タムロン決算発表 写真事業は大幅な増収増益 前日はレンズ2本を開発発表
タムロンが、2021年12月期 第2四半期決算 (2021年4月~6月) 発表を行いました。決算短信を見ると連結決算 (2021年1月~6月) ベースとなっていて、今年に入り写真関連事業は交換レンズ市場の回復に伴いミラーレス用レンズは大幅増収、落ち込みが続いていた一眼レフ用レンズも増収に転じ、その結果大幅増収増益となり営業利益率は高水準の20.7%となった事を明らかに。
タムロン全体 連結業績 (2021年1月~6月)
- 売上高 … 278億円8,800万円 (前年同期比 33.5%増)
- 営業利益 … 36億円5,800万円 (前年同期比 341.5%増)
まずはタムロン全体の上半期の実績から。去年の1月~6月はコロナの影響が大きく業績はだだ下がりだったので、当たり前の話ですが前年同期比でかなり回復している事が確認できます。売上高は 208億円 → 278億円 に増収、営業利益は 8億 → 36億円 に大幅増益。
タムロン写真関連 連結業績 (2021年1月~6月)
- 売上高 … 198億4,700万円 (前年同期比 46.5%増)
- 営業利益 … 40億9,800万円 (前年同期比 143.0%増)
- 営業利益率 … 20.7%
前年同期比で大幅増収増益だった事が分かります。やはり交換レンズ市場の回復を最初に挙げており、2018年から投入を開始したミラーレス用レンズをコンスタントに市場投入し続けた事が大幅な増収増益に繋がった事も掲載。加えて落ち込んでいた一眼レフ用レンズも増収に転じたとのこと。OEMレンズも市場が回復し新機種の受注などにより販売量が増加し前年同期比で約6割の増収となったそうです。
タムロンは決算発表の前日に以下のソニー Eマウント フルサイズ対応 交換レンズの開発発表を行っているので、こちらの2本のレンズも見ていきましょう。
35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)
ソニー Eマウント フルサイズ対応 ポートレートズームレンズ「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)」を開発発表。ポートレートレンズと言えば単焦点レンズ85mmF1.4が定番ですが、35-150mmという焦点距離は背景を構図に入れたショットからバストショットまでカバーしたポートレートズームレンズとなっています。しかもワイド端がF2スタートのズームレンズ。
リニアモーターフォーカス機構VXDを採用し高速・高精度AFを実現。ワイド端の最短撮影距離は33cmとのこと。あとタムロンの独自ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」でカスタマイズが可能となっています。カスタムスイッチのカスタマイズ、フォーカスリングの回転方向、ファームウェアアップデートなど。
2021年内の発売目指し開発中。現時点で希望小売価格は未定。
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)
大ヒットを記録したEマウント フルサイズ対応 大三元レンズの2世代目となる「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)」を開発発表。今でも現行「28-75mm F/2.8 Di III RXD」は評価も人気も高いレンズですが、2世代目となる「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)」を開発中とのこと。※現行「28-75mm F/2.8 RXD」は2018年5月発売
しかもマイナーチェンジではなく光学設計をゼロから見直し刷新しているそうで期待が高まります。レンズのサイズ感は維持しているとのこと。新デザインを採用する事により操作性や質感も向上している模様。こちらのレンズもタムロンの独自ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」に対応。
- 28-75mm F/2.8 RXD… 撮影最短距離19cm、撮影最大倍率1:2.9 、RXD
- 28-75mm F/2.8 VXD G2 … 撮影最短距離18cm、撮影最大倍率1:2.7、VXD
ワイド端の撮影最短距離と撮影最大倍率が異なり第2世代「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)」はさらに1cm短い18cmを実現。しかもAF駆動モーターは、ステッピングモーターユニットRXD から リニアモーターフォーカスユニット VXD に変更し大口径ながら高速・高精度なAFを実現しているとプレスリリースに掲載。
2021年内の発売目指し開発中。現時点で希望小売価格は未定となっています。タムロンは先日 Eマウント / Xマウント APS-C対応レンズ「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」の開発発表も行っており、2021年後半 少なくとも3本の新レンズを計画している事に。楽しみです。