キヤノン お手頃価格RFレンズは計画中 APS-C EOS Rは顧客の要望があれば対応する
dpreviewが、CP+2019 キヤノン インタビュー記事を掲載しました。東京五輪に向けてプロ機を計画している事や、エントリークラスでもお手頃価格RFレンズを予定している事など、幅広いレンジで戦略を練っている事が伺えるインタビュー記事となっています。
長いインタビュー記事なので、個人的に印象深かったポイントをざっくり抜き出してみました。
キヤノン EOS RPユーザーに向けたお手頃価格RFレンズの予定は?
- はい、予定しています
現在キヤノンはLレンズを中心にRFレンズラインアップを拡充しています。EOS RP発表時に似合うレンズが「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」ぐらいしかないと指摘されていましたが、今回計画している事を明らかにしていてホっとしているユーザーさんは多いのではないでしょうか。開発発表した6本のRFレンズを発売した後になるのか、それとは別の動きで発売されるのか注目です。
EFレンズ / RFレンズの開発リソースの配分はどのような感じですか?
- 別のシステムなので EFレンズ / RFレンズ 異なるチームが開発していると思っているかもしれないが、そうではない
- 同じ光学エンジニア・機械/製造エンジニアが、両マウントレンズの開発に取り組んでいる
- 開発陣全員が、交換レンズ開発におけるスペシャリストなのである
- RFレンズは立ち上げたばかりなので、レンズラインアップを拡充する必要があり、当面はRFレンズ開発に注力していく ※意訳しています
APS-Cセンサー搭載 EOS Rは検討していないのでしょうか?
- 今後の計画をどうするのか教える事はできないが、開発の方向性を決めるのは顧客である
- なので顧客の要望があれば、出来る限り対応していく所存である
RFマウント APS-C機が登場するのかどうか、以前から噂されています。否定する事なくここまで語るという事は、何かしら計画が進んいると考えても良いような気が…。しかしdpreviewが前日に掲載した別のキヤノン インタビュー記事では、EF / EF-M / RF 体制はまだ続きそうな雰囲気である事が伺えるので今後の展開に注目です。
ナノUSMについて
- ナノUSMは、開発に誇りを持っている技術
- 動画撮影のニーズに応えただけでなく、AFスピード向上にも貢献している
- ただナノUSMを使用するには、レンズレンズ設計においてフォーカス・エレメントが軽量である事が必要
- 開発の余地があり、どう採用していけば良いのか検討中
ナノUSMはチップ状の小型モーターで高速AFを実現し、静粛性も高く動画撮影にも向いていると言われています。やはりレンズ・エレメントが大きく重いとナノUSMで動作させる事は難しいようで、光学性能を求めた「RF50mm F1.2 L USM」「RF28-70mm F2 L USM」で採用を見送り、「RF24-105mm F4 L IS USM」は静止画/動画を前提にナノUSMを採用した模様。
ミラーレス用レンズは " モーター " がキーとなる要素でシグマ 山木社長もその重要性をCP+2019で語っています。
センサー開発における優先事項は? スピード・画素数・ダイナミックレンジ・動画性能?
- あなたが指摘するポイントすべてが、我々の優先事項となる
- すべての面で進化する必要があり、どのように自社センサーをアップグレードさせるのか関係してくる
- 画素数が重要なカメラもあれば、スピードが重要なカメラもあり、カメラコンセプトによって必要な機能や性能に対応すべくセンサーを開発している ※意訳しています
来年開催される東京五輪に向けて準備万端ですか?
- 計画は順調に進んでいる
- オリンピック・イヤー モデルに関する詳細は明らかにできない
- オリンピックには、主要な機能を搭載した信頼性の高いカメラを提供できるよう心掛けている
- 我々は信頼できるカメラを提供する必要があり、それが我々が目指す事である
東京五輪では、デジタル一眼レフ(DSLR)よりもミラーレスになりそうか感じですか?
- 多くの競合他社が、ハイエンドミラーレス機を検討しており、今後さらに多くの製品が登場する事になると思う
- そうは言っても私は、ミラーレス機とデジタル一眼レフの違いにあまり興味はない
- 最も重要な事は、信頼性・操作性・使い易さであり、それらの要因がミラーレス機なのかデジタル一眼レフなのか関係はない
長期的に見てミラーレスがデジタル一眼レフに取って代わると思いますか?
- その傾向はある
- カメラは、(トレンドをおさえて)開発・生産されるものであり、そうなる時が来るかもしれない
- 我々は、トレンドに後れを取る事となくやっていく
キヤノンは、CP+2019でコンパクトカメラのコンセプトモデルを展示していましたが、顧客のやユーザーの反応を見ながら製品化していく方向性の模様。スマートフォンと連携する事は必須であり、レンズ交換式カメラ市場とコンパクトカメラ市場に加えて、新しいジャンル、カジュアルな撮影市場の創出を考えているとのこと。
編集後記では、東京五輪に向けたプロ機の登場と、イメージセンサーと動画性能の改善改良に言及した事に期待を寄せています。