富士フイルム年間決算発表 イメージング 対前年 売上+16.9% 営業利益2.4倍 大幅増収増益
富士フイルムが年間決算 (2021年4月~2022年3月) を発表しました。イメージング事業は、対前年比で売上+16.9%、営業利益2.4倍を達成し大幅増収増益になって事を明らかにしています。加えて今年度の通期見通しも一緒に見てみましょう。
年間決算 イメージング業績概要
カラー印画紙や放送・シネマ⽤レンズ等の新型コロナ影響からの着実な回復に加えて、インス タントフォトシステムやデジタルカメラでの新製品投⼊により、販売が好調に推移し、売上⾼は、前年⽐16.9%増の3,334億円、営業利益は、前年⽐2.4倍の370億円となりました。
コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステムや、カラー印画紙、ドラ イプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。インスタントフォトシ ステムは、昨年4⽉に、ミニフォーマットフィルムに対応した新エントリーモデル「instax mini 40」、10⽉にワイドフォーマットサイズのスマートフォン⽤プリンター「instax Link WIDE」、更に12⽉に最上位機種の「instax mini Evo」と、新製品を発売しました。いずれも 市場から⾼く評価され、販売が好調に推移しました。
プロフェッショナルイメージング分野では、1億200万画素の⾼画質を実現したラージフォー マットミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100S」や、昨年9⽉に発売した5千万画素 の兄弟機「FUJIFILM GFX50S II」、更に、11⽉に発売した「Xシリーズ」最新モデルのミ ラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-T30 II」がいずれも好評で、デジタルカメラの販売好 調が継続しました。また、新型コロナ影響により需要が減少していた放送・シネマ⽤レンズの 販売が回復基調にあり、遠望監視やマシンビジョンなど監視計測領域でのレンズ販売も堅調で、 前年を⼤きく上回る売上となりました。※決算説明会資料(ノート付き)より
イメージング 年間決算 (2021年4月~2022年3月)
- イメージング全体 … 売上高 3,334億円 / 営業利益 370億円
- コンシューマーイメージング … 売上高 2,190億円 (対前年+18.8%)
- プロフェッショナルイメージング … 売上高 1,114億円 (対前年+13.4%)
イメージング全体で3,334億円を売り上げ、営業利益は370億円に達した事を明らかに。これは対前年比で " 売上高 +16.9% / 営業利益 2.4倍 " となり大幅増収増益としています。
「コンシューマーイメージング」分野はチェキやカラー印画紙など含む事業ですが、コロナの回復基調と新製品効果でかなり好調だった事が伺えます。いつものように「コンシューマーイメージング」は「プロフェッショナルイメージング」の2倍近い売り上げを実現しており、チェキがインスタントカメラ市場でほぼ独占状態、しかも精力的に新製品を投入し続けているのでイメージングの屋台骨的な印象です。
「プロフェッショナルイメージング」分野はXシリーズやGFXシリーズを含み、こちらも好調だった事が伺えます「GFX100S」「GFX50SII」「X-T30II」の売上が伸びた事と放送・シネマ用レンズの販売も回復基調である事が増収増益の要因となっている事が伺えます。
イメージング 通期見通し (2022年4月~2023年3月)
イメージングは、インスタントフォトシステムとデジタルカメラの需要は引き続き旺盛も、中国のロックダウンによる影響等を⾒て、前年同等の売上・利益を計画します。※決算説明会資料(ノート付き)より
- 売上高 … 3,400億円
- 営業利益 … 370億円
ソニーもそうでしたが、中国のロックダウンの状況を織り込んだ通期見通しな印象。それでも今年度の通期見通しは前年同等の売上・利益を見込んでおり、需要が持続する模様。あくまでも現時点における見通しであり、コロナ・景気/為替・地政学的リスクの影響で左右されると思うので四半期ごとの通期見通しに注目したいところ。
イメージング研究開発費 ※通期
- 2021年3月期 (2020年4月~2021年3月) … 87億円
- 2022年3月期 (2021年4月~2022年3月) … 85億円
イメージング事業におけるこの2年間の研究開発費は安定している事が確認できます。今年はXシリーズ10周年を迎え、5世代目の次世代Xカメラが登場してくるので、どのくらいカメラ市場を刺激してくれるのか注目です。