ソニー「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」と「SEL70200GM」は何が違うのか比較
ソニーがEマウント フルサイズ対応 大口径望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II | SEL70200GM2」が国内外で発表され大きな話題となっています。初代「SEL70200GM」と比べて何がとう違うのか見ていきましょう。いくつかポイントをピックアップしてみました。
質量とサイズ : 約29%の軽量化を施し世界最軽量1,045gを実現
- SEL70200GM2 … 88 x 200mm / 1,045g (三脚別別)
- SEL70200GM … 88 x 200mm / 1,480g (三脚座別)
少しデザインが変わり若干「SEL70200GM2」が細く見えますがサイズ自体は初代「SEL70200GM」とまったく同じ。今回は特長の1つに " 軽量化 " が挙げられ 1,480g → 1,045g と大幅に約29%軽いレンズに仕上がっています。「70-200mm F2.8」の望遠ズームレンズとして世界最軽量を実現したとのこと。※これまで最軽量だったキヤノン「RF70-200mm F2.8 L IS USM」の質量は1,070g
レンズ構成 : 新たな光学設計
- SEL70200GM2 … 14群17枚 (超高度非球面XAレンズ1枚、非球面レンズ1枚、ED非球面レンズ1枚、スーパーEDガラス2枚、EDガラス2枚)
- SEL70200GM … 18群23枚 (超高度非球面XAレンズ1枚、非球面レンズ2枚、スーパーEDガラス2枚、EDガラス3枚)
レンズ構成を見ると新たな光学設計が施されている事が伺えます。18群23枚 → 14群17枚 とエレメントを減らした事が軽量化に繋がっている印象。その反面 特殊ガラスの採用枚数は増えており、最新の光学技術を採用しているとのこと。上記のレンズ構成図を見比べてみるとエレメント前方のレンズ配置を少なく抑えた光学設計となっています。実際に使用してみないと分かりませんが、軽量化を果たし光学設計的にフロント・ヘヴィーではなくなったのでバランスが良く使い回しが良さそうな大三元レンズに仕上がっていそうな予感。
MTF曲線
両レンズのMTF曲線を比べてみると、70mm、200mm共に周辺部のコントラストと解像度が向上している事が分かります。製品ページは " 高い解像力と美しいボケ味 " を実現した事を強調。加えてナノARコーティング採用により反射を抑えたヌケの良い描写性能を発揮している模様。ソニーが掲載しているMTFは理論値に近い「幾何光学的MTF」なのでしょうか。
フローティングフォーカス機構 : 4基の高推力なXDリニアモーターを搭載 AF速度4倍高速化
- SEL70200GM2 … 4基のXDリニアモーター
- SEL70200GM … リングドライブSSM(前側) + リニアモーター(後側)x2
ミラーレス用レンズはフォーカス機構やモーターの種類が注目される事が多いですが、今回「SEL70200GM2」は新たなフローティングフォーカス機構を採用しAF速度・精度・追従性能を引き上げてるとのこと。AF速度は初代「SEL70200GM」より4倍高速になり、軽量化した事で一瞬のチャンスを逃さないとしています。
もちろん「α1」との組み合わせで高速連写30コマ/秒に対応。初代「SEL70200GM」も30コマ/秒に対応していますが、実際両レンズで高速連写30コマ/秒撮影を行った時にどのくらい差があるのか気になるところ。将来的に30コマ/秒よりも高速なスピードカメラが登場した時に対応の差が出てきそうな予感。
絞りリングを搭載
「SEL70200GM2」は今回新たに絞りリングを搭載。しかも絞りリングのクリック感をON/OFFできるデクリック機能も搭載しています。静止画撮影時はON、動画撮影時はOFFという使い方が可能に。以前から絞りリングを要望していたユーザーさんにとって大きな機能ではないでしょうか。ちゃんとアイリスロックスイッチも用意されています。
豊富なボタン・スイッチ類
- SEL70200GM2 … フォーカスホールドボタン、フォーカスモードスイッチ、フルタイムDMFスイッチ、フォーカスレンジリミッター、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モードスイッチ、アイリスロックスイッチ、絞りリングクリック切り換えスイッチ(レンズ右側面)
- SEL70200GM … フォーカスホールドボタン、フォーカスモードスイッチ、フォーカスレンジリミッター、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モードスイッチ
製品画像を見て分かる通り「SEL70200GM2」はスイッチ類が増え、ソニーは " 高い操作性 " を謳っています。この辺はアンバサダーなどからフィードバックを得て改良していると思いますが、使い易いのか煩雑に感じるのか実際に使ってみないと分からない領域ではないでしょうか。
手ブレ補正MODE3を追加
今回新たに手ブレ補正のアルゴリズムを最適化した「MODE3」を搭載。流し撮りに対応した「MODE2」に比べて「MODE3」は動体撮影時のフレーミングの安定を重視し手ブレ補正のアルゴリズムを最適化したモードの模様。
最短撮影距離
- SEL70200GM2 … 40cm~82cm
- SEL70200GM … 96cm
最短撮影距離も短くなっており、フォーカス性能と同じ様に撮影時に体感できる箇所だと思います。
価格(税込)・発売日
- SEL70200GM2 … 330,000円前後 ※市場推定価格
- SEL70200GM … 329,593円 ※2021年10月14日時点のソニーストア価格
「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II | SEL70200GM2」は2021年11月26日(金)発売を予定し、市場推定価格(税込)は330,000円前後とのこと。ソニーも製品によって半導体をはじめ部品調達に遅れが生じている事を告知済みなので、すでに購入を決めているユーザーさんは早めに予約を入れた方が良いかもしれません。※予約受付開始は10月26日(火) AM10:00から