
先日、ニコンが2027年3月期 第1四半期決算発表(2026年4月-6月実績)を行いました。質疑応答資料(PDF)も追加公開しており、映像事業に関するやり取りをまとめました。米国関税還付、映像事業の販売計画下方修正、メモリー価格高騰について背景を語っています。
米国関税還付の内訳
Q︓米国関税還付の影響額や事業別の内訳を教えてほしい。
A︓Q1に40億円の米国関税還付を計上しており、これは想定される還付額全体の6~7割程度に相当します。残額についても還付を受けられる可能性はありますが、還付時期および金額の見通しには不確実があるため、今回公表の通期業績予想に織り込んでおりません。なお、Q1に計上した還付額の事業別の内訳は、7割強が映像事業、残りが主にヘルスケア事業となります。
去年のトランプ関税は、米連邦最高裁が2026年2月にIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく関税を違法と判断したことを受け、米国際貿易裁判所(CIT)の命令に基づき大規模な還付が進行中です。ニコンはQ1に40億円の米国関税還付を計上し、その内の7割強は映像事業が占めています。
映像事業における販売計画下方修正の要因
Q︓販売計画を下方修正した主な要因を教えてほしい。
A︓足元での中国における需要減により、上期の販売計画を引き下げております。中国市場は、政府の消費刺激策(クーポン)の対象からカメラ製品が外れたことや、マクロ経済の減速影響を受け、当初想定を下回って推移しております。先行きについても不透明感が継続していることから、市場環境を慎重に見極めてまいります。
中国は自動車や特定の高効率家電・デジタル製品の買い替え促進策として「大規模設備更新および消費財買い替えの促進行動計画」を実施していますが、対象品目の絞り込みや予算の縮小などの影響で、対象からデジタルカメラが外れたことから需要減になっています。ちなみにソニーやタムロンなどの競合他社も中国市場で売上を落としました。
メモリー価格高騰
Q︓メモリー価格高騰の影響について教えてほしい。
A︓期初時点では、メモリー価格高騰による今期営業利益への影響を二桁億円後半と見込んでおり、現時点では概ね想定どおりに推移しています。一方で、今後の価格動向には不透明感も残ることから、追加的な影響が生じる可能性については引き続き注視していきます。なお、今期必要分の調達については確保の目途が立っています。
メモリー価格高騰は、どのカメラメーカーも大きな影響を受けているのは周知の事実です。ニコンの今期営業利益への影響は、詳細な額の明示を避けたものの「二桁億円後半(おそらく70〜90億円ぐらい)」を見込んでいることを明らかに。明るいニュースとしては、今期分のメモリー調達について確保の目途が立っているとのこと。ちなみにメモリー価格は、特にスポット購入分がかなり高額と言われています。


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