ホーム > カメラニュース 2022 > タムロン 18-300mm F/3.5-6.3は、非常に便利な旅行レンズ

タムロン 18-300mm F/3.5-6.3は、非常に便利な旅行レンズ

ePHOTOzineが、タムロンの ソニーEマウント / 富士フイルムXマウント APS-C対応 高倍率ズームレンズ「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)」レビューとサンプル画像を掲載しました。

18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDの長所

  • 中央部のシャープネスは際立っている
  • 良くコントロールされた色収差(CA)
  • 歪曲はほとんどない
  • 控え目な周辺減光
  • 高速静音AF
  • 豊かで鮮やかな色味
  • 簡易防滴構造
  • 心地良いボケ味
  • 適度なサイズと質量 ※ソニー用 φ75.5mmx125.6mm / 620g
  • 手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)
  • かなり寄れる近接撮影能力 ※最短撮影距離15cm、最大撮影倍率1:2
  • 素晴らしい価格設定 ※希望小売価格96,800円(税込)

18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXDの短所

  • ワイド端とテレ端 周辺部のシャープネスが乏しい
  • 特に18mm時の色収差(CA)

4つ星を獲得し " お勧めレンズ " に選出しています。気軽な旅行に非常に便利なレンズの1本であると選出理由を挙げています。

評価・結論

「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」は汎用性ある旅行レンズであり、風景、建築、ストリート、ポートレート、花のディテール、野生生物などすべてのニーズを容易にカバーできる事が可能なレンズに仕上がっていると評価。

(高倍率ズームレンズで最短撮影距離も短いので)カメラに装着するレンズを間違え被写体が逃げてしまう事も、レンズから被写体までの距離が近すぎて撮れなくなる事も、いきなり野生動物を撮影して被写体が小さな点になる事がないと解説。

テストチャート撮影において技術的な弱点がある事は明らかであるが、それを認識・意識する事でその落とし穴を回避し、タムロンレンズならではの気軽な撮影経験を充分に楽しむ事ができるとのこと。F11以上絞らない事と、構図的に周辺にメインとなる被写体が来ないようにすれば、豊かな色とシャープネスを備えた美しい画像が得られるはずであると回避策も掲載しています。

「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」は技術的に妥協しているところがあるものの、優れている部分があり、お勧めレンズに選出できると結論付けています。

MTFチャート

  • 18mm中央部 … F3.5~F4まで卓越し、F5.6~F11は素晴らしく、F16は非常に良好、F22はまずまず
  • 18mm 周辺部 … F3.5~4は良好、F5.6~F11はまずまず、F16~F22はソフト描写
  • 50mm 中央部 … F4.5は卓越し、F5.6~F8まで素晴らしく、F11~F16まで非常に良好、F22~F29までまずまず
  • 50mm 周辺部 … F4.5~F5.6が素晴らしく、F8は非常に良好、F11~F16まで良好、F22はまずまず、F29はソフト描写
  • 100mm 中央部 … F5.6は卓越し、F8~F11まで素晴らしく、F16は良好、F22~F32はまずまず、F36はソフト描写
  • 300mm 中央部 … F6.3~F8まで卓越し、F11は非常に良好、F16は良好、F22はまずまず、F32~F40はソフト描写
  • 300mm 周辺部 … F6.3~F8はまずまず、それ以降F40までソフト描写

中間の焦点距離でピークに達し、F11よりも絞らなければ非常に良好で、300mmになると周辺が少し落ち込むがポートレートや花撮りおいては理想的と解説。基本的にメインとなる被写体は構図的に中央に置く事を勧めています。実際に掲載されている各焦点距離のMTFチャートを見てみると、中央部と周辺部の差は明らかである事が確認できます。

色収差チャート ※知り得る限りカメラ内補正をオフにして測定

中央部の色収差は事実上ないと言って良いレベルで、周辺部はカラーフリンジが存在するとのこと。特に18mm周辺部のカラーフリンジは顕著であると解説。カメラ内補正もしくはソフトウェアによる補正で軽減もしくは除去が可能としています。掲載されている18mm色収差チャートを見てみると、周辺部はかなり高い数値である事が確認できます。

歪曲

歪曲もカメラ内補正をオフにして測定しているそうですが、レンズとカメラが自動的にやり取りしちゃうそうで、補正を受け入れる必要がある模様。ただし補正が入る事により歪曲のないレンジ広い18-300mmレンズになるので歓迎であると解説。18mm 糸巻型歪曲 +0.10%、50mm 糸巻型歪曲 +0.99%、100mm 糸巻型歪曲 +0.13%、300mm 糸巻型歪曲 +0.07%が存在するとのこと。

ボケ味

ボケ味は非常に滑らかでポートレートや花撮りにおいて素敵なアウトフォーカスを保証するとのこと。

フレア耐性

タムロンレンズならではのフレア耐性を実現しており、厳しい光源があるシーンでもアーティファクトを作成することは非常に難しいそうです。厳しい逆光でコントラストはいくぶん低下するものの、虹色フレアを求めるユーザーはがっかりするだろうと解説。※アーティファクト : レンズ設計的にゴーストやフレアなど人工的に発生してしまう光の現象といった感じでしょうか

周辺減光

周辺減光は非常に少なく、おそらく自動補正されており最終的な仕上がりは印象的であるとしています。