DJIは予告通り2026年4月16日に、1インチセンサーを搭載したポケットジンバルカメラの最新モデル「Osmo Pocket 4」を発表しました。
前機種「Pocket 3」の登場から約2年半。待望の新型は、定評のある20mm F2.0の光学系を継承しつつも、その内部機構は劇的な進化を遂げています。最大の特徴は、イメージセンサーの刷新による14ストップのダイナミックレンジを実現、そして最新のActiveTrack 7.0を核とした強力なAI機能の統合です。
単なる「Vlogガジェット」の枠を越え、高画素化された37MPセンサーによる2倍ロスレスズームや4K/240fps撮影、さらには107GBの内蔵ストレージ搭載など、プロの現場でもサブ機として十分に通用する「映像制作ツール」へと変貌を遂げたOsmo Pocket 4。
本記事では、ハードウェアの刷新とAIテクノロジーがどのように融合し、これからの動画撮影体験をどう変えていくのか、その詳細に迫る。

刷新された1インチセンサー:14ストップの衝撃と37MPの高画素化
「Osmo Pocket 4」の核となるのは、新開発の1インチCMOSセンサーです。レンズの開放F値はF2.0、焦点距離20mm相当(35mm判換算)と光学系の数値は据え置かれましたが、センサー自体のポテンシャルは前機種から飛躍的な向上を遂げています。
シネマカメラに迫る14ストップのダイナミックレンジ
最も注目すべきは、公式に明示された14ストップのダイナミックレンジ。前機種(Pocket 3)が非公表ながら実質12ストップ程度だったことを考えると、2段分もの拡大を実現。これにより、輝度差の激しい屋外撮影でも、ハイライトの白飛びを抑えつつシャドウ部のディテールを粘り強く残すことが可能になりました。「10-bit D-Log M」に加え、より本格的な「10-bit D-Log」をサポートしたことで、ポストプロダクションにおけるカラーグレーディングの自由度はミラーレス機に匹敵するのではないでしょうか。
37MPへの高画素化と「2倍ロスレスズーム」
静止画解像度は前機種の約9.4MPから約37MPへと大幅に引き上げられました。この高画素化の恩恵はスチル撮影だけでなく、動画時の2倍ロスレスズームにも活かされている。単焦点レンズでありながら、センサー中央部をクロップすることで画質劣化を抑えたズームを可能にしており、ActiveTrack 7.0との組み合わせで、よりダイナミックな構図作りを実現しています。
4K 240fpsのハイフレームレート
センサーの読み出し速度向上により、スローモーション性能も強化されました。4K解像度で最大240fpsの撮影に対応(前機種は120fps)。一瞬の動きをシネマティックに切り取る能力は、このサイズのカメラとしては驚異的と言えます。また、新センサーと最新の画像処理エンジンの連携により、低照度環境下でのノイズ耐性も最大2段分改善されており、「夜に強い1インチ」という評価をさらに確固たるものに。
ActiveTrack 7.0:AIが「専属カメラマン」を完全に代替する
「Osmo Pocket 4」の真価は、刷新されたセンサーのポテンシャルを、最新のAIアルゴリズムが120%引き出す点にあります。特に新世代のActiveTrack 7.0は、単なる追尾機能から「構図を司る知能」へと進化しました。
被写体を「逃さない」から「美しく捉える」へ
従来のトラッキングは被写体を画面中央に維持することに注力していました。しかし、今や高精度な追尾は「前提条件」となり、今作に搭載された「ダイナミックフレーミング」機能は、AIが黄金比などの構図をリアルタイムで判断するまでに進化しました。
迷わないAI:登録被写体優先と遮蔽物への対応
AIの認識能力向上により、一度障害物に隠れた被写体の再捕捉能力が劇的に改善。さらに、事前に顔を登録しておくことで、混雑した場所でも特定の人物を優先的に追い続けることが可能になりました。これにより、ワンオペレーションでの撮影において「ピントや構図のミス」という概念がほぼ払拭されています。
AIによる画質と音声の最適化
- AI低照度ノイズリダクション : 14ストップの広ダイナミックレンジセンサーから得られる膨大な情報をAIが処理し、暗所でもディテールを損なわずにノイズのみを低減。
- インテリジェント音声分離 : 4チャンネル化されたマイクとAIの連携により、騒音下でも周囲の環境音を抑えつつ、喋っている人の声をクリアに抽出。外部マイクなしでも即戦力の音声収録を可能にしている。
公式オンラインストア価格:驚異のスペックを10万円以下で実現
これだけのセンサー刷新とAI機能の強化を遂げた「Osmo Pocket 4」ですが、DJI公式オンラインストアでの販売価格は、前作のポジショニングを維持する極めて戦略的な設定となっています。ちなみに、本日より公式オンラインストアと認定ストアで予約受付を開始し、2026年4月22日より販売を開始します。
- スタンダードコンボ … 79,200円
- クリエイター コンボ … 99,880円
本格的なミラーレスカメラのボディや、大口径の交換レンズが軒並み値上がりしている昨今の市場において、14ストップのダイナミックレンジとジンバル、そして「AIカメラマン」としての機能を備えた本機が10万円以下から手に入るという事実は、驚異的と言わざるを得ません。
既存のカメラシステムにプラスワンする「映像専用機」として、あるいは機材の軽量化を図るプロのサブ機として、このコストパフォーマンスは多くのクリエイターにとって決定打となるでしょう。
結論:Vlogカメラの枠を超え、唯一無二のポジションへ
初代モデルから続く「ポケットサイズのジンバルカメラ」というコンセプトは、今作「Osmo Pocket 4」において一つの到達点に達したと言えます。
当初は「手軽で便利なVlogツール」としての側面が強かった本シリーズですが、刷新された1インチセンサーによる14ストップのダイナミックレンジと、ActiveTrack 7.0に代表される高度なAI機能の融合により、その立ち位置を「自律型シネマティック」へと昇華させました。
レンズ交換式カメラをメインに扱うユーザーにとっても、この「圧倒的な機動力」と「AIによる撮影の自動化」は、単なるサブ機以上の価値をもたらす可能性があります。伝統的なカメラメーカーが光学の極みを追求する一方で、DJIはテクノロジーを駆使し、販売価格も含めて「映像制作のハードル」そのものを破壊し続けています。
デジカメライフは国内・欧米カメラメーカーに特化していますが、この「Osmo Pocket 4」の存在は、今後より大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

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