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ソニーはイメージセンサーを自社生産しているもののロジック半導体は他社から調達している

BusinessInsiderのソニーと台湾TSMCの合併事業(日本工場)記事にイメージセンサー周りの興味深い情報が掲載されています。

TSMCとソニーの合弁事業による日本工場建設は政府・経済産業省も絡んだ動きを見せており以前から国内で話題となっていますが、イメージセンサーまわりの興味深い情報が掲載されています。ソニーはイメージセンサーを自社製造しているもののロジック半導体は他社から調達しているとのこと。

ロジック半導体

  • 演算処理を担う半導体
  • イメージセンサーの裏にロジック半導体を貼り付け、AIや画像処理を行う「インテリジェント型」を差別化要因としており、ロジック半導体の調達は不可欠

ここ最近のカメラは瞳AFをはじめする被写体認識AFを搭載するのが当たり前の世界となっており、演算処理を行うロジック半導体が必要である事が伺えます。ソニーはイメージセンサーを自社製造しているので影響は少ないのかなと思いきやロジック半導体は他社から調達しており、一部のソニーカメラの供給不足はロジック半導体の調達が限定的である事が原因の1つかもしれません。

先日行われた決算発表のノート付き資料(PDF)を見てみると(20ページ)…

  • ここで、先⽇、台湾セミコンダクター・マニュファクチュアリング(TSMC)社から発表された、 同社が検討中の⽇本における半導体⼯場建設についてお話しします。
  • 当社のイメージセンサー製造⼯程のうち、ロジックウェハー⽣産のほとんどを外部委託しており、⻑期にわたる世界的な半導体不⾜が予想される中、ロジックウェハーの安定調達は重要な事業課題です。
  • 本件はその解決策となり得ることから、TSMC社及び経済産業省と協議させていただき、 同社⽇本⼯場をロジックウェハー調達先に加えること、当社の持つ⽇本での半導体⼯場運営のノウハウを活かし新⼯場の⽴ち上げに協⼒していくことなどについて、検討を進めています。
  • 加えて、世界最先端の半導体⽣産技術を持つTSMC社とのパートナーシップをより⼀層強め、深めていくことも、当社にとって⼤いに意義があるものと考えています。
  • 本件については引き続き検討、協議中です。

ソニーにとってTSMCとの合弁事業は、ロジックウェハー安定供給が目的の1つである事が伺えます。

この資料の19ページには「ファウンドリー各社から調達しているロジックウェハーの数量制約と価格上昇についても、当年度の業績への影響を最⼩化すべく、各種の対応策を取っています。」「これまで進めてきた顧客基盤の拡⼤は着実に進捗していますが、来年度に向けては、数量の拡⼤と⾼付加価値化の実現に必要なロジックウェハー確保が、⼤きな課題となっています。」と掲載。

工場建設予定地は、CMOSイメージセンサー・ディスプレイなど映像デバイスの開発・生産を行う熊本工場の隣接地と言われています。