シグマ Foveonフルサイズセンサー開発白紙 研究開発からやり直し ボディ開発はその先
シグマが、Foveonフルサイズセンサー開発プロジェクトが白紙に戻った事を発表しました。現在シグマ主導の研究開発を進めている段階で、まだボディの開発には至っていない状況とのこと。
いつもSIGMA製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
当社は2020年2月に、「フルサイズFoveonセンサー搭載カメラ」の製品化計画をリセットし、センサー開発段階に立ち戻って仕切りなおす旨のアナウンスを致しました。その後、開発の進捗をお知らせできないままでしたので、現時点の状況を報告させていただければと存じます。
前回発表の通り、それまで弊社が取り組んでいたセンサーは、その致命的な欠陥により量産化を断念せざるを得なかったことから開発プロジェクトを中止しており、これにともなって協業先であるセンサー製造会社との契約も解消しております。また従前の仕様のままでは現在のお客様のご期待に応えうる価値は提供できないことから、同仕様でのセンサー開発そのものを白紙に戻すことと致しました。
現在は、お待ちくださっている皆さまのご期待に応えられるよう仕様から再検討し、本社主導で研究開発を進めている段階であり、まだカメラボディの開発には至っておりませんが、当社としては、お客様にとって真に価値あるカメラを自信を持ってお届けできるよう、最大限の努力を続けて参る所存です。
改めまして、いつも変わらずSIGMAをご支援くださる皆様に感謝を申し上げます。
私を含め社員一同、引き続き技術開発に邁進して参りますので、何卒ご理解をいただけますようお願い申し上げます。※プレスリリースより
多くの方がシグマの「Foveonフルサイズミラーレス機」に注目しており、CP+2012に向けて何かしら動きを期待していた事と思います。先日のペンタックス K-3 Mark III 発売時期延期に引き続き大変残念な告知となっています。
Foveon フルサイズミラーレス機 時系列
- 2018年9月 … フォトキナでFoveonフルサイズミラーレス機を開発発表
- 2020年2月 … Foveonフルサイズミラーレス機の開発を仕切り直し
- 2021年2月 … 同仕様でのセンサー開発そのものを白紙 現在研究開中
シグマはフォトキナ2018でLマウントの「Foveonフルサイズミラーレス機」の開発発表を行ったものの、2020年2月にシグマが独自開催したイベント " fpフェス 2020春 " に連動してFoveonフルサイズセンサー量産化の見通しが立たず2020年中の発売を断念し、製品計画を一旦リセットしセンサー技術の開発まで立ち返ってプロジェクトを仕切り直す事を発表。
同仕様でのセンサー開発そのものを白紙に戻す事を決定
そして今回の発表になるのですが、センサーの仕様自体からイチからやり直し、現在研究開発中でボディ自体の開発に至っていない事から、この先「Foveonフルサイズセンサー」を仕上げボディを開発し登場するにしても数年掛かりそうな予感。すでに新たなセンサー製造工場と話が進んでいるのかどうか気になります。
山木社長は上記の動画で…
- 当時まで造っていた設計および金型・ 治工具類はすべて廃棄
- リセットにはセンサー仕様も含まれている
- Foveon X3 1:1:1 テクノロジー 2000万画素x3層で開発していたが、この仕様はすでに見直されている
…と完全に開発が白紙に戻った事を語っています。現在センサーの基礎研究段階である事を明らかにしながらも、顧客の期待に応えられる仕様を検討しており、ボディの開発はまだ始まっていないがシグマとして最大限の努力を継続し満足してもられるカメラを開発する予定である事を自ら語っています。
ここまで言及すると言う事は " Foveon X3 1:1:1 テクノロジー 2000万画素x3層 " 仕様の可能性はかなり低くなってきた印象です。一番悔しい思いをしているのは、山木社長をはじめ開発陣ではないでしょうか。
fp L の存在
先日「fp L」という未発表カメラが海外認証機関に登録され話題になりましたが、今回のFoveonフルサイズミラーレス機 開発白紙の影響があるのかな~と思う事も。今回の発表により「fp L」はFoveonセンサーを搭載しておらず、「fp」と同じ様にベイヤー・センサーを搭載している可能性は高いのではないでしょうか。
「fp」は小型軽量で動画志向のLマウントフルサイズミラーレス機ですから、Foveonフルサイズミラーレス機の穴を埋めるという意味ではないですが違うコンセプトの「fp L」になるのかもしれません。今のところ「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」が発表間近な展開だけにシグマのCP+2021オンラインに向けた新製品の動きにも注目です。