ホーム > カメラニュース 2021 > 2021年デジタルカメラ世界出荷台数が、2020年を下回るかもしれない話

2021年デジタルカメラ世界出荷台数が、2020年を下回るかもしれない話

デジカメライフでは月別のCIPAデータや量販店のベスト10などあまり取り上げないのですが、CIPAのデジタルカメラ世界出荷量統計を見てみたらコロナの影響を大きく受けた去年よりも出荷量が下がるかもしれない状況だったのでピックアップしてみました。

デジタルカメラ出荷量

デジタルカメラ世界出荷台数

  • 2020年 1月~12月 … 8,886,292台
  • 2021年 1月~10月 … 6,942,481台

今年の統計はまだ10月までしか出ていませんが、2020年と同等の年間出荷台数になるには11月~12月で " 1,943,811台 (約195万台) " を出荷しないと到達しません。上記のグラフを見て分かる通り今年の月別出荷量はほぼ横這いで少しずつ下がりつつありチップ不足の影響が大きそうな印象。チャートを見るとボディブローのようにじわじわ効いているように感じます。今年は月100万台を出荷できた月はないので去年を上回る事は難しいそうな予感。

ちなみにキヤノンが10月の決算発表で世界的な部品不足で世界市場販売台数は " 590万台 " になると見通しを立てていたので市場では織り込み済みなのかもしれません。※キヤノン自体の販売台数は295万台を見込んでいます。

ここ最近のソニーの注文停止や生産終了の告知を見て分かる通り、11月~12月の出荷量が一気に上昇する事は考え難く、カメラ市場自体縮小しつつありますがコロナの影響を大きく受けた去年よりも出荷台数が減るとは思っていませんでした。この2年間はコロナの影響を受けているので2019年のチャートと比較してみると独自の動きをしている事が分かります。

10月分の最新データ(PDF)には1月~10月の生産/総出荷の台数・金額累計が掲載されており、総出荷台数とその金額をピックアップしてみると…

累計
  • 総出荷台数 : 6,942,481台 / 前年同期比 99.2%
  • 金額 : 394,498,047,000円 / 前年同期比 123.2%

3~7月までは今年の方が好調で前年同期比で見る1~10月の総出荷台数に大きな差はありませんが、カメラ市場は台数ベースから利益ベースに移行しつつあるので金額が去年のよりも約20%上昇している事が伺えます。去年は9~12月ぐらいに一気に経済が活発化し大きく出荷台数が復活しただけに、それに追い付くには今年は11月~12月で挽回しないと…しかしチップ不足にオミクロン株や海外インフレ動向もあり11月~12月の出荷台数が気になるところ。

CIPAは、2022年1月5日に11月分の統計を公表予定で、CP+2022 (会場 2月24日~27日 / オンライン 2月22日~28日) のカンファレンスで分析結果を提示するのではないでしょうか。