日本経済新聞社が、「日経 業界地図 2027」を発売しました。世界カメラ市場におけるメーカー別のデジタルカメラ出荷台数(シェア)ランキングが掲載されています。絶対王者のキヤノンを追うソニー、そしてニコンを抜いて3位に躍進した富士フイルム、GRシリーズが絶好調のリコーイメージングなど、激変する市場の勢力図を一緒に見てみましょう。

デジタルカメラ出荷台数ランキング(シェア)2025
- キヤノン … 450万台(45.7%)
- ソニー … 242万台(24.6%)
- 富士フイルム … 116万台(11.8%)
- ニコン … 88万台(8.9%)
- パナソニック … 43万台(4.4%)
- リコーイメージング … 21万台(2.1%)
- OMデジタル … 15万台(1.5%)
キヤノンが450万台を出荷し45.7%のシェアを獲得しています。1社で5割近いシェアを誇り、上位3社(キヤノン、ソニー、富士フイルム)だけで世界シェアの8割以上(82.1%)を占める寡占状態となっています。特筆すべきは、富士フイルムがニコンを抜き去り3位へと躍進した点です。今後、富士フイルムがソニー並みの出荷台数を目指すのかどうか気になるところです。富士フイルムが150万台レベルに達すれば、保守的な出荷体制と言われることもなくなるのではないでしょうか。
4位以降は出荷台数100万台を割っており、シェアも一桁台です。リコーイメージングがOMデジタルを上回り6位を獲得しており、GRシリーズの人気の高さが伺えます。OMデジタルは海外の売上(特に米国と中国)が芳しくないのかもしれません。オリンパス時代から米国市場と中国市場の開拓に苦戦していました。OMデジタルはネイチャー路線に舵を切りましたが、個人的には本格ストリート路線にも注力して欲しいところです。
パナソニックは、2025年の欧州市場で10%以上のシェアを獲得したことを明らかにしており、ようやく足掛かりを築いた印象です。LUMIXがさらに上を目指すのであれば、起爆剤となるような「指名買いされる数が出るモデル」を投入できれば状況が変わってくるかもしれません。
ここで、2024年と2023年のデジタルカメラ出荷台数ランキングも見てみましょう。
デジタルカメラ出荷台数ランキング 2024
- キヤノン … 353万台(43.2%)
- ソニー … 233万台(28.5%)
- ニコン … 96万台(11.7%)
- 富士フイルム … 74万台(9.0%)
- パナソニック … 28万台(3.4%)
- OMデジタル … 16万台(1.9%)
- リコーイメージング … 7万台(0.8%)
2024年と2025年のデジタルカメラ出荷台数ランキングを比べると、キヤノンは約100万台ほど出荷台数を引き上げていることが分かります。富士フイルムも74万台から116万台へと大幅に出荷台数を増やしていますが、それでも品薄が続くほど需要が高く、人気の凄まじさがうかがえます。
リコーイメージングが7万台から21万台へと出荷台数を3倍に伸ばしている点も非常に興味深い変化です。
一方、ソニーとニコンは台数を大きく伸ばしておらず、低価格機による安易な数量追求を避け、高利益率なフルサイズ高級機へシフトする堅実な防衛戦略の表れと読み解くことができます。
デジタルカメラ出荷台数ランキング 2023
- キヤノン … 334万台(46.5%)
- ソニー … 200万台(27.9%)
- ニコン … 81万台(11.3%)
- 富士フイルム … 43万台(6.0%)
- パナソニック … 26万台(3.6%)
- OMデジタル … 18万台(2.5%)
- リコーイメージング … 6万台(0.8%)
直近3年間(2023-2025)のデータを通してみると、市場全体の出荷台数が確実に増加傾向にあります。ここ最近はコンパクトデジタルカメラの人気が再燃しており、キヤノンなどもコンデジの生産・出荷を強めています。今後の出荷台数シェアの行方は、コンパクトデジタルカメラがカギを握ることになるかもしれません。
これまでは「高級ミラーレス一眼」が市場拡大を牽引してきましたが、手軽に持ち歩ける高画質なコンデジをどれだけ安定供給できるか、そしてZ世代をはじめとする若年層のトレンドを捉えられるかが、今後のシェア争いを大きく左右しそうです。
日経 業界地図 2027

「日経 業界地図」(日本経済新聞社)と「会社四季報 業界地図」(東洋経済新報社)は、日本の2大業界地図として並び称されますが、その特徴や強みは明確に異なります。結論から言うと、「世界市場のシェアやマクロ経済に強い日経」と、「日本国内の企業間関係や就活・投資に強い四季報」という違いがあります。ちなみに「日経 業界地図 2027」の販売価格は、単行本もKindle版(電子書籍)も2,200円(税込)です。私は、毎年購入しています。


コメント
パナソニックも出荷台数が大幅に伸びてますね。S5ⅡとS9が好調だったのでしょうか。各社ともラージフォーマットに注力している現状ですが、OMDSはどういう方向性に舵取りしていくのでしょう。
4/3型とはいえ1型の倍ほどの面積はある訳ですし、エントリークラスのセンサーが刷新されれば見直しの機運が生まれるかも……というのは希望的観測もいいところですね。