キヤノン・ニコン・ソニー新製品戦略に狂い 新型肺炎で消耗戦に突入報道
ダイヤモンドオンラインが、フルサイズカメラ市場におけるキヤノン・ニコン・ソニーの興味深い記事を掲載しました。東京五輪2020の開催が延期になり各社の新製品戦略に狂いが生じ、新型肺炎の影響で消耗戦に突入したと伝えています。この流れが有利に働くメーカーが出てくるのでしょうか。
東京五輪延期はニコンに追い風
- ソニーが2019年11月に「α9 II」を発売
- キヤノンが2020年2月に「EOS-1D X Mark III」を発売
- ニコンは「D6」を2020年3月の発売を予定していたが、5月に発売延期
- 東京五輪2020が延期となりニコンにとって出遅れを挽回し得る「追い風」が吹いた
「D6」は元々2020年3月の発売を予定していましたが、新型肺炎の影響で5月に発売延期。すでに「EOS-1D X Mark III」は発売済みで、ニコンは発売延期により東京五輪開催前の貴重な需要取り込みの機会が減った事を指摘し、加えて2020年3月期 映像事業の営業利益がマイナス100億円の見通しである事にも触れています。
まあ新型肺炎の影響がなければ、東京五輪も開催されたし、ニコン「D6」も予定通り3月に発売出来たはずなので、これがニコンの追い風となったのか、キヤノンの優勢が弱まる事になるのか、それぞれの見方で変わってくるかもしれません。
東京五輪延期によりソニーがキヤノン・ニコンを切り崩す? キヤノン・ニコンのフルサイズミラーレス フラッグシップ機はパリ五輪2024?
- キヤノンとニコンが、2021年夏の東京五輪前にフルサイズミラーレス フラッグシップ機を投入すれば「ミラーレス一眼にするならばソニー」だった流れが変わる可能性がある
- しかし東京五輪2020に向けたニコン、キヤノンによるミラーレス一眼の最上位機種投入は開発が間に合わない
- 両社は2024年のパリ五輪前の投入に照準を合わせたままではないか
- 五輪延期は一眼レフユーザーを切り崩す側のソニーに分がある
キヤノンとニコンが延期された事を活かしてフルサイズミラーレス フラッグシップ機を開催前に投入できれば、ミラーレスの商機を引き寄せる可能性がある事を伝えていますが、どうやら両社のフルサイズミラーレス フラッグシップ機は、東京五輪ではなくパリ五輪を見定めている事が伺える内容となっています。
キヤノン「当然ながらミラーレスの最上位機種の開発を急いでいる」
3社に東京五輪延期などの影響を聞いたところキヤノンのみ返答があったそうで、以前報道された通り " ミラーレスの最上位機種 " を開発中である事を言及したものの発売時期は明らかにせず、東京五輪延期によるフラッグシップモデルの販売戦略や下位機種への影響は「大きな影響があるとは考えていない」とコメント。
縮小しつつあるカメラ市場、新型肺炎の影響で落ち込む消費、そして妥協が許されないフラッグシップ機の開発競争で消耗戦になりつある模様。
これ以降は個人的な雑談になります。
ニコン「D6」の仕様はこのままで投入するのかどうか気になる
ニコンは3月9日に新型肺炎の影響で5月に発売を延期する事を告知しましたが、それ以降大きな動きはありません。東京五輪2020の延期が決まった今、予定通り今の仕様のままで「D6」を投入するのかどうか気になるところ。「EOS-1D X Mark III」は動画性能も強化していますが、「D6」はどちらかというと静止画コンセプトに仕上げている印象で、2月に登場したインタビュー記事では「D5」ユーザーから動画に関する要望が少なかった事を明かしています。発売日をさらに延期し、仕様を強化する可能性はあるのでしょうか。
ソニー「α9 III」の登場時期
ソニー「α9 II」は、イメージセンサーや描画エンジンは据え置きで、初代機がファームウェアアップデートで強化され続けた事もあり、ワークフローを改善し完成度を上げてきたマイナーチェンジ版と受け止めているユーザーさんは少なくないのではないでしょうか。今年のカメラ市場は各社減収減益が必至な様相で、その中でデジタル一眼レフからミラーレスへの流れがより強くなると、ソニーが延期した東京五輪に向けて次世代「α9 III」を2021年に投入してきたら凄そう。先にソニーが「α9 III」を投入する事によりキヤノン・ニコンのミラーレスフラッグシップ機を牽制する事になりそう。
北京冬季五輪2022
2022年に北京冬季五輪が開催されるので、こちらが主戦場になる可能性も。中国は8Kに力を入れていて静止画だけでなく動画に関しても大きな動きがあるかもしれません。おそらくソニーやパナソニックは、冬季五輪までに8K民生機を用意してくるのではないでしょうか。キヤノンは8Kに対応した「EOS R5」を今年投入予定ですが、ニコンが動画性能を強化した競合機を計画しているのかどうか気になるところです。