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パナソニック「8K LUMIXはすぐに登場する事はない」「我々は生き残る」「新メンバー?」

dpreviewが、1月初旬に開催したCES2020で行ったパナソニック アライアンス 山根洋介氏 インタビュー記事を掲載しました。Lマウントそしてマイクロフォーサーズの現状と今後の方向性を語った内容となっています。

ボリュームのあるインタビュー記事で個人的に興味深かったポイントを構成し直してピックアップしてみました。

8K LUMIXカメラは、すぐに登場する事はない
パナソニックは東京五輪2020に向けて有機センサー搭載 8K カムコーダーを投入しましたが、8K LUMIXカメラの動向が気になるところ。現時点における計画は東京五輪2020に向けた8Kカメラのみで、8K市場自体の動きは少し遅いと見ている模様。しかし8Kのビジネスチャンスを逃すことなく、8Kカメラを追求していくとコメントしています。

8K LUMIXカメラの質問に対して「まもなく8Kの準備が整うが、投入時期はコメントできない。」「8Kカメラを導入するには少し時間が必要で、すぐに登場する事はない」と語っているので、1月初旬に行われたインタビューである事を考えると、少なくとも2020年上期に登場する事はない印象。

パナソニックは去年のインタビュー動画で「東京五輪2020以降にLUMIXにも有機センサーが実装される事になる」と語っているので、8K+有機センサーが1セットになっている可能性があるのかな?と個人的に思ってしまいます。

 

「S1 / S1R」は、3000ドル/ユーロの価格帯の市場で10%のシェアを獲得
パナソニックはLマウントフルサイズミラーレス機「S1」「S1R」をまず最初に投入しましたが、3000ドル/ユーロの価格帯の市場で10%のシェア獲得し、それはパナソニックの見込み通りの結果である事を明らかに。ハイエンド層を対象した機種で、その市場に浸透する事が出来た事に満足しているともコメントしています。

 

「S1」「S1R」「S1H」のニーズの違い

  • S1 … 静止画と動画双方のユーザーがターゲット ハイブリッド・フォトグラファー
  • S1R … ハイエンドの静止画フォトグラファー
  • S1H … ビデオグラファーとシネマトグラファー

「S1」は別売アップグレードソフトウェアキー「DMW-SFU2」を適用する事で動画機能を強化可能ですが、「S1」購入者の20~30%がアップグレートしているそうです。あとパナソニックの狙い通りこの3機種は、それぞれのニーズを満たしている事が分かるインタビューとなっています。あと動画機能に関しては競合他社よりも1歩2歩先を行っているとコメント。やはり動画機能に関してはエントリークラスというより、プロからハイエンド(マニア)レベルのビデオグラファーを対象にしている模様。売上的には「S1」が「S1R」を上回っているとのこと。

 

フルサイズとマイクロフォーサーズ 両方開発し続ける
マイクロフォーサーズの利点の1つに " 被写界深度 " の深さを挙げ、これは動画撮影も向いており静止画・動画ユーザー双方をサポートしてきたいとコメント。フルサイズに関しては、被写界深度が浅く様々シーンに対応できるので、それぞれニーズが異なり我々は両マウントを満足させると語っているので、個人的な推測になってしまいますが今後よりコンセプト色が強くなっていくかもしれません。

山根氏によると米国フルサイズ市場が急速に拡大している模様。しかしフルサイズ用レンズも大きくなるので、サイズ的にもフルサイズとマイクロフォーサーズは共存可能であると考えています。他メーカーの光学性能をある程度犠牲にして小型化に振ったフルサイズ用レンズを例に挙げ、これはフルサイズセンサーの性能(利益)を十分に引き出す事は出来ないとコメント。やはりパナソニックは、小型なシステムであるマイクロフォーサーズ・システムを展開しているだけに、フルサイズ用レンズは光学性能優先である事が伺えるコメントも確認できます。

 

APS-Cセンサー搭載カメラの投入の計画なし
フルサイズセンサーとマイクロフォーサーズセンサーの中間サイズの " APS-Cセンサー " を搭載カメラは、カニバリゼーション(共食い)してしまう為、今のところAPS-C市場に参入する計画は無いとのこと。

 

ミドルクラスのフルサイズミラーレス機を計画中
パナソニックはフルサイズミラーレス市場参入時、ハイエンドユーザーにアピールすべく一連のハイエンドカメラを投入しましたが、今後ミドルクラスのカメラも投入する計画がある事を明らかに。willではなくbe going to表記なので、すでに予定を立てている模様。あと様々なクラス(レンジ)のカメラ群とコメントしているので、将来的にラインアップが拡充されそうな感じです。

 

エントリークラス開発を検討中 サイズ・質量・価格
Lマウントカメラ自体にエントリー機が存在しないと言って良いと思いますが、今後パナソニックが幅広い市場の浸透を図るには新製品開発が必要で検討している事を語り、その障壁として " サイズ・質量・価格 " の3つを挙げています。

 

Lマウントアライアンスは生き残る 将来的に新メンバー加入の可能性あり
市場が困難な状況で一部のメーカーが生き残る事は困難であるが、Lマウントアライナンス (ライカ・シグマ・パナソニック)はチームであり協力関係であり続ける限り我々は生き残れる事ができると考えていると語っています。あくまでも仮定の話と前置きしながらも、将来的にLマウントアライアンスに新たなメーカーが参加する可能性がある事もほのめかしています。あと現在Lマウントアライアンスは、カメラ・レンズの通信プロトコルの変更について話し合っている模様。

編集後記でdpreviewは、どのメーカーがLマウントに参入する可能性があるのか思考していて、ソニー・キヤノン・ニコンはすでにフルサイズミラーレスを展開済みでこの3社で大きなシェアを獲得し、オリンパスはマイクロフォーサーズで行く事を明言、残るは富士フイルムとリコーになるが、富士フイルムの場合 XF/GFシステムに続き互換性のない3つ目のマウントとなり共食いしてまう可能性を挙げ疑問視、しかしリコーは? これは誰も分からない事であると掲載。

Lマウントアライアンスは、CP+2020で「Lマウントの総括と今後の展開」を語る事になっていたので、どのタイミングで今後の方向性を示すのか注目です。