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ソニー「FE 50mm F1.2 GM」発表間近だからこそキヤノンニコン50mmF1.2をチェック

数日ピックアップするのが遅れてしまいましたが、SARがソニー「FE 50m F1.2 GM」が2021年3月16日(火)に発表される裏付けが取れたと噂しています。発表を前に「FE 50mm F1.2 GM」がどんなレンズに仕上がっているのか、キヤノン「RF50mm F1.2 L USM」とニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」の仕様をチェックしてみようと思います。お付き合いください。

SAR : 発表は3月16日

ソニーは今月3回新製品発表を行い、その内2回が新レンズ発表になると噂されています。どうやら「FE 50mm F1.2 GM」は3月16日に発表されそうな展開に。おそらく海外の発表日だと思うので注意が必要。基本的に日本時間の23:00ぐらいに海外発表され、翌日の10:00に国内発表される事が多い印象。

ローンチ後「RF50mm F1.2 L USM」「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」と比較されるは必至なので、この2本がどのようなレンズなのか見てみましょう。

RF50mm F1.2 L USM 基本スペック

  • レンズ構成 : 9群15枚 (UDレンズ1枚、研削非球面レンズ3枚、ASCコーティング、フッ素コーティング)
  • 絞り羽根枚数 : 10枚(円形絞り)
  • 最小絞り : F16
  • 最短撮影距離 : 40cm
  • 最大撮影倍率 : 0.19倍
  • フィルター径 : 77mm
  • 最大径×長さ : φ89.8×108mm
  • 質量 : 950g

NIKKOR Z 50mm f/1.2 S 基本スペック

  • レンズ構成 : 15群17枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、 アルネオコートあり)
  • 絞り羽根枚数 : 9枚(円形絞り)
  • 最小絞り : F16
  • 最短撮影距離 : 45cm
  • 最大撮影倍率 : 0.15倍
  • フィルター径 : 82mm
  • 最大径×長さ : φ89.5mm × 150mm
  • 質量 : 1090g

キヤノンのF1.2シリーズはRFマウントを象徴するラインの1つで、マップカメラで289,575円(税込)と高価なレンズですが、それ相応の光学性能を誇ります。ニコンは100万越えの「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」が存在しますが、AFに対応しマップカメラで250,470円(税)と1/4の価格で販売しており、Zユーザーであれば " マストバイ " 的な存在。

フィルター径・サイズ・質量

  • RF50mm F1.2 L USM … 77mm φ89.8×108mm 950g
  • NIKKOR Z 50mm f/1.2 S … 82mm φ89.5x150mm 1090g

SARは「FE 50mm F1.2 GM」は " ビッグでワイド " になると噂しているので、両レンズのように質量は1kg前後で最大径も89mm前後になるかもしれません。ただし長さに関しては、シグマ「35mm F1.2 DG DN | Art 138.2mm」よりも短くなると噂しています。ソニーが最近投入している広角から標準域の単焦点レンズは、小型軽量コンセプトとは言わないまでも小型軽量な方向性で仕上げているので「FE 50mm F1.2 GM」も出来るだけサイズと質量は抑えて欲しいところ。逆にサイズ・質量は無視して光学性能を最優先でという層向けたレンズになるかもしれないので、ソニーがどのようなコンセプトで " F1.2 単焦点レンズ " を開発したのか個人的に注目しています。

絞り羽根 (円形絞り)

  • RF50mm F1.2 L USM … 10枚
  • NIKKOR Z 50mm f/1.2 S … 9枚

単焦点GMレンズの絞り羽根は " 11枚 " になる事が多い印象。先日コシナが発表したフォクトレンダー「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VM / E-mount」のように絞り羽根数 " 12枚 " にしてくるのかどうか気になるところ。F1.2レンズなだけに「FE 50m F1.2 GM」もピントが合った部分は開放からシャープでありながらボケ味の表現にこだわった仕上げになるはず。

MTF曲線

MTFチャート

両レンズのブルーの曲線が30本/mmで、ブラックもしくはレッドの曲線が10本/mmになります。

  • 10本/mmの曲線が1mmに近ければ近いほどコントラストが良くヌケが良いレンズ
  • 30本/mmの曲線が1mmに近ければ近いほどシャープネスが高くヌケが良いレンズ
  • 10本/mmのMTF特性が0.8以上あれば優秀なレンズ、0.6以上あれば満足できる画質が得られる

極端に言うとどちらの曲線も上に張り付ているようなレンズが良いといった感じでしょうか。あとは「波動光学的MTF」と「幾何光学的MTF」の2種類があり、「波動光学的MTF」は実際の撮影データに近いと言われています。「幾何光学的MTF」は、回折現象を考慮しないため実写性能よりも値が高くなる傾向になる模様。あくまでもMTFは性能を評価する尺度のひとつです。※キヤノンニコンシグマの公式MTF曲線解説を参考にしました

ソニー

ちなみに上記はソニー「FE 400mm F2.8 GM OSS」のMTF曲線。絵に描いたように上に張り付いた曲線…というかほぼ直線に…これは「幾何光学的MTF」なのでしょうか。あとはレンズ内補正が当たり前になってきているので、その辺のところも考慮する必要があります。

レンズ構成図

レンズ構成図
  • RF50mm F1.2 L USM … 9群15枚 (UDレンズ1枚、研削非球面レンズ3枚、ASCコーティング、フッ素コーティング)
  • NIKKOR Z 50mm f/1.2 S … 15群17枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート、 アルネオコート)

両レンズ共にF1.2開放からの解像度と美しいボケ味を特長として謳っており、おそらく「FE 50mm F1.2 GM」も開放から解像度が高く美しいボケ味を実現したGMレンズに仕上がっているのではないでしょうか。GMレンズだけに製造技術確立まで20年かけた " 超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ " を採用してくると思われます。※ちなみに超望遠レンズ「FE 400mm F2.8 GM OSS」と「FE 600mm F4 GM OSS」は " 蛍石レンズ " を採用

加えて軸上色収差を効果的に制御する " EDレンズ/スーパーEDレンズ " や " ナノARコーティング " も採用してくるのではないでしょうか。あとソニー初のF1.2レンズだけにモーターを含めた専用もしくは最適化したフォーカスユニットも採用してきそうな予感。※基本的に軸上色収差のカメラ内補正は難しいと言われています

店頭価格 ※マップカメラ価格 2021年3月7日時点

  • RF50mm F1.2 L USM … 289,575円
  • NIKKOR Z 50mm f/1.2 S … 250,470円

F1.4単焦点GMレンズ群の希望小売価格はだいたい20万円台前半なので、「FE 50mm F1.2 GM」量販店価格は20万円台後半ひょっとすると30万円を超えてくるかもしれません。

ソニーの答え

2018年 RFマウント/Zマウント立ち上げ時に、両規格に比べてEマウントのマウント径の小ささが揶揄された事がありましたが、当時のインタビュー記事で「F1.0レンズは技術的に可能だが、市場の需要はない。F1.2の需要はあると思う」 と語り、ついにソニーの答えとなるF1.2単焦点レンズがGMレンズとして登場します。売れれば「FE 24mm F1.2 GM」「FE 35mm F1.2 GM」「85mm F1.2 GM」に続くかもしれません。

CP+2021オンラインでソニーは「今後も全力で最新の技術を注ぎ込む!」「それが我々の使命であり挑戦」と語っていただけに今後もソニーは開発スピードを緩める事無く突き進んで行くのではないでしょうか。ソニーだけが突き進み過ぎるとカメラ市場が焼野原(競争原理が働かなくなってしまう)になってしまうので、そうならないようキヤノンとニコンにも期待です。