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ニコンQ3決算発表 映像事業 Z50が好調も一眼レフが振るわず通期見通しは据え置き

ニコンが、2020年3月期 第3四半期決算発表を行いました。前回のQ2決算発表は経済系メディアに大きく取り上げられ話題となりましたが、今回のQ3はZ50効果もありミラーレスの売上・販売台数を伸ばすもデジタル一眼レフが振るわず通期見通しは据え置きで、売上収益 前年比611億円減収、営業利益 前年比320億円減収となっています。

映像事業 Q3決算

ニコン 映像事業 Q3 決算

Q3前年⽐︓販売台数減、レンズ交換式カメラの製品ミックス変化による平均単価低下、新製品の初期費負担増加 等が重なった為、⼤幅に減収減益。ミラーレスカメラは昨年11⽉に発売した「Z50」の効果もあり、売上・販売台数ともに増加。構造改⾰は計画通り進捗、販売拠点や⽣産拠点の最適化に関連した費⽤を8億円計上。

まずは映像事業 Q3決算で、デジタル一眼レフとミラーレスを合わせたデータとなっており、ここではミラーレス機の売上と販売台数が増加した事を明らかにしていますが、デジタル一眼レフの売上が落ちた事には触れず、製品ミックスの変化による平均単価低下という表現を使っている事が確認できます。

映像事業 Q1~Q4通期見通し

ニコン決算 通期見通し

こちらはQ1~Q4通期見通しで、Q4もカメラ市場が縮小すると予想し販売台数は据え置きで、ここで一眼レフカメラとコンパクトカメラの減収影響が大きい事を明らかにしています。前回の決算で構造改革を行う事を表明し今回関連費用で50億円を計上するとのこと。

  • 売上収益 : 前年比 611億円減収
  • 営業利益 : 前年比 320億円減収

売上収益と営業利益は据え置きとなっていますが、今後もミラーレスラインアップ拡充に向けた投資が続き、販売経費・研究開発費の削減も限界にきている事が伺えます。ニコンは年末年始のキャッシュバックキャンペーンからそれほど間を置かず春のキャッシュバックキャンペーン「春のイベントはZと共に! Z & レンズ スピードライトキャッシュバックキャンペーン」を本日から実施し、こういう販促経費も負担になってくるかもしれません。

研究開発費 通期見通し

研究開発費

研究開発費等の削減という文言があったので、研究開発投資の通期見通しを見てみると映像事業は、240億円 → 220億円に削減されている事が確認できます。

カメラ&レンズ 販売台数

デジタルカメラ販売台数

レンズ交換式カメラ

  • Q1 45万台
  • Q2 35万台
  • Q3 58万台

交換レンズ

  • Q1 74万本
  • Q2 57万本
  • Q3 95万本

レンズ交換式カメラは四半期単位で見ると50万台を超えれば御の字で、交換レンズは四半期単位で100万本を超える事が難しくなってきている事が伺えます。

ニコンは今年「D780」を発表し、「D6」正式発表間近であり、発売延期した「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の発売が待たれます。まだミラーレス関連の新たな動きがないので、CP+2020 (2月27日~3月1日)に向けて大きな動きがある事に期待。ちなみに今年のニコンブース面積は復活しています。