富士フイルム 決算発表 Q1-Q3 イメージングは大幅増収・増益を達成
富士フイルムが、2022年3月期 第3四半期 (2021年10月~12月) 決算発表を行いました。各セグメントのQ1-Q3 (2021年4月~12月) 連結業績を掲載しており、イメージング事業は前年比で大幅増収・増益を達成した事を明らかにしています。
カラー印画紙や放送・シネマ用レンズ等の新型コロナ影響からの着実な回復に加えて、インスタントフォトシステムやデジタルカメラでの新製品投入により、販売が好調に推移し、売上高は、前年比19.0%増の2,602億円、 営業利益は、前年比2.5倍の347億円となりました。
コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステムや、米国リテーラー向けのドライプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。インスタントフォトシス テムは、昨年4月に、ミニフォーマットフィルムに対応した新エントリーモデル「instax mini 40」、10月にワイドフォーマットサイズのスマートフォン用プリンター「instax Link WIDE」、 更に同年12月に最上位機種の「instax mini Evo」と、新製品を発売しました。いずれも市場から 高く評価され、販売が好調に推移しました。
プロフェッショナルイメージング分野では、1億画素で最高画質を実現したラージフォーマットミ ラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100S」や、昨年9月に発売した5千万画素の兄弟機 「FUJIFILM GFX50S II」、更に、11月に発売した「Xシリーズ」最新モデルのミラーレスデジタ ルカメラ「FUJIFILM X-T30 II」がいずれも好評で、デジタルカメラの販売好調が継続しました。 また、新型コロナ影響により需要が減少していた放送・シネマ用レンズの販売が回復基調にあり、 遠望監視やマシンビジョンなど監視計測領域でのレンズ販売も堅調で、前年を大きく上回る売上と なりました。※第3四半期決算説明会資料(ノート付き) より
イメージング全体 売上高/営業利益
- 2020年4月~12月 … 2,186億円 / 141億円
- 2021年4月~12月 … 2,602億円 / 347億円
プロフェッショナルメージング 売上高 ※X/GFXシリーズなど
- 2020年4月~12月 … 743億円
- 2021年4月~12月 … 872億円
コンシューマーイメージング 売上高 ※チェキなど
- 2020年4月~12月 … 1,443億円
- 2021年4月~12月 … 1,730億円
前年比でイメージング全体の売上高が19.0%増、営業利益が2.5倍増と大幅に増収増益となっている事が確認できます。「GFXシリーズ」の好調が継続しているようで、利益率もXシリーズよりも高いのではないでしょうか。「GFX100S」のインパクトは印象に今でも残っています。
「X-T30 II」は個人的にマイナーチェンジの域を出ていない印象でしたが、好調である事が伺えます。
しかも今年は5月に「Xマウント フラッグシップ機」の発表も予定しているので、2022年の富士フイルムは着実に売上を伸ばしさらなるシェア拡大に期待が掛かります。今年でXマウントは10周年を迎えたので2022年は、GFXシリーズよりXシリーズが注目される年になるかもしれません。
やはりイメージング事業は「チェキ」の存在が一番大きく、12月に発売した「instax mini Evo」が好調でデジタルカメラ扱いもされているのでBCNランキングで2021年12月のデジタルカメラ販売ランキングで初の2位を獲得した原動力となっています。※プロフェッションナルイメージング(X/GFX)とコンシューマーイメージング(チェキ)の売上高は約2倍の差があります。
イメージング研究開発費 (2021年4月~12月)
- 2020年4月~12月 … 67億円
- 2021年4月~12月 … 61億円
67億円 → 61億に少し下がりましたが、ほぼ同じぐらいの研究開発費をイメージングに投入している事が分かります。富士フイルム全体の研究開発費は前年度と比べると 1,107億 → 1,119億円 と引き上げています。