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オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II レビュー

先日のコラムにこの75-300mm F4.8-6.7 II の使い始めインプレッションを書きましたが、その後も積極的に何度か撮りに行きある程度しっくり撮れるようになってきた感じでなので、この75-300mm II の手撮り使用感をまとめてみようかと♪

オリンパス OM-D E-M5 と 75-300mm II

OM-D E-M5に装着して手撮りしたフィーリングは見た目よりも軽快に使い回せる感じで、普通の望遠ズームレンズのそれと変わらないフィーリングで気軽に使える超望遠ズームレンズです。ズームリングは75〜300mmまで均等なトルク感ですが、内蔵EVFで構図を決めながらズーミングするとちょっとOM-D E-M5が引っ張られる感じかも。背面液晶モニタ越しであれば問題ない感じ。これまで愛用してきたパナソニック Xレンズ 45-175mmのスムーズなトルクのインナーズームに慣れている為によりそう感じているのかもしれません。個人的にオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 のズームリングより出来は良いと思います。あと気が付いた事は、200〜300mmの領域の微妙な焦点距離の合わせがちょっとシビアな感じもします。この辺は慣れなのでしょうね。

オリンパス 75-300mm II で撮影した上野動物園のゴリラ
208mm 1/320秒 f/6.2 ISO-1600 -0.7EV

MSC機構を採用しているので普段のオリンパスレンズと変わらないAF速度と精度を達成している印象。でも撮り始めのころは結構ブレ写真を連発してしまいました…^^; それはシャッター速度不足で手振れ、もしくは被写体が微妙に動いたのが原因と思われます。確かにピンがきっちり合焦しない時や、被写体の背景にピンが行ってしまう事もあり、このレンズを手撮りする場合は、いつもよりも多めに枚数を撮って撮りミスをカバーしています。あとAFポイントは、14xの大きさで使っていますが、個人的にOM-D E-M5にスモールAFターゲットが欲しいかも。

先程の話に繋がっているのですが、やはりF値が暗めなレンズなのでシャッタースピードを稼げないのが最大のマイナスポイントで、これを理解して使う必要があると思います。静物撮りであればある程度シャッタースピードが低下してもOM-D E-M5の5軸手振れ補正機構でブレずに撮影は可能ですが、動物など動く被写体であれば動体ブレを起こしてしまうので、個人的に1/640秒を目安にカメラの設定をしています。絞り優先モード ISOオート → シャッター優先モード 1/640秒 ISOオート → 絞り優先モード ISO3200以上、という感じでシーンによって設定を変えて撮るようになりました。まあ絞り優先モード ISOオートでブレたら、シャッター優先 1/640秒で撮ってみるイメージです。

オリンパス 75-300mm II で撮影した多摩動物公園のルリコンゴウインコ
300mm 1/640秒 f/6.7 ISO-3200 0.0EV

旧レンズと75-300mm II の大きな違いは、ZEROコーティングの有無ではないでしょうか。このレンズを真夏から使い始めましたが、フレアやゴーストに困る事は一度もなかったし、元々EDレンズを3枚(スーパーEDレンズとEDレンズを2枚)使用したレンズなんで収差も歪曲も抑えられていて価格以上の光学性能を発揮していると思います。それだけにF値の暗さが目立っちゃうんですよね…w まあ逆に言えば、F値が暗い分被写界深度が深くなる分、手撮りする時にそれほどピン位置をシビアに考えなくても良い利点もあるかと♪

オリンパス 75-300mm II で撮影した葛西臨海公園鳥類園
132mm 1/250秒 f/5.6 ISO-200 +0.7EV

描画の方は、超望遠ズームレンズだけにネイチャー系を意識したコントラストと彩度のキレが良いような気がします。個人的には、60mm F2.8に近い感じ。75〜200mm位までの解像感も良好(シビアに見れば150mm)で、かなりシャープに撮れるかと♪ でも200〜300mmは若干解像感がユルくなる気もしますが、お気軽超望遠ズームレンズとしては必要充分です。あとボケ味もマイクロフォーサーズの標準的な望遠ズームレンズと比べると、余裕を感じます。

オリンパス 75-300mm II で撮影した東京港野鳥公園のカニ
179mm 1/250秒 f/5.9 ISO-400 -1.7EV

この干潟のカニは、地面スレスレで背面モニタで構図を決めて撮っていますが5軸手振れ補正の恩恵でブレることもなく撮れています。イメージ的に両手に内蔵EVFに目を当てた3点でないとブレそうな感じもしますが、両手撮りだけでも結構撮れます。まあブレ写真になる時もありますが…w あと300mm(35mm換算 : 600mm)で手持ち撮りでOM-D E-M5のデジタルテレコンも試したのですが、ブレ写真連発で1枚もまともな写真撮れませんでした…^^; じっくり構えて撮られる方は、一脚・三脚を使用するのもありと思います。

オリンパス 75-300mm II で撮影した東京国際フォーラムの人混み
75mm 1/200秒 f/4.8 ISO-400 0.0EV

ストリートスナップも挑戦してみたんです。この75-300mmという焦点距離を使いこなすのは慣れが必要だな〜と実感。とくに200〜300mmは今まで経験した事の街の世界が広がっている感じで、満足いくスナップが1枚も撮れず…^^;OM-D E-M5以降のマイクロフォーサーズ機であれば、5軸手振れ補正機構が採用されている機種も多いし、スモールAFターゲットもあるし、PEN E-P5ならフォースピーキングもあるので手撮り/一脚/三脚撮りの幅が広がるかと♪ 今後さらにISO高感度耐性が上がった新機種が出てくれば、さらに75-300mm IIのF値の暗さをカバー出来ると思います。あと肉眼でそれほど歪曲も感じないレンズなので、建物撮りもイケそうな気もします。

個人的に一度はこの300mm(35mm換算 : 600mm)を経験したかったので、それだけでも買って良かったと思います。あとこの超望遠ズームレンズを使う事で、マイクロフォーサーズ版 50-200mm F2.8-3.5 SWD や 150mm F2.0 の登場に期待してしまうかも。気軽に手持ち撮影ができる小型軽量の超望遠ズームレンズで、その反面F値が暗いですが、それを気にしてこのレンズを敬遠するか、このコンセプトを理解して300mmnの世界を味わうかユーザーさん一人一人の判断に委ねられているレンズに感じます。