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ソニーとNHKの三層構造有機センサーを振り返る

先日シグマが、Foveon X3 1:1:1 テクノロジー 2000万画素x3層仕様のイメージセンサー開発プロジェクトを白紙に戻し現在研究開発(基礎研究)の段階である事を発表しかなり話題となっています。以前ソニーとNHKも三層構造センサーでしかも有機膜を積層化した技術発表を行っており振り返ってみようかと。

NHK 有機膜を積層した3層カラー撮像素子を開発

NHK

去年ライフでもピックアップしましたが、NHKが2020年6月に「有機膜を積層した3層カラー撮像素子を開発」を発表。赤色の光を検出するCMOSセンサーの上に緑色と青色の光を検出する有機膜を垂直方向に重ねた3層構造のカラー撮像素子となっています。

今後も、撮像素子の画素微細化や多画素化などに取り組み、高精細な小型単板カラーカメラの早期実現に向けて研究開発を加速していきます。

上記のように掲載しており、単なる技術発表ではなく実現化に向けて研究開発を進めている事が伺え、別の記事では撮像デバイス画像も掲載。撮像デバイスの画素数は横320×縦240画素、画素ピッチは20μm、フレーム周波数は60Hz (60fps) となっています。

ソニー 有機材料 光電変換膜 3層分光型イメージセンサー

3層構造
ソニー

2019年12月に開催された半導体技術の国際会議「IEDM 2019」でソニーが発表したイメージセンサーの内の1つで話題になり記憶に残っている方は多いのではないでしょうか。赤色・青色・緑色の3層分光型で、700万画素、画素ピッチは2µm、フレーム周波数は60Hz (60fps) となっています。

日経クロステックは、当時 " 用途や目的、製品化の予定、実現技術の詳細などを一切明かさない謎多き新型イメージセンサー " と紹介。仕様を見る限りモバイル向けと推測しています。海外では、Image Sensors Worldが伝え話題になりました。

それ以降大きな動きはなく、今後の商品化されるのか、民生カメラ用のイメージセンサーの優先順位は低く、APS/フルサイズセンサーなどの大型センサーまでたどり着くのか注目です。ソニーが学会などで発表した技術は簡単な説明付き(英語)で公式サイトでデータベース化され掲載されています。

パナソニックの話も少しだけ

話は変わりますが、パナソニックの8K有機センサーも民生カメラに採用される可能性があるのかどうか気になるところ。プレスリリースには、今後これらの有機CMOSイメージセンサ技術を、業務放送用カメラ、監視用カメラ、産業検査用カメラ、車載用カメラなど幅広い用途に提案し、高解像度・高速・高精度なイメージング、センシング機能の実現に貢献していくと掲載しています。