考察:富士フイルム「X-T6」の新フィルムシミュレーション。噂の「深くて強い色」のベースとなるフィルムは?

先日、Fuji Rumorsが、富士フイルム「X-T6」に新フィルムシミュレーションが採用される可能性がある情報(噂)を掲載しました。その新フィルムシミュレーションを「非常に深みのある鮮やかな色彩(very deep and strong colors)」と表現しており、富士フイルムのどの歴代フィルムがベースとなっているのか、考察してみました。

Fortia

皆さんご存じの通り、フィルムシミュレーションは「かつて富士フイルムが発売していた(あるいは現在も販売している)実際のフィルム」をベースに、その色再現や階調をデジタルで再現したものです。フィルムメーカーとして培ってきた80年以上の「色作りのノウハウ(記憶色)」をデジタルに継承させるというコンセプトに魅了されたX/GFXユーザーさんは多いのではないでしょうか。

ちなみに、実際の静止画用フィルムが存在するわけではなく、スタジオ撮影や映画制作の「現場のノウハウ」を機能として落とし込んだフィルムシミュレーションも存在します。「ETERNA」や「PRO Neg.Hi / PRO Neg.Std」などがそれに当たります。※ PRO Neg.Hiは「PRO160NH」、PRO Neg.Stdは「PRO160NS」というプロ用カラーネガフィルムがベース

Fortia(フォルティア)/ Fortia SP

2004年に発売された、ベルビアを超える高彩度を実現した数量限定カラーリバーサルフィルム「Fortia(フォルティア)」は、まさに大本命と言えるのではないでしょうか。「超高彩度・超鮮烈色」を掲げ、単に派手なだけでなく、特に赤や緑、そして花の色彩などが破綻する寸前まで濃密かつドラマチックに描く高いコントラストが特徴です。

「深みと力強さ」という意味では、噂のイメージに最も近い存在です。もしこれがベースなら、ベルビアとはまた違ったインパクトのある高彩度表現になりそうです。

NATURA 1600(ナチュラ 1600)

「NATURA 1600」は、幅広いラティチュードを兼ね備えた超高感度ネガフィルム。こちらのフィルムも惜しまれつつ生産終了しています。ラティチュードが広いだけでなくヴィヴィッドな世界観も持っているため、日中でも非常に印象的な描写が可能です。もし高感度フィルム特有の独特な粒子感まで再現されたら、スナップ派にとってはたまらないモードになりそうです。

PRO 400H / PRO 160(プロ用カラーネガ)

「PRO 400H」と「PRO 160」は、スタジオやロケ撮影、ポートレートなどで広く愛されたプロ用ネガフィルム。ハイライトからシャドーまでの階調が豊かで、特に青や緑の発色が非常に美しく、肉眼に近い素直な色再現性を持っています。「トーンの深みと芯のある力強さ」という解釈であれば、常用できる実用性の高い新フィルムシミュレーションとして採用されるシナリオも十分に考えられます。

映画用フィルム(ETERNA以外の系統)

富士フイルムはシネマ市場へ新たに映像制作用カメラ「GFX ETERNA 55」を投入しただけに、動画・映画用フィルムのシミュレーションをさらに強化してくる可能性もあります。「フィルムライク」と聞くと、コントラストが浅く彩度が低いシネマ調を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、過去のシネマ用フィルムには、よりコントラストが強く、濃厚で独自の艶っぽさを持ったポジ系・ネガ系フィルムが存在します。このようなフィルムシミュレーションを「X-T6」に最初に採用するのか、少し疑問はありますが…。

まとめ:あなたが期待する「深くて強い色」は?

ここ数年の富士フイルムは、「クラシックネガ」や「REALA ACE」など、どこかノスタルジックで落ち着いたネガ調のフィルムシミュレーションの拡充が続いていました。だからこそ、今回の噂にある「非常に深みがあり、力強い色彩」という新モードの存在は、ひさしぶりの「リッチ&ビビッド系」のアップデートとなり、非常に新鮮に映ります。

カメラのハイブリッド化(静止画と動画の両立)が当たり前となった今だからこそ、久々に高コントラスト&高彩度のトレンドが来れば面白くなりそうです。

コメント