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富士フイルム 動画専用(志向) Xカメラ検討をほのめかす GFXすべてIBIS搭載する方向

dpreviewが、富士フイルム マネージャー インタビュー記事を掲載しました。ボリュームがあるインタビュー記事なので個人的に興味深かったポイントざっくりピックアップしてみました。

「X-T4」は非常に強力なビデオカメラですが、それを購入するほとんどの方々は静止画撮影がメインだと思います。1つの製品で動画と静止画 両方のニーズを満たす事は可能でしょうか? それともXシリーズ ラインアップで専用のビデオカメラの可能性はあるのでしょうか?

  • 「X-T4」は、すでに高水準の動画画像品質を実現している
  • しかしビデオシューターとスチルカメラマンを相対してみると、フォームファクターにおいて要求するものが異なってくる
  • 「X-T4」は、(元々)静止画撮影用に設計されている
  • 背面モニタを例に挙げると、ビデオグラファーはフリーアングル液晶モニタをかなり好むが、スチルカメラマンはそうではない ※fully-articulating LCD screensをフリーアングル液晶モニタと訳しました
  • ビデオグラファーを本当に追いかけたいのであれば、我々は別のフォームファクターについて考える必要がある
  • 我々はこのようなソリューションを常に研究(調査・検討)し続けているが、市場規模・ユーザー数などを考慮する必要がある
  • しかし「X-T4」を使用しているビデオグラファー達からそのような要望は受け取ってる
  • 「X-T4」は、バリアングル式モニタを採用し、完全に独立した静止画と動画メニューを採用ており、考えられる中の1つの答えである

はっきりと「動画専用(志向) Xカメラ」を示唆した訳ではありませんが、編集後記でdpreviewのBarnaby Britton氏は…

  • 汎用性の高い「X-T4」と並んで " XFマウント 専用のビデオカメラ " が、少なくとも検討されているようだ

…と語っており、それが「X-H1」後継機になるのかどうか思わず期待してします。

IBISは、今後GFXラインアップで標準化されるのでしょうか?

  • もちろん
  • ボディサイズやデザインによるが、特に1億画素イメージングにおいて " IBIS " は画質を維持するために必要と考えている

あとGFレンズに関しては、広角単焦点レンズティルトシフトレンズの要望が多くあり、加えて広角ズームレンズの要望もある模様。この事から風景や建築撮影において必要になるレンズをスタディ中である事を明らかに。どのレンズを最優先に開発しているのかは明らかにしていません。

「GFX100S」は、幅広いユーザー層に向けて開発した1億画素センサー搭載中判ミラーレス機で、特に操作のし易さを求めるデジタル一眼レフ(DSLR)ユーザーのためにモードダイヤルを採用した模様。「GFX100S」にアクセサリーとして縦グリップを用意しなかったのは、「GFX100」をすでにラインアップしているからとのこと。

GFXの戦略として、機能・サイズ・使い易さ・価格を重要視している模様。しかし " 価格 " は最優先事項ではないそうで、高品質を維持するにはコストが掛かりフルサイズ機よりも少し高い価格にする必要がある。しかし市場を刺激する必要があり、価格差を最小限に抑えるのが我々の戦略であると語っています。

Xレンズは望遠レンズラインアップ拡充と第1世代レンズのリニューアル

焦点距離的に超望遠域のレンズが欠けており、500mmや600mmの超望遠レンズが欠けていると明言しているので、そう遠くない未来に(超)望遠レンズラインアップが拡充されるのかもしれません。加えて古くなった第1世代レンズ群は、AFが遅く、防塵防滴仕様ではないのでリニューアルする必要性があるとのこと。

AF速度に関しては許容範囲であるとしながらも、AFアルゴリズムにおけるトラッキング性能は改善は必要であると認識。加えて初期のXレンズは10年経っているので、AFが遅いレンズがある事も語っています。あとAF動作に関する好みも写真家によって異なり、選択肢を用意する必要があり可能であればファームウェアアップデートで改善していくとのこと。

コンピュテーショナルフォトグラフィー(イメージング)に関して明言は避ける

ここ最近のソニーOMデジタルのインタビュー記事(動画)では、AIを絡めたコンピュテーショナルフォトグラフィーに積極的な発言がありましたが、今回の富士フイルムのインタビューでは「その質問に答えるのは、簡単ではない」とコメント。

技術的にセンサーと処理速度の高速化により多くの事が出来るとしながらも、4~5年先の話であると考えており、将来的にこの手のものは技術的に可能だろう。しかし、このようなシステムをカメラシステムにどう統合していくのか難しいと語っています。

 

あくまでも個人的な所感になりますが、チェキとかXカメラのコンセプトを考えると、コンピュテーショナルフォトグラフィーは相反するモノというか、どうコンセプトと顧客の志向に合わせて実装していくのが難しいのかなと感じました。もしくは、競合他社より遅れをとっている箇所かもしれません。

X-Transセンサーは、まだまだメリットがある

高画素になっても、まだ「X-Trans」は上手く機能する。このテクノロジーのおかげで我々のカメラはモアレや偽色は発生しないと語っています。Xマウントに関しては、今後も「X-Transセンサー」を採用し続ける事が伺えるインタビューに。

我々は、単にカメラではなく、イメージング・カンパニーである

フィルムシミュレーションは協業他社にはない強みで、コロナの影響で動画機能が求められてたり、(カメラを通した)オンラインによるコミュニケーションが普及しつつあり、微調整や方向転換する可能性はあるものの、計画・戦略について基本的にこれまでの戦略を継続できると考えている模様。

カメラ事業は富士フイルムにとって非常に重要な部門であり、写真と画像は核となるビジネスであると明言。我々はこの事業を継続し繁栄・成功する事をコミットする。これが我々の責務である。とメッセージ。

単にカメラではなくイメージング・カンパニーであり、デジタルカメラとイメージング・システムを構築し続けたいと考えており、プロからアマチュアまであるらゆるタイプのユーザーに価値を示す事が我々のビジョンである事も語っています。

どう新規顧客を獲得するのか?という最後の質問に対して、「X-S10」 のようにXシリーズは魅力的な製品を展開しており、スマホで撮影を始めたユーザーの非常に良好なステップアップ商品でありチェキも展開しているので富士フイルム・ファンの大きな基盤になっているとのこと。全体的なプロモーション戦略として " 若い顧客 " を含めてすべての人にリーチする事であると語っています。