ライカカメラAGが、世界初の量産型35mmフィルムカメラ「ライカI型(ライカA型)」リペア・オーバーホール動画をYouTubeに公開しました。修理工程の最初から最後まで撮影したリペア動画となっており、約2時間半の長尺記録映像となっています。
ライカI型(ライカA型)とは
「ライカI型(ライカA型)」は、ライツ社が1925年に製造・発売した35mmフィルムカメラです。ちなみに「ライカ(Leica)」という名前も、ライツ(Leitz)とカメラ(camera)を組み合わせた造語です。グループとしての再編や商号変更のプロセスを含め、社名が「エルンスト・ライツ」から「ライカカメラAG」に切り替わった移行期間は、1986年〜1990年頃。
リペア・オーバーホール内容

今回の「ライカI型(ライカA型)」ライツ家所有の逸品で製造から約100年が経過し、布製のシャッター幕が経年劣化により、微細な穴が無数に開く「ポアラスカーテン」状態になり、光漏れ(ライトリーク)とシャッター動作不良を引き起こしており、修理・調整・クリーニングを施します。
- 00:00〜:驚異の「完全分解」からスタート
外観からは想像もつかない、100年前の緻密な内部機構が露わになります。ボディハウジングからメインメカニズムを取り出し、底板(ベースプレート)のビスを1本ずつ外していく、緊張感漂う分解工程です。 - 25:02〜:ベースプレートの洗浄とギヤのグリスアップ
長年の汚れや古い油を完璧に洗浄。金属同士がスムーズに噛み合うよう、新しいグリスを丁寧に塗布していく、メカ好きにはたまらないセクションです。 - 31:35〜:核心部「シャッター幕(Rollo 1)」の交換と組み付け
今回の修理の最重要局面。先幕・後幕の機構(スプリングローラー)を取り外し、清掃・注油。そして、新しく用意されたシャッター幕をローラーへと正確に固定していく職人技が炸裂します。 - 01:40:08〜:巻き上げ軸のメンテナンス
フィルムの巻き上げを司るメインシャフトの洗浄とグリスアップカチカチと心地よい巻き上げ音の肝となる部分です。 - 02:17:22〜:精密な「シャッタースピード調整」
組み上がったメカニズムのシャッタースピードが正確に出るよう、微調整を行うプロフェッショナルの領域です。 - 02:20:29〜:最終アセンブリ(再組み立て)
すべてのメンテナンスが完了したメインボディを、再び外装ハウジングへと格納。パーツがピタリと収まる快感の瞬間です。 - 02:25:35〜:レンズの装着と、外観のクリーニング
レンズをねじ込み、ボディ全体を磨き上げます。100年の時を超えて、まるで新品のような輝きと機能を取り戻したライカ I の姿は圧巻です。
100年の時を超える「モノづくり」のロマンと、それを支える文化

動画の全工程を通じて私たちが目撃したのは、単なる古いカメラの修理ではなく、脈々と受け継がれるドイツのクラフトマンシップ(職人魂)の真髄です。
デジタルカメラが数年で陳腐化・サポート終了を迎える現代において、100年以上が経過した「ライカ I型」が、適切なリペアによって現代でも完璧に使用可能になるという事実は、現代のモノづくりに対する大いなるアンチテーゼであり、圧倒的なロマンに満ちています。
これが可能なのは、ライカが「直せば何度でも使い続けられる」という普遍的な機械式カメラであるからに他なりません。そして何より、ドイツをはじめとするヨーロッパにおいて、カメラや写真という文化が単なる趣味を超え、生活や歴史の一部として日常に深く根付いているからこそ、こうした高度な修復技術やパーツが今なお守り継がれているのです。



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