搭載されるであれば、「α7S」への搭載が有力に感じるし、そうなれば " Octa PD 方式 " の全画素AFが搭載される可能性が高いのではないでしょうか。ベーシックな " Dual PD 方式 " であれば、2画素→1画素なので画素数的に「α7」とか「α6xxx」あたりに搭載されたら注目されそうな予感。基本的に デュアルピクセルセンサー+全画素AF / Quad Bayer センサー+全画素AF とセットになっている気がします。
ミラーレス機において一般的な像面位相差AFよりもキヤノンのデュアルピクセルCMOS AFの方を評価する人もいるので、ソニーが全画素AFを搭載してきた時に、ソニーの全画素AFが優秀なのか、キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFが優秀なのか注目が集まるのではないでしょうか。
イメージセンサー関連技術は、スマートフォンや産業カメラそして車載カメラ関連の優先順位が高く、大型センサーを搭載する民生カメラにその技術が降りてくるのに時間が掛かる印象ですが、今後もミラーレス機において像面位相差AFが主流であり続けるのか、次世代技術を採用したAFが登場するのか気になるところ。
ソニーセミコンダクタソリューションズの公式サイトのモバイル(スマートフォン)技術ページを見る限り、位相差の次のAFは " 全画素AF " であるように感じます。現時点で裏面照射型センサーのように " 全画素AF " 技術が民生カメラに降りてくるのかどうか分かっていません。
秋に発表が期待されている「α7 IV」は、イメージセンサーや描画エンジン、AI(ディープラーニング)、動画性能、拡張性など気になるところが多いですが、個人的にセンサー方式とAF方式にも注目しています。※現行のαシリーズは、基本的にファストハイブリッドAFシステム (像面位相差+コントラストAF)を採用しています。