キヤノン「カメラ市場が昔のような状況に戻ることは想定していない」
キヤノンは先日 2021年第2四半期決算発表 (2021年4月~6月) を行いましたが、質疑応答の中でカメラ市場に関する来年以降の中期的な見通しと2021年下期の見通しを語っています。それでは見ていきましょう。
Q : カメラは好調な業績推移が続いているが、市場そのものの方向性をどの様に分析して いるか。来年以降の中期的な見通しを教えて欲しい。
A : EOS R5/R6 が絶好調であるものの、カメラ市場が大きく回復するとは考えていない。従って、当社としては今後販売台数がどんどん増え、昔のような状況に戻ることは想定しておらず、映像を趣味としているハイアマやプロを対象とした高画質のカメラに専念することで、現在の販売水準を維持することを目標としている。※2021年第2四半期 Q&A 要約(PDF)より
来年以降の見通しとして語っているので、コロナの影響が小さくなっても主にスマートフォンの影響で縮小したカメラ市場が大きく回復する事はないと考えている事が伺えます。ここ数年の決算発表で示している通り今後もプロ・ハイアマの岩盤層に向けた製品造りがメインになる模様。
ソニーとパナソニックがVlogカメラ市場を開拓し始めましたが、キヤノンとニコンが追随するのかどうか気になるところ。
Q : 下期はカメラの売上が上期からあまり伸びない様だが、これは半導体の部品不足などの影響ととらえるべきか。
A : 半導体不足の影響がなければもっと売れるはずだが、カメラの販売台数が今後どんどん伸びることは想定しておらず、現在のシェアおよび市場規模を維持することに注力する。※2021年第2四半期 Q&A 要約(PDF)より
こちらは2021年下期見通しに関した質疑応答。やはり半導体不足の影響が大きい模様。今回の決算発表におけるカメラ事業の実績は決して悪くなく販売台数と売り上げの年間見通しを引き上げています。…という事は、出資者はカメラ事業をアキレス腱のように感じているのか、カメラ市場において下期の10月~12月は一番売上が期待できる時期だけに伸び率が足りないと感じているのかもしれません。
他の質問に対する応答ですが、今は供給が制限的だけに需要に十分対応できていないので製品価格は維持している感じですが、コロナの影響が小さくなり生産状況が回復した後に価格競争がある程度起こる可能性があると見ています。