ソニー「Venice 2」発表 8.6K/6Kモデル モジュラー構造でセンサー交換可能
ソニーはCineAltaカメラ フラッグシップ機「Venice 2」を正式発表しました。8.6K/6Kに対応した2モデルが用意され、その特長を見てきましょう。
今回の「Venice 2」は、8Kモデルと6Kモデル2機種が用意され、8Kモデルが2022年2月発売、6Kモデルが2022年3月の発売を予定しており、市場推定価格(税込)は8Kモデルが6,800,000円前後、6Kモデルが6,200,000円前後となっています。長さは44mm縮小し10%の軽量化しており小型軽量を実現しているとのこと。
プレスリリースや国内外製品ページをはじめ海外カタログ(PDF)を参考に特長をピックアップしてみました。
イメージセンサー
- 8Kモデル : 5000万画素センサー ダイナミックレンジ 16stop
- 6Kモデル : 2480万画素センサー ダイナミックレンジ 15+stop
Dual Base ISO
- 8Kモデル : ISO800、ISO3200
- 6Kモデル : ISO500、ISO2500
今回新開発の8.6Kセンサーは高い解像力と細部まで繊細な描写を実現している事をアピール。ダイナミックレンジ (ラティチュード) は16stopを実現し幅広い輝度条件下で階調を表現可能な模様。6Kモデルの15+stopとどのぐらいの差が出てくるのか気になるところ。16stopのダイナミックレンジで奥行き感のある映像や自然なスキントーンの表現が可能としています。
デュアル・ベースISOに関して両モデルの基準感度が異なり、8Kモデル ISO800/ISO3200、6Kモデル ISO500 / ISO2500 とのこと。両機種ともに低照度シーンで威力を発揮してくれる事でしょう。ちなみに初代「Venice」の基準感度は ISO500 / ISO2500 となっています。
ソニーはすでに上記のような「Venice 2」で撮影した映像作品を何本か公開済みでラティチュードをはじめスキントーン、ノイズ耐性などの仕上がり具合を確認できます。
モジュラー構造でセンサーブロック交換可能
元々初代「Venice」からモジュラー構造を採用しており、撮影用途に合わせさまざまなリグや周辺機器との組み合わせに柔軟に対応しておりセンサー周りもブロックごと取り外せる仕様となっています。今回8K/6Kモデルが登場してきた事によりさらに柔軟な使用/仕様が可能に。
「venice 8K/6K」のイメージセンサーブロックが交換可能でカメラ本体はその変更を自動に認識してくれるとのこと、ファームウェアの更新や再インストールの必要がなく現場ですぐに使用可能で柔軟な運用が出来る事をアピール。初代「Venice」もエコシステムに含まれている事が確認できます。
記録フォーマット
- X-OCN … RAWよりデータサイズは軽いカラーグレーディング前提のファイルフォーマット
- Apple ProRes 4K (Apple ProRes 4444) … マスタリング品質の高品質版 Apple ProRes
- Apple ProRes 4K (ProRes 422 HQ) … Apple ProRes 422 高データレート版
X-OCNもApple ProRes 4Kも内部記録可能となっていて、AXSメモリーカードに直接記録することが可能と掲載。動画記録の仕様は多岐にわたるのでざっくり8Kモデルの仕様をピックアップしてみると…
X-OCN XT/ST/LT
- 8.6K 3:2 … 23.98p/24p/25p/29.97p
- 8.2K 17:9 … 23.98p/24p/25p/29.97p/47.95p/50p/59.94p
- 7.6K 16:9 … 23.98p/24p/25p/29.97p/50p/59.94p
- 5.8K 6:5 … 23.98p/24p/25p/29.97p/47.95p
- 5.8K 17:9 … 23.98p/24p/25p/29.97p/47.95p/50p/59.94p
- 5.4K 16:9 … 23.98p/24p/25p/29.97p/50p/59.94p
ProRes 4444/ProRes 422 HQ
- 4K (4096x2160) … 23.98p/24p/25p/29.97p/50p/59.94p
- QFHD (3160x2160) … 23.98p/24p/25p/29.97p/50p/59.94p
…となっています。最初の方に貼ってあるスペック表を見て分かる通りフレームレートは8.2K 17:9は " 60fps " を実現し、5.8K 17:9は " 90fps " を実現しています。海外製品ページはサンプル動画を掲載しています。
8ポジション光学式NDフィルターを内蔵
初代「Venice」同様に8ポジション光学式NDフィルターを内蔵。
- Clear、0.3(1/2ND=1ストップ)、0.6、0.9、1.2、1.5、1.8、2.1、2.4(1/256ND=8ストップ)
広範囲な8ポジションのNDを内蔵する事により、外部NDフィルターを取り替える必要がないところも特長の1つではないでしょうか。このNDフィルターはサーボ制御となっており、リモート操作が可能となっています。カメラ筐体はマグネシウム合金製で、ファンを内蔵している模様。
プロ機器だけにまだまだ書き切れない要素満載ですが、上記をピックアップしてみました。