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富士フイルム デジタルカメラについて「皆様の⼿に⼊るように極⼒努めてまいります」

富士フイルムは先日Q1決算 (2024年4月~6月実績) 発表を行いました。質疑応答書類が公開され、イメージングについて代表取締役社⻑・CEO 後藤禎⼀氏が語っているので一緒に見てみましょう。

X100

イメージングに関する質疑応答を見てみると、シティグループ証券の芝野氏が店頭で購入できない状況を経営陣はどういう認識なのか質問し、代表取締役社⻑・CEO 後藤禎⼀氏が以下のように語っています。※一部を抜粋

Q : 最後、イメージングについて伺いたいと思います。instax もデジタルカメラも⾮常に好 調なのかなと思います。またリテール⾒ていますと、sold、店頭においては売り切れで、⽋品ある いはバックオーダーも取らないような対応を⾒ていますと、この状況が⾼原状態で1年間続くような感じかなとも思います。この辺の考え⽅、現実的なところとしてはどう捉えるのがよろしいでしょうか。既にパンパンかと思いますけど、それでもこのサードクォーターにかけては季節性もある ので、さらに上がると考えても良いのか。この辺の期待感についてお聞かせください。

A : 今おっしゃったとおり、供給が追いついてないのが実情でございます。⼀つはデジタルカメラ、需要がかなり旺盛であることと、われわれの機能とかブランドが浸透してきたところでです。最初から前機種より2倍の製造を予定して市場に出すなど対策しておりましたが、それでも追いつかない状況で、今それを⼀⽣懸命キャッチアップしている状態です。

その中で、律速となってくるのは、イメージセンサーであったりプロセッサーであったり、半導体の製造を、半導体メーカーの中で⼊れ込まないといけないところが⼀つ。もう⼀つは、当社のデザイン性が優れているところにも関係あるのですけど、カメラの上の部分。いろいろダイヤルとかがついている、X100VIはデザインがかなりレトロっぽいというので、⼈気を得ている部分でもあるのですけど、外装部分の製造が(品位を出すために)切削などでハンドメイドに近いような形で、なかなか⼤量の量産がきかないところがあります。

ベンダーからの納期を早めるとかいろいろやっておりまして、皆様の⼿に⼊るようにそれは極⼒努めてまいります。

我々が考えているのはブランド⼒をつくる。特にレンズ交換式になってから、ブランド⼒がないと売れ続けないところで、CMOS センサーの⼤きさを変えたり、さまざまな機能、それからプロセッサーを開発したり、やっております。このことはずっと続けてまいりますので、各社、機能の競争、画質の向上、それから今動画が結構ミラーレスカメラで撮られることが多いですが、その辺のあたりも競争によってまだまだ市場は広がると思っております。

⼀⽅、チェキですけど、これもフィルム供給でご迷惑をかけておりますが、今期秋⼝から増産が始まります。来年度 2025年度にはフルキャパシティで増産となりまして、現状の2割増しのフィルムを⽣産する計画でございます。その後も増産の対策は組んでおります。

当⾯、まだ世界で売るところがたくさんあります。今世界 1 番アメリカ、2 番ヨーロッパ、3 番中国、それで⽇本、インドですけど、その他でもまだ増やすスペースは限りなくあるところで、当⾯、この上昇トレンドは続くと考えております。 ※トランスクリプト(質疑応答含む)より一部抜粋

後藤社長は供給が追いつていない事を認めています。前期種より2倍の製造という表現は「X100VI」の事と思われ、⼀⽣懸命キャッチアップしている状態とのこと。個人的に興味深かったポイントをピックアップしてみました。

X100VIの外装部分はハンドメイドに近く、⼤量の量産がきかない
「外装部分の製造が(品位を出すために)切削などでハンドメイドに近いような形で、なかなか⼤量の量産がきかないところがあります。」と語っており、「X100VI」供給不足の1つの要因になっている事が伺えます。

必要な供給を示唆
前回の決算発表の質疑応答で後藤社長が " 現在の在庫状況が平常な状況 " と表現しカメラ界隈で話題になりましたが、今回は一転し…

ベンダーからの納期を早めるとかいろいろやっておりまして、皆様の⼿に⼊るようにそれは極⼒努めてまいります。

…と必要な供給を示唆しています。ただし、チェキ関連では具体的な供給見通しを示していますが、デジタルカメラ関連については具体的な供給見通しは示していません。今回の発言を一種の約束と捉えれば、日本市場において少なくとも海外市場並みの供給状況にまで回復して欲しいところ。

動画機能がキー
前回の質疑応答でも " ブランド力 " を語っていましたが、今後もブランド力を上げていくために研究開発を行い機能強化していく方向性である事が伺え…

今動画が結構ミラーレスカメラで撮られることが多いですが、その辺のあたりも競争によってまだまだ市場は広がると思っております。

…と語っており、動画機能が1つのキーになっていく事も語っています。ハイエンド機で動画志向カメラやカジュアルなVlogカメラなど富士フイルムから登場する可能性はあるのでしょうか。

チェキは2024年度秋から増産開始 2025年度らフル生産
チェキに関しては特にフィルムの供給不足が問題になっており、2024年秋に増産を開始し、2025年度はフルキャパシティで増産し、その後も増産の対策を組んでいるとのこと。個人的にデジタルカメラの方も、チェキぐらい具体的な予定を示してくれる事に期待したい。

まだまだ売る地域はたくさんある

当⾯、まだ世界で売るところがたくさんあります。今世界 1番アメリカ、2番ヨーロッパ、3番中国、それで⽇本、インドですけど、その他でもまだ増やすスペースは限りなくあるところで、当⾯、この上昇トレンドは続くと考えております。

上記の発言はチェキだけの話なのか、デジタルカメラも含めた話なのか気になるところ。

話は変わりますが、キヤノンソニーは中国市場に注視してます。今回の富士フイルムの決算発表では中国市場に触れておらず、富士フイルムも中国市場に注視する事になるのか個人的に注目しています。