ホーム > カメラニュース 2021 > OMデジタル「フルサイズはやらない。MFTで行く。」ときっぱり断言

OMデジタル「フルサイズはやらない。MFTで行く。」ときっぱり断言

OMデジタルが、4月3日のフォーサーズの日に向けてパナソニックと共にYouTubeで特別ライブ配信を行いました。こちらではOMデジタル関連の興味深かったポイントをピックアップしてみました。

今回はOMデジタルとパナソニックで分けてみました。聞き手は写真家 赤城耕一氏、 パナソニック 商品企画部 津村敏行氏、OMデジタルソリューションズ 商品戦略 城田英二氏が出演しています。

明日はフォーサーズの日ですが、何か新製品発表はありますか?

赤城氏 : ライブ配信の準備中に配信されTwitterではサプライズ発表があるのではないか?と凄い事になっているが、城田さん 発表はありますか?

城田氏 : 私も聞いていないんですよね(苦笑い)…

赤城氏 : あの~(みなさん)聞いてないそうです(笑)。

城田氏 : これで発表されたら本当のサプライズになります。

先週からOMデジタルは、今回のライブ配信をはじめクイズラリーなど意味深なツイートから告知を始めていましたからユーザーの期待が高まりますが、どうやら新製品発表はなそうな感じです。ライブ配信に向けてテーブルに置いてあるカメラ&レンズ群をセットしている準備中のところを配信されていました。個人的にてっきりテスト配信していると思っていたのですが、単に間違えて配信してしまった模様です。

 

F1.2レンズは昔から存在し目新しくはない。純正レンズでF0.8とかF0.95などのレンズは何故ないのか? 世界初を謳わないとダメではないのか? マイクロフォーサーズレンズは、フルサイズと比べてレンズはすべて2段分明るくないとダメではないのか?

城田氏 : 必要かどうかと言われるとラインアップ的に魅力ではあると思います。ただF1.2シリーズを設計する時にF1.0も設計してみるのですが、AFで対応しようとすると…。

赤城氏 : そんなの対応する必要はないでしょ。だいたいF1.0を無限遠で撮らないんだから。あっ…星を撮る人がいるか…そういう人がうるさいんですよね。

城田氏 : (苦笑い)

赤城氏 : このレンズは星用にして、このレンズは人物用にしたら2本売れるじゃないですか。目的に応じたレンズがあってもこれかはおかしくない。

城田氏 : そういう案(F0.8やF0.95などのレンズ)も当然も当然話したりするが、すでに出ててスペックとして目新しくないと言われる。赤城先生が、どんなに大きなレンズになっても買ってくださると言ってくれれば(笑)。

赤城氏 : いや…ちょっと待って(笑)…大きくなれば性能は高くなるが、そうじゃなくて小さくしてさらに既存のレンズより良いレンズを造る、これがマイクロフォーサーズ規格の享受。

城田氏 : 私も開発者に同じ事を言うのだが、「お前ちょっと頭おかしいのか?」と…当然ながら小さいモノを造るのは目指すべき道であるのは分かっているが、ただ出来る事と出来ない事があるという話になる。(開発者に)データを見せながら言われる。

 

これからの一杯やる事はあると思うが、なかなか(新製品)が出てこない なぜ?

城田氏 : そこは、しっかり力を溜めながら…お待ちいただいているが、なるほどね!(という製品を)

赤城氏 : どれぐらい待てばいいのですか?

城田氏 : それはちょっと言えないですけれども…はい (苦笑) ただ確実に待ってて良かったと言ってもらえるモノを。

赤城氏 : マイクロフォーサーズを使って良かったと思えるレンズが出てくる? カメラが出てくる?

城田氏 : はい。

赤城氏 : カメラもなかなか新製品が出てこないが、大丈夫なんですか?

城田氏 : しっかり開発しております。そこは期待していただけたらと思います。

 

「PEN-F」をなぜ止めてしまったのか? 売れなかった?

城田氏 : 「PEN-F」は、気に入ってくださった方は本当に気に入ってくれている。同じモノで良いと何台も買われた方もいる。だた全体の受けとしては、我々が望んだところまでは行かなかった。我々の訴求や考え方が、甘かったところもある。

赤城氏 : 「PEN-F」は中古市場でも値段が高いまま。カメラメーカーは、「PEN-F」が現役の時に買ってくれと思うが、なぜか趣味性に特化したモノは、なかなか数が出ない。そこをどうやって打ち破っていくのかが課題。

城田氏 : そうですね。今後どんどん性能が上がってくると、(どのカメラも)似たようなスペックになってくる可能性があるので、そういう時に機能を削いだ「PEN-F」のような趣味性の高いモノを出したいと思っている。その一方で売っていかなければいけないので、しっかりした基盤を築かなければならない。

赤城氏 : 期待して良いんですか? 基盤はいつぐらいに築けるのですか?

城田氏 : 基盤は、今一生懸命築いているので…はい(笑い)。必死に築いています。

一般的にOMデジタルとして収益体制の構築の事を指していると思いますが、個人的に " 築く = 開発中 " と解釈したのですが、みなさんはどうでしょうか。「PEN-F」は製品画像よりも実物の仕上がりが良くて驚いた事を覚えています。富士フィルムが、「X100」や「X-Pro」で固定客を掴んでいるので「PEN-F」も可能性はあると思うのですが、コンセプトと売り方が重要になってきそうなやり取りでした。

 

レンズは何で良いんですか? 一眼レフと違って設計的に余裕があるのですか?

城田氏 : そうですね。ミラーレスの方が余裕がありますね。マウント径を大きく取ってあるので、しっかりと光線を捉える事ができるところがあり、あとは(サイズを)小さくしながら高画質と相反するところを両立している。そういうところをいかに実現するかをテーマに取り組んでいるので、そこは自信を持って提供できていると思う。

赤城氏 : 実際に使ってみないと分からない所があるじゃないですか。センサーが小さいからダメだと悪口を言う人もいる。実際に撮ってみると素晴らしく良く、まったく何も問題はない。ずっと実感としてはある。

 

OMは、フルサイズはいらないんですか?

城田氏 : 我々は、マイクロフォーサーズとしての道を突き進む。他はやらない。

赤城氏 : 断言してますね…パナソニックさんどうしましょう?

津村氏 : あの…それぞれで頑張っていこうという覚悟です(笑)

個人的にOMデジタルの " Lマウント・アライアンス " の参加を期待しているのですが、きっぱりフルサイズはやらないと断言…w 「パナソニックさんどうしましょう?」と赤城氏に振られたパナソニック 津村氏の戸惑いが興味深ったです。

 

高感度の方は、もう少し良くならないのですか?

城田氏 : もちろん研究しています。

赤城氏 : 今年の秋ぐらいには、ISO50,000ぐらいで撮っても大丈夫?

城田氏 : そうなったら素敵ですね(笑)。もちろん非常に多くの声をいただいており、認知しており、開発を進めている。

 

OMデジタルとパナソニックとコラボした「PEN-F」と「GX7」のいいとこ取りしたカメラを出して欲しい ※視聴者からのコメント

赤城氏 : 良いですね~

城田氏 : 面白いですね~

赤城氏 : 開発費も分ければ良いじゃないですか。LX100M2のオリンパス・ブランド版が欲しい。ダメ?

城田氏 : ダメじゃないですよ(笑)。

津村氏 : 「LX」は評判が良いので是非(笑)。

パナソニックとライカで中身が同じ姉妹機が存在しますが、OMデジタルとパナソニックの間でレンズ一体型のマイクロフォーサーズ機で姉妹機があっても面白いかもしれません。今年のマイクロフォーサーズ陣営は、期待できそうに感じるライブ配信でした。