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キヤノン2021年Q1決算「EOS R5/R6」で大幅増収 フルサイズシェアをさら伸ばすと明言

キヤノンが2021年第一四半期決算発表 (2021年1月~3月) を行いました。「EOS R5」と「EOS R6」とレンズが牽引し前年同期比で大幅増収、年間見通しを引き上げ、開発発表した「EOS R3」でフルサイズシェアをさらに伸ばす方向である事を示唆しました。

キヤノン イメージング (カメラ)

決算

カメラについては、各国の行動制限が継続する中でも、高品質な映像表現へのニーズに支えられ、需要は堅調に推移しており、2021年の市場見通しは、前回計画同様となる580万台と、前年から微増で見ております。

当社の第1四半期は、昨年下期に発売した「EOS R5」と「EOS R6」が牽引役となり、販売が好調に推移したことから、対前年で大幅な増収となりま した。また、強力なカメラ本体と製品数を増やした収益性の高いRFレンズの相乗効果により平均売価が上昇し、またコロナ禍で培った、オンラインによる 効率的な販売活動が定着したことで、収益性の改善につながっております。

年間では、第1四半期の販売状況を踏まえ、当社の台数見通しを前回から10万台引き上げた290万台とし、売上も上方修正します。ミラーレスの製品力を一層強化すべく、裏面照射積層型CMOSセンサーを 搭載したことで信号の高速処理を実現し、連写性能などが大幅に向上した 新製品「EOS R3」の開発を4月に発表しました。同時に、RFレンズも3本発表し、累計で22本となっておりますが、引き続きラインアップの拡充を進めてまいります。Rシリーズの魅力を高めることでフルサイズカテゴリーでのシェアをさらに伸ばし、対前年増収を目指します。 また新ジャンルカメラについても、昨年末に発売した「PowerShot Zoom」は、片手で望遠撮影できる手軽さが注目を集めるなど、新たな市場の創出 が着実に進んでいます。※2021年第1四半期決算説明会資料(ノート付き)より

カメラ実績 (対前年同期比)

  • 2020年Q1 … 714億円
  • 2021年Q1 … 959億円 (+34.3%)

コロナの影響が出始めた2020年Q1と比較して " 大幅な増収 " という表現をどう受け止めるのか…しかし714億円 → 959億円と対前年同期比で34.3%の増収を実現した事は確か。ノート付きの決算説明会資料を見る限り「EOS R5」と「EOS R6」が牽引し、利益率の高い(RF)レンズ群の存在が大きかった事が伺えます。

カメラ年間見通し (対前年同期比)

  • 2020年実績 … 3,477億円
  • 2021年見通し … 3,930億円 (+13.0%)

レンズ交換式カメラ台数 (対前年同期比)

  • 2021年Q1 … 65万台 (+7%)
  • 2021年見通し … 290万台 (+5%)

2021年Q1の実績を踏まえて年間見通しを10万台引き上げ " 290万台 " に設定。2021年Q1は " 65万台 " もグローバルで売れた事が確認できます。

さらにフルサイズ・シェアを伸ばす

キヤノンは「EOS R3」の開発発表を行った事は記憶に新しいところ。RFレンズラインアップもさらなる拡充を図り「Rシリーズの魅力を高めることでフルサイズカテゴリーでのシェアをさらに伸ばし、対前年増収を目指します。」と明言しています。

キヤノンは今年から製品別事業部体制から産業別グループ体制に再編し、ソニーのように民生カメラの実績が見え難いカタチなるのかなと思いきや、" 民生カメラ " と " ネットワークカメラ他 " と実績を分けてきたので一安心。

生産能力を引き上げ在庫不足解消へ

在庫

3月末の在庫は、昨年はカメラなどの販売が計画を上回る順調な回復を見せ、バックオーダーが出るほど少ない状態でしたが、今年に入って生産能力を引き上げ、在庫不足が解消されつつあります。

足元では、材料不足により生産計画に一部影響が出ているほか、船舶の逼迫により配送にも遅延が発生しておりますが、当社は状況を注視しながらきめ細かな管理を徹底し、適正な在庫水準を維持してまいります。※2021年第1四半期決算説明会資料(ノート付き)より

去年はカメラもレンズも品不足状態が続きましたが、どうやら在庫不足が解消されつつあるようです。「EOS R5」と「EOS R6」は普通に買えるようになってきましたが、レンズの方はまだまだ供給不足な印象があり、今後も新たなRFレンズ群が投入され続けると思うので、1日でも早い在庫不足解消に期待です。

やはり " 材料不足 " の影響と、船舶の逼迫(ひっぱく)による配送の遅延がある模様。

少し気になるところ

販売台数

今回キヤノンの決算発表でグローバルで見た場合、販売台数も売上げも伸びた事が伺えますが、先週キヤノンマーケティングジャパンの決算における国内販売台数は、対前年同期比で20%減だったところが気になるところ。海外では台数が増えたものの、国内では台数が減っているんです…コロナの影響が出始めた2020年Q1よりも。

2021年ミラーレスシェアはどうなる?

キヤノンは今回の決算でフルサイズ・シェアをさらに伸ばしていく事を掲げており、特にミラーレス市場における覇権に注目が集まります。BCN集計による2020年 国内ミラーレス別台数シェアは…

  1. ソニー … 27.4%
  2. キヤノン … 23.8%
  3. OMデジタル … 23.4%
  4. 富士フイルム … 12.0%
  5. パナソニック … 8.3%
  6. ニコン … 4.6%

今年はキヤノンがソニー迫る事になるのか、ソニーを追い抜くのか注目です。少なくとも2021年キヤノンの出足は好調です。国内シェアと世界シェアの違いも知りたいところ。