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ニコン「Zfc」vs 富士フイルム「X-T4 / X-Pro3 / X-E4」製品画像で仕上がり比較

前回ニコン「Df」と「Z fc」比較画像記事を掲載しましたが、今回は富士フイルムのXシリーズ「X-T4」「X-Pro3」「X-E4」と前面・上面・背面画像を比べてみようと思います。

Z fc vs X-T4

Nikon zfc
  • Z fc … 134.5×93.5×43.5mm / 445g (バッテリー・メモリーカード含む)
  • X-T4 … 134.6x92.8x63.8mm / 607g (バッテリー・メモリーカード含む)

まず最初にXシリーズ最上位機種の1つである「X-T4」と比較。奥行きは「X-T4」の方が約2cmくらい厚いですが、幅と高さに関しては近いサイズ感である事が分かります。

「Z fc」と「X-T4」は立ち位置が異なり「X-T4」は20万円を超える価格の機種で、4代目となる機種だけにクラシックな仕上がりの精度を高めてきている印象です。「Z fc」はまだ実物を見ていないので結論付ける事は時期尚早なのも確か。

両機種ともにバリアングル式モニタを採用していますが、仕上げに少し差があるのです。モニタを閉じた状態の時に「X-T4」の方は、下部のシルバーボディのラインが端から端まで綺麗に伸びているのに対して「Z fc」の方はモニタが下部まで目一杯掛かっている感じの仕上げになっています。この違いは、結構デザインの印象が変わる気がします。

上面のダイヤルは両機種ともに同じ位置に露出補正ダイヤル、シャッタースピードダイヤル、ISO感度ダイヤルを配置。「X-T4」は「Z fc」のようなサブモニタを上面に配置しておらず、奥行きもありボタンやダイヤルの配置にゆとりがあるように感じます。

背面を比べてみると、富士フイルムはここ最近ボタン・ダイヤル類を必要最低限にする傾向があり、違いを感じるのではないでしょうか。「X-T4」は、ジョイスティックとAF-ONボタンを採用しており、この辺は両機種の立ち位置の差を感じます。「X-T4」は大きくはないですがグリップとサムレストを採用しており、この辺は使用感に差が出てきそうな予感。※「Z fc」はそれをサポートするために、別売りのエクステンショングリップ「Z fc-GR1」を用意

Z fc vs X-Pro3

Nikon Zfc
  • Z fc … 134.5×93.5×43.5mm / 445g (バッテリー・メモリーカード含む)
  • X-Pro3 … 140.5x82.8x46.1mm / 497g (バッテリー・メモリーカード含む)

次は「X100」と並んで富士フイルムのXシリーズの源流の1つと言って良い「X-Pro3」と比較。「Z fc」はフィルム一眼レフ「Nikon FM2」にインスパイアされたデザインを採用しているので、両機を並べるとクラシック感が漂います。

「X-Pro3」はさらにボタン・ダイヤル類が簡素化されており、しかも背面モニタは隠しモニタというか、基本的に撮影自体はファインダーで行い、確認は背面モニタで行うコンセプトを提案しており、この辺は人を選ぶコンセプトのカメラ。「Z fc」はエントリー~ミドルクラスなポジションで、製品ページやプロモーションを見る限り女性をメインターゲットにしているので、シンプルなバリアングル式モニタを採用し、静止画・動画・Vlog・セルフィ・Webカメラ用途など汎用性の高いモデルに仕上げています。

レトロスタイルのミラーレス機は、コンセプト色が強いと刺さる人には刺さるのですが、価値観が違うと取っつき難い機種になり、汎用性を高くすると外観だけクラシックな感じになってしまうので難しいジャンルかもしれません。富士フイルムは、Xシリーズラインアップ全体でフォローしていますが、ニコンは今のところ「Z fc」のみで対応していく必要があるので汎用性とアナログ感覚の融合を狙ったのではないでしょうか。

海外でも女性をメインターゲットにしたプロモーション動画が多いものの、欧州ニコンはフィルム時代から受け継ぐニコンDNAが「Z fc」に引き継いでる事を感じさせる動画も公開しており、昔からのニコンユーザーも忘れていません。

Z fc vs X-E4

Nikon Z fc
  • Z fc … 134.5×93.5×43.5mm / 445g (バッテリー・メモリーカード含む)
  • X-E4 … 121.3x72.9x32.7mm / 364g (バッテリー・メモリーカード含む)

今のところ「Z fc」ボディの売り出し価格は約13万円と言われており、「X-E4」はフジフイルムモールで約10万円で販売されています。3万円くらいの価格差はありますが、ラインアップ的な立ち位置は同じぐらいな印象。

「X-E4」は「X-Pro3」以上にボタン・ダイヤル類は簡略化されており、露出ダイヤルを採用し、Xレンズ群をアップデートし全てのレンズ絞りリングを採用した事から前面・背面のコマンドダイヤルも省略しています。

それに対して「Z fc」は、前面・背面上部にコマンドダイヤルを採用しているので、一般的なミラーレス機的な使い方も出来るカメラに仕上がっており、幅広いユーザー層を想定しているレトロスタイル Z DX機かもしれません。

あとは気になる所は、圧倒的にZ DXレンズが少ない事。「Z 50」「Z fc」ユーザーが、2本目・3本目のレンズ購入してくれるのかどうか、今後のZ DXレンズラインアップの展開が違ってくるかもしれません。システムカメラは、マウント規格でユーザーを囲い込んだレンズ・ビジネス的な側面があります。

雑談

今回「Z fc」と「X-T4 / X-Pro3 / X-E4」と比べてみましたが、やはりXシリーズのコンセプトはストリクト(妥協を許さない)というか濃いな~と。「Z fc」は、OMデジタルの「オリンパス PEN-F / PEN E-P7」と比べた方が良いかもしれないと感じました。あくまでも個人的な印象なので、違う意見もあると思います。そういう時はご自身の考え方を優先してください。